第1章 出逢い
貴方の名は?
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私は寝巻きを見つけると、それを手に再び風呂場へと向かった。まだ流石に上がってないだろうなと思いノックもせず脱衣場へと入る。
「失礼しまーす。寝巻きここにおいと…」
「……うーん、あんま見られると俺様困っちゃう」
「え、あ…ごごめん!!この服寝巻きだからこれ着てリビングにきてください失礼しました…!」
私の予想は外れ、そこには何も身にまとってない、傷だらけの身体を晒した佐助がいた。裸という事は男の象徴も見えてしまい、固まってしまった私にヘラりとした笑みを浮かべ佐助は困った顔を言う。ハッとした私は早口で捲し立てすぐに脱衣場を出る。
なんでちゃんとノックしなかったんだろう。今日初めて会ったばっかの男性のブツみるとか私はどんな痴女だ…!父様と兄様とアルバスのくらいしか見たことないのに…。
久しぶりにこんな落ち込んだというくらい落ち込み、私はリビングのソファに体育座りで顔を埋め、皆を待った。
佐助にどんな顔すればいいか分からないんだけど…。
∇∇∇
「いい湯だったでござる〜」
「南蛮の風呂はamusingだな!stoneで出来てんのか?」
「この花の様な匂いは…俺には少し似合わねぇな」
「あは、確かに片倉の旦那には似合わないね!」
「あ、そうだよね…、小十郎さんごめんね…。明日男性用の買ってくるよ…」
流石にそこまで気が回らなかったな、と少し気を落としてると小十郎さんは慌てて「そこまでしなくていい!」と言ってきた。
けど男の人だし、気になるだろうし皆も気にしてるかもだから買おう。そう密かに決めた私に小十郎さんは近づいてきた。なんだろう思い見上げると、顔が近づき私の髪の臭いをスンッと嗅いだ。
え、なんで!?わ、私まだお風呂入ってないのに!!「あ、汗臭いから離れて!!」と相手の胸板を押し返す。
すると、目を細めながら笑んで小十郎さんは言った。
「お前と同じ匂いっつーのも悪くねぇな」
この人は、無自覚なたらしだ…。私はそう思い、真っ赤になっている顔を隠すように俯いた。
「Hey!小十郎、随分積極的じゃねぇか…。しかも俺の前で」
「!も、申し訳ございません!…エマも悪いな、急に近づいて…」
「だ、大丈夫」
本当は全然大丈夫じゃないけど…。私、こんなに男の人意識してたっけ?なんだか、恥ずかしくなり考えるのをやめる。少し暑いかもと手で扇いだ時だった。
そういえば、お風呂上がりにと思って箱でアイス買ってたんだった。皆、アイス初めてだよなぁ。食べれるか分からないけど聞いてみるか。
「ねぇ、お風呂上がりだし。アイスクリーム食べない?」
「?あいすくりーむ?それはなんでござるか?」
「俺様も聞いた事ないや。南蛮の食べ物?」
「…ice cream?」
「またおかしな名前だな…」
「アイスクリームは冷たいお菓子!幸村達の時代でいうと氷菓子みたいな?牛の乳を使ってつくるの」
「え!?う、牛の乳を…?そ、それは食べれるものなのだろうか?」
「うん!今の人はほとんど食べてるし、濃厚で甘くて美味しいから幸村も気に入るはずだよ!」
「おぉ!で、では、是非食べてみたいでござる!」
幸村は私の話を聞くと瞳をキラキラと輝かせ、ゴクリと喉を鳴らした。
当然、幸村がそう言うと佐助も、賛成して政宗も面白そうにノってくる。小十郎さんも興味があるようでコクリと頷いていた。
私は「アクシオ、アイスクリーム」と唱えるとヒュンッと今日買ったアイスの箱が飛んできて手の中に収まった。
「Oh…、いつみても驚くぜ」
「ほんっと、便利だねぇ。羨ましい」
「ふふ、けど皆も婆娑羅があるじゃん!はい、これがアイスクリーム!色んな味があるけど、今はバニラしかないの、ごめんね」
そう言いながら、棒付きのバニラアイスをみんなに配る。ビニールの開け方と食べ方を教えると真っ先に食べたのは佐助だった。
「うん、冷たくて甘い!こんな味のもの食べた事ないや!」と佐助が感動していると他の人も食べ始めた。口々に「美味しい!」、「こんなの初めて!」と喜びながら食べているのを見て私はなんだか孫を持った気分だった。
(まぁ、孫なんて一生できないと思うけど)
心の中でそう言うと、そろそろお風呂に入らなければと思い出す。
「私もお風呂に入ってくるから、皆はそれ食べてもう寝ちゃいなよ。慣れないことばかりで疲れたでしょ?」
「分かり申した!エマ殿、何から何まで大変感謝致しまする!明日からもよろしく頼む!」
「俺からも、Thank you。明日も頼むな。それじゃあ、goodnight」
「湯冷めするなよ、おやすみ」
「うん、明日もよろしくね。おやすみなさい!」
こうして挨拶をし、私はリビングを出た、あの鋭い目に気づかないフリをして。
∇∇∇
全て洗い終えると私はお風呂から出る。体にバスタオルを巻き付けた時だった。ふんわりと私と同じシャンプーの匂いが香った。
ああ、来たんだ。と思った瞬間、足元をうろちょろしていた黒い影から人が飛び出し私を押し倒すと馬乗りになり押さえつけられる。押し倒された拍子に体に巻いたタオルは床に落ち、産まれたままの姿になった。
「へぇ、今度は私を押さえつけられたね。佐助」
「あぁ、ホントね。また魔法で縛られると思ったけど成功したよ」
私の嫌味に対し、佐助は苦虫を噛み潰したような顔でそう言った。
あんな短時間で信用されるなんて思っていなかった。あの4人の中だと1番警戒心があったのは佐助だ。毒を入れていないかと厨房にもついてきて、先程のアイスクリームも真っ先に食べていた。
仕掛けられるとは思っていたけどこんなに早いとはなぁ。
「ねぇ、俺様の質問に答えて。アンタは本当に俺達を攫ったんじゃないのか?」
「私は確かに魔法は使える。けど、過去に行く魔法なんてないんだよ。それに、貴方達を攫って私に利益なんてない」
「なら、なんで俺様達をこの邸に置いたの?それこそアンタにとって無意味だし、不利益だ」
「まあ、確かにね。だけど、貴方達がこの邸に来たのなら、帰る時もこの邸からじゃないと帰れない可能性もある。それとその婆娑羅、貴方達の能力は魔法より珍しい。魔法省は貴方達を捕まえて人体実験、もしくは………”皆殺し”にするかも」
その言葉を私は顔を顰めて言う。血が出そうなほど手を握りしめた。幼い頃の記憶がフラッシュバックする。
私と同じ境遇にはさせたくない。だから、
「私は貴方達を守る」
「…俺様達は何もしてあげられないよ?」
「見返りは要求しない。けど、その代わりに私に教えて欲しい事がある」
「何?」
そう私が欲しくて知りたくて堪らないモノ。
遠い昔に無償で貰っていたモノ。
憧れて羨んだモノ。
もう二度と手に入らないと諦めたモノ。
「私に”愛”を教えてほしい」
「は?」
「愛が欲しいとは言わない。私はヒトを愛しちゃダメだから。その代わり、教えて、見せて、近くで感じさせてほしい」
「…俺様何言ってるのか…」
佐助は困惑し、私の顔を見た。
拘束が緩むと私は起き上がり、佐助の頬に手を当てた。そのお風呂から上がったばかりでもひんやりとした手は一生暖かくなることはない。
ジッと目を合わせると、佐助の瞳の中には少しの怯えが見える。それを和らげるかのように私は柔らかい微笑みを浮かべる。
「佐助、貴方はヒトを愛したことある?」
「お、俺様…は…」
佐助は目を泳がせながら、私の上から退こうとしたその時だった。
「佐助?エマ殿?何をしておられるのだ?入るぞ」
「!?た、大将、ちょっと待って!!!」
扉の向こうから幸村の声が聞こえ佐助の静止なんて聞かずに扉は開かれる。幸村は私達を見て顔を真っ赤に染めた。
まあ、無理もないよね。私は素っ裸でその上に佐助が乗ってるんだから。
ワナワナと震える幸村が叫び声をあげるまで後30秒。
それを聞きつけ政宗達がやってくるまで後1分。
佐助はどんな愛をみせてくれるのかな。私は幸村に怒られている佐助を見ながらふふっと笑った。
「失礼しまーす。寝巻きここにおいと…」
「……うーん、あんま見られると俺様困っちゃう」
「え、あ…ごごめん!!この服寝巻きだからこれ着てリビングにきてください失礼しました…!」
私の予想は外れ、そこには何も身にまとってない、傷だらけの身体を晒した佐助がいた。裸という事は男の象徴も見えてしまい、固まってしまった私にヘラりとした笑みを浮かべ佐助は困った顔を言う。ハッとした私は早口で捲し立てすぐに脱衣場を出る。
なんでちゃんとノックしなかったんだろう。今日初めて会ったばっかの男性のブツみるとか私はどんな痴女だ…!父様と兄様とアルバスのくらいしか見たことないのに…。
久しぶりにこんな落ち込んだというくらい落ち込み、私はリビングのソファに体育座りで顔を埋め、皆を待った。
佐助にどんな顔すればいいか分からないんだけど…。
∇∇∇
「いい湯だったでござる〜」
「南蛮の風呂はamusingだな!stoneで出来てんのか?」
「この花の様な匂いは…俺には少し似合わねぇな」
「あは、確かに片倉の旦那には似合わないね!」
「あ、そうだよね…、小十郎さんごめんね…。明日男性用の買ってくるよ…」
流石にそこまで気が回らなかったな、と少し気を落としてると小十郎さんは慌てて「そこまでしなくていい!」と言ってきた。
けど男の人だし、気になるだろうし皆も気にしてるかもだから買おう。そう密かに決めた私に小十郎さんは近づいてきた。なんだろう思い見上げると、顔が近づき私の髪の臭いをスンッと嗅いだ。
え、なんで!?わ、私まだお風呂入ってないのに!!「あ、汗臭いから離れて!!」と相手の胸板を押し返す。
すると、目を細めながら笑んで小十郎さんは言った。
「お前と同じ匂いっつーのも悪くねぇな」
この人は、無自覚なたらしだ…。私はそう思い、真っ赤になっている顔を隠すように俯いた。
「Hey!小十郎、随分積極的じゃねぇか…。しかも俺の前で」
「!も、申し訳ございません!…エマも悪いな、急に近づいて…」
「だ、大丈夫」
本当は全然大丈夫じゃないけど…。私、こんなに男の人意識してたっけ?なんだか、恥ずかしくなり考えるのをやめる。少し暑いかもと手で扇いだ時だった。
そういえば、お風呂上がりにと思って箱でアイス買ってたんだった。皆、アイス初めてだよなぁ。食べれるか分からないけど聞いてみるか。
「ねぇ、お風呂上がりだし。アイスクリーム食べない?」
「?あいすくりーむ?それはなんでござるか?」
「俺様も聞いた事ないや。南蛮の食べ物?」
「…ice cream?」
「またおかしな名前だな…」
「アイスクリームは冷たいお菓子!幸村達の時代でいうと氷菓子みたいな?牛の乳を使ってつくるの」
「え!?う、牛の乳を…?そ、それは食べれるものなのだろうか?」
「うん!今の人はほとんど食べてるし、濃厚で甘くて美味しいから幸村も気に入るはずだよ!」
「おぉ!で、では、是非食べてみたいでござる!」
幸村は私の話を聞くと瞳をキラキラと輝かせ、ゴクリと喉を鳴らした。
当然、幸村がそう言うと佐助も、賛成して政宗も面白そうにノってくる。小十郎さんも興味があるようでコクリと頷いていた。
私は「アクシオ、アイスクリーム」と唱えるとヒュンッと今日買ったアイスの箱が飛んできて手の中に収まった。
「Oh…、いつみても驚くぜ」
「ほんっと、便利だねぇ。羨ましい」
「ふふ、けど皆も婆娑羅があるじゃん!はい、これがアイスクリーム!色んな味があるけど、今はバニラしかないの、ごめんね」
そう言いながら、棒付きのバニラアイスをみんなに配る。ビニールの開け方と食べ方を教えると真っ先に食べたのは佐助だった。
「うん、冷たくて甘い!こんな味のもの食べた事ないや!」と佐助が感動していると他の人も食べ始めた。口々に「美味しい!」、「こんなの初めて!」と喜びながら食べているのを見て私はなんだか孫を持った気分だった。
(まぁ、孫なんて一生できないと思うけど)
心の中でそう言うと、そろそろお風呂に入らなければと思い出す。
「私もお風呂に入ってくるから、皆はそれ食べてもう寝ちゃいなよ。慣れないことばかりで疲れたでしょ?」
「分かり申した!エマ殿、何から何まで大変感謝致しまする!明日からもよろしく頼む!」
「俺からも、Thank you。明日も頼むな。それじゃあ、goodnight」
「湯冷めするなよ、おやすみ」
「うん、明日もよろしくね。おやすみなさい!」
こうして挨拶をし、私はリビングを出た、あの鋭い目に気づかないフリをして。
∇∇∇
全て洗い終えると私はお風呂から出る。体にバスタオルを巻き付けた時だった。ふんわりと私と同じシャンプーの匂いが香った。
ああ、来たんだ。と思った瞬間、足元をうろちょろしていた黒い影から人が飛び出し私を押し倒すと馬乗りになり押さえつけられる。押し倒された拍子に体に巻いたタオルは床に落ち、産まれたままの姿になった。
「へぇ、今度は私を押さえつけられたね。佐助」
「あぁ、ホントね。また魔法で縛られると思ったけど成功したよ」
私の嫌味に対し、佐助は苦虫を噛み潰したような顔でそう言った。
あんな短時間で信用されるなんて思っていなかった。あの4人の中だと1番警戒心があったのは佐助だ。毒を入れていないかと厨房にもついてきて、先程のアイスクリームも真っ先に食べていた。
仕掛けられるとは思っていたけどこんなに早いとはなぁ。
「ねぇ、俺様の質問に答えて。アンタは本当に俺達を攫ったんじゃないのか?」
「私は確かに魔法は使える。けど、過去に行く魔法なんてないんだよ。それに、貴方達を攫って私に利益なんてない」
「なら、なんで俺様達をこの邸に置いたの?それこそアンタにとって無意味だし、不利益だ」
「まあ、確かにね。だけど、貴方達がこの邸に来たのなら、帰る時もこの邸からじゃないと帰れない可能性もある。それとその婆娑羅、貴方達の能力は魔法より珍しい。魔法省は貴方達を捕まえて人体実験、もしくは………”皆殺し”にするかも」
その言葉を私は顔を顰めて言う。血が出そうなほど手を握りしめた。幼い頃の記憶がフラッシュバックする。
私と同じ境遇にはさせたくない。だから、
「私は貴方達を守る」
「…俺様達は何もしてあげられないよ?」
「見返りは要求しない。けど、その代わりに私に教えて欲しい事がある」
「何?」
そう私が欲しくて知りたくて堪らないモノ。
遠い昔に無償で貰っていたモノ。
憧れて羨んだモノ。
もう二度と手に入らないと諦めたモノ。
「私に”愛”を教えてほしい」
「は?」
「愛が欲しいとは言わない。私はヒトを愛しちゃダメだから。その代わり、教えて、見せて、近くで感じさせてほしい」
「…俺様何言ってるのか…」
佐助は困惑し、私の顔を見た。
拘束が緩むと私は起き上がり、佐助の頬に手を当てた。そのお風呂から上がったばかりでもひんやりとした手は一生暖かくなることはない。
ジッと目を合わせると、佐助の瞳の中には少しの怯えが見える。それを和らげるかのように私は柔らかい微笑みを浮かべる。
「佐助、貴方はヒトを愛したことある?」
「お、俺様…は…」
佐助は目を泳がせながら、私の上から退こうとしたその時だった。
「佐助?エマ殿?何をしておられるのだ?入るぞ」
「!?た、大将、ちょっと待って!!!」
扉の向こうから幸村の声が聞こえ佐助の静止なんて聞かずに扉は開かれる。幸村は私達を見て顔を真っ赤に染めた。
まあ、無理もないよね。私は素っ裸でその上に佐助が乗ってるんだから。
ワナワナと震える幸村が叫び声をあげるまで後30秒。
それを聞きつけ政宗達がやってくるまで後1分。
佐助はどんな愛をみせてくれるのかな。私は幸村に怒られている佐助を見ながらふふっと笑った。