ゆめ微睡みのアリア
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シリウルはボロミアと過ごすにつれ、さらに離れがたくなっていた。最初は送り届けるまでは居ようと思い、そして前は彼が癒されるまで、今は……と何か理由を付けては残ってしまっていた。
彼女が送った手紙の返信では、あまり長くはならないようにとの寛大なお言葉を頂いていたが、このままでは一生帰れなくなってしまいそうで、シリウルは悩んだ。
悩むシリウルを慰めるようにスールロスが頬ずりをしてくれて、彼女の心は少し暖まった。
窓辺には程よく風が吹いていて、彼女の髪をそっと揺らした。まだ外は暗く、少し霧が出ていまてあまり遠くまでは見えない。
いつかは帰路を辿らなければならない、わかっていながらその事から目を逸らしてしまう。
一週間、一週間は一緒に居てそれからは何があっても帰ってしまおう、そう守れなさそうな結論を下してシリウルは寝に移った。
また暖かく、人の出入り豊かな雰囲気が戻ってきたゴンドールに戦勝したアラゴルンの隊がコルマルレンの野に西軍が着くという情報が届いた。
そして多くの者が彼らを迎えに行きたいと思い、町中に人々は旅の支度をしていた。ボロミアはその様子を見てうずうずしておりまして、明らかに行きたそうにしていた。
そんな彼も様子を哀れに思って、療院の院長が無理をしなければ行っていいと許可を出して下さり、大喜びでシリウルに同行を頼みこんだ。
彼女は快く受け、二人でまた旅に出る準備を始めた。
ボロミアはファラミアも一緒に来るように誘いましたが、気が進まないとして断られてしまった。
ボロミアはどこに気が進まない事があるのかと不思議に思っていたが、ファラミアの考えが全く読めなかったので放って置いた。
旅に出る者はみなそれぞれ同じ言場所を目指しながら別に動いていて、ボロミアが統率すべきではないかと皆が思っていた。
しかしボロミアはその役を受けず、またシリウルと二人で旅をする道を選び取った。
後から聞いて事情と、彼の選択にシリウルは戸惑ったが、二人でいれば旅の途中で帰ることも出来て、コルマルレンの野まで送り届けてから帰る事も容易だったので、受け入れた。
だから彼女は何も言わずに、彼と共に城を出ることにした。
「キリオン、またよろしくな」
そう彼がシリウルがあげた茶色の馬を呼んでいたので、彼が名前を付けたことが分かった。
ボロミアが約束を守って、ちゃんと受け取ってくれたのがここから分かったのでシリウルは喜んだ。
城を出ると、前方に同じようにして旅に出た者たちが居て、行列のようになっていた。
ボロミアが人を避けて馬を先に駆けさせたので、彼女もそうすると直ぐに人の多い地帯からは脱出出来た。
「なんだか久しぶりですね、こうするのも」
「ああ、いいものだな」
夜営をしている時に、シリウルは一応彼の傷の様子を見たいと告げた。
ボロミアは快く受けてくれ、速やかに服を脱いでくれた。
彼の傷は確かに閉じており、シリウルは安心して息を吐いた。
「最初は、あなたにこうして裸を晒すのがとても恥ずかしかった」
静かにそう零すと、彼は苦笑いを浮かべた。
「そうでしたか?」
「ずっとそうだったさ、あなたがあまりにも平然とされるのでもはや慣れてしまったがな」
「すみません、あまりそういうことには疎くて」
「いや分かってる、そうだろうとは思っていた」
「綺麗な方だな、とは思っていたのですが」
「綺麗?」
「ええ…あなたの身体についたこの傷の一つ一つが、誰かを守った証ですから」
「そんな事は思ってもみなかった。むしろ見苦しいとばかり、」
「そんな事はありません、あなたは美しいですわ、私が今まで見た中で誰よりも」
「では同じ言葉をあなたに返そう」
「私に?」
「あなたは誰よりも美しい、私の人生で出会った中での何にも替え難い宝だ」
「ありがとう、ございます」
シリウルが照れながらお礼を言うと、ボロミアは満足そうに笑みを深めた。
