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序章

聖杯戦争。
それは、願いを掴むための必要経費。
こんな言い方をすれば事務的かもしれない。また、大したことが無いようにも思える。
夢物語の一つ、そう笑い飛ばしたっていい。

しかし、現実はそう簡単ではない。
なんせ、ボタンの掛け違いひとつで死にかねない。戦争、と銘打たれているのは伊達ではないのだ。
――なぜそんなに詳しいのか、だって?
単純明快、それは身内がまさに参加してしまい――そして、あっけなく脱落したからに他ならない。
とどのつまり戦争である以上、明日は保証されないのだ。それは誰かの子であろうと、父であろうと、母であろうと、はたまた他人であろうと同じこと。

そして時は来た。
掛け金は命、倍率は無限大。ペンタスの花束は今持ち寄られた。
さぁ、この馬鹿げた戦争を始めようじゃないか――!
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