第1章 出逢い
貴方の名は?
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「へぇ、それじゃ俺様達は過去の日ノ本から未来の南蛮…海外にたいむすりっぷ?しちゃったわけか」
「私の憶測ですけどね」
「Ha!そりゃなんともStrangeな事だな!」
「政宗様!楽しまないでください!!」
私は彼等が過去から来たんじゃないかという憶測を話した。実際にその可能性は高い、話は所々噛み合わず、格好もおかしい。
猿飛さんは納得したからか、少しだけだが警戒を解いてくれた。
それよりもこれからどうするかだ。この人達をどうやって過去に帰そう…。
猿飛さんのあの能力も魔法省に見つからないようにしなきゃ…。
私は顔を顰めながら考えていると、幸村に話しかけられる。
「エマ殿!」
「んー、何?じゃなくて、なんですか?」
「…エマちゃん、敬語使い慣れてないなら使わなくていいよ?大将もその方がいいだろうし」
「む?あぁ!某もその方がいいでござる!気軽に接してくだされ!」
「そう?なら、気軽にいくね!」
私に比べたら皆、二百歳以上も離れている。なので、敬語は使い慣れていなかった。ホグワーツに入ってからは上下関係が煩いので頑張って慣れさせたんだけど…、やっぱりまだタメ口になる時がある。
「なら、俺にも敬語無しでお願いするぜ!」
「……政宗様がそう仰るなら…。従者の俺にも敬語はいらねぇ」
「わかったよ!ありがとう!…それで?幸村どうしたの?」
「お願いがある。某達は今家も銭も何もない身一つでござる。どうか、ここは情けで暫くの間この邸に置いてはくれないだろうか?」
「Good idea!俺からも頼むぜ!」
そう真剣に私に向き合う4人。知らない男達を泊まらせるとかアルバスは発狂ものだな…。
けど、私の家に来たって事は、こうなった原因は少なからず私にもあるかもしれない。ヒトは嫌い。けど、良いヒトもいるって私は理解した。
なら、いいかもしれない。少しは他の人を受け入れても、この人たちも私に素敵な愛”見せてくれる”かもだしね。
私は笑顔で返事をした。
「うん、いいよ。部屋も有り余ってるしね!」
「ホントでござるかぁ!?感謝申し上げる!!」
「Thanks!」
「俺様からもありがとね!さっきは襲う真似してごめんね〜」
「…年頃の女が男を家にあげるのは良くないと思うが…仕方ないか。よろしく頼む」
「あはは…、とりあえず帰れる間よろしく。分からないことがあったら、私が教えるから」
こうしてこの武将達が私の家に少しの間過ごすことが決まった。
勿論、私は吸血鬼ということは隠す。魔法はもう使っちゃったから、ごまかせないなぁ。もし、夏休みの期間にこの人達が帰れなかったら、アルバスに相談だ…。
部屋は客室が何部屋か空いてるから使ってもらって…、服は……父様と兄様の貸してもらおう。
「うーん、それじゃあ、その鎧?脱いで現代の服来てもらっていいかな?」
「えー、俺様この格好じゃなきゃ武器隠せない…」
「ごめん、今の時代は許可無しに武器を持つのだめなんだ。それに、比較的平和だから大丈夫だよ?」
「佐助!郷に入っては郷に従え、だ!着替えるぞ!」
「…まっ、仕方ねぇな。小十郎、俺らも刀を置くぞ」
「……承知致しました」
「ありがと!それじゃあ、服持ってくるね」
私はそういうと客室を出る。片倉さんは父様のワイシャツとズボンでいいかな。後の3人は兄様の服…。
私、兄様の服を取り部屋を後にすると、重々しい扉を開いた。そう、ここは父様の部屋だ。たくさんの国、ジャンルの本がここには置いてある。その中には勿論日本の本もあった。
もしかしたら、日本の歴史についての本があるかもな。後で調べてみよう。
私はクローゼットから服を取り出すと、リビングへと戻った。
「お待たせ!」と言いながら、客室へ入ると幸村が再びお腹をならしていた。お腹空くの早くないか…?さっきらショートケーキの他にモンブランとクッキーも食べてたのに…
「うう、か、忝ない。某、再び腹が…」
「ああ、恥ずかしい…。もう、大将〜…」
「あはは、なら服来て部屋を案内したらすぐご飯にしようか!」
「Hey!服っつーのは、その手に持ってる着物の事か?」
「そうだよ!はい。これが政宗でこれが片倉さん。それで、こっちが幸村と猿飛さんのね」
「着方が分からねぇ…」
「あ、なら、私が着せます。脱いで貰っていいですか?」
「!?お、まえ、仮にも女だろうが!そんな、簡単に脱げなんて…」
片倉さんは服を受け取ると難しい顔をして唸った。それもそうだよな、と思い親切心でそういうと物凄い拒否をされた。
なーんか、イラッとするなぁ。そんなに拒否する事ないでしょ!日本人は堅苦しい…。こっちではキスやハグが挨拶だっていうのにやっていけるの?
私は、「政宗のお手本になりたいでしょ?」と少し揺さぶりをかけると案外簡単に折れて、渋々と服を脱ぎ始めた。
筋肉質な身体におぉっ、と感嘆した。無駄な贅肉が一切無くてシックスパックだ!思わず、じっと見つめると怪訝そうな顔をしながら「見るな」と一喝された。
「あはは、ごめんごめん。それじゃ、着せてくね」
「!?し、指示されれば自分で着る!この、抱きつくような体勢はやめろ!!それに、その…」
「hu〜!Jealousyだぜ、小十郎!エマ!その体勢、俺にもやってくれねーか?」
「え?着せてほしいの?」
「ま、政宗様!お戯れを!おい、エマ!その、あた、当たってる。だから、はなせ…」
「え?……あ…」
片倉さんの視線の先には相手の胸板に押し付けられ、ふにゃりと変形する私の胸があった。
最悪だ…、休みだからってラフな格好しすぎた…!
私は慌てて離れて、謝罪した。
「ご、ごめんなさい!こんなつもりじゃ
……!」
「…いや、いい。それで、この丸いのは…」
「あ、このボタンはこうやって引っ掛けて…」
「ぼたん…」
「そうしたら、ズボンはこのベルトでとめる…………」
こうして、なんとか全員無事に着替え終わった。途中、全員褌の事に気づき驚いた私はアクシオで兄様と父様のパンツを呼び履かさた。
褌はダメだ…はみ出しそうで怖い。
溜め息をつきながら改めて4人を見ると皆キラキラとしてた。この人たち、日本人の中でもカッコイイ部類の人達だろうなぁ。すごい整ってる。見惚れていると、政宗がその視線に気づきニヤリと笑った。
「Hey!Girl!そんなに見られると穴が開きそうだぜ」
「ご、ごめん。カッコよくてつい…」
「エマちゃん!そんな事より早く部屋に案内してご飯にしてもらっていい!?大将がやばい!」
「う、うぅ、さすけぇ…め、めしぃ…」
「どんだけ、飢えてやがんだ…真田は…。猿飛、お前の軍はいつもそんなにひもじいのか?」
「違うよ!この人の食べる量が以上なだけ!」
「幸村、もう料理は作り始めてるから、部屋に案内したらすぐに食べれるよ」
「な、なんと!それは有難い!…この邸には女中がいるのでござるか?」
人の気配は某らの他に全くしないのだが、と不思議そうな顔をする幸村に私は杖を振る仕草と共に答えた。
「ふふっ、魔法、だよ。それと、この邸にほ私しか住んでないからね!」
「こんな広いのに?南蛮ではそれが主流なの?」
「んーん、私が家族いないだけ」
猿飛さんの疑問に私はなんでもないような顔をして答えた。
この邸にも、もとはたくさんの召使いがいた。全員吸血鬼ですぐに殺されちゃったけどね。
悪い事を聞いたという顔をする猿飛さんにニコリと笑いかけ、私は部屋に案内するために客室をでた。