見えないものは、存在しない。
そこにあるとわかっていても、見えなければなかったことになってしまう。
世界とは、人とは、そういうものだ。

俺たちが隠し続ける限り、皆が目を逸らし続ける限り、そこには何もなかったことになってしまう。
見なくてはいけなかった。全てを。
見せる必要があった。事実を。

その前に、教えてやらなきゃいけない奴がいる。
1度目は守れなかった。
2度目は、存在しない。

目を逸らしてはいけなかったはずの俺が、その2度目から目を逸らした時、また冷えた地面に血は流れるのだろうか。