暫く佐々木と話していたのぞみは、チャイムの音が聞こえ話しを中断する。

「もうこんな時間か…いやぁ、花咲と話すと時間を忘れてしまうなぁ。」

「また聞きますよ！これから居ますから」

「そうだな！」

佐々木が椅子から立ち上がると同時にのぞみも立ち上がり共に教室に向かう。向かう途中で何か胸に暖かい感情が溢れ首を傾げるも気のせいかと佐々木の後をついていく。

「（なんであったかいんだろ？）」

佐々木は、のぞみを一度 廊下で待機してもらい教室へと入っていく。暫くたってから呼ばれのぞみは、深呼吸してから教室へ入る。教室に入ると佐々木の隣へと歩みそのまま90度に体を生徒の方へ向ける。
佐々木は、のぞみが隣に立ったのを確認するとのぞみのフルネームを黒板に書いていく。

「今日からこのクラスの仲間になった花咲 のぞみさんだ。」

「花咲 のぞみです。分からない事が沢山あってご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします！」

内心プチパニックを起こしながらも笑みを浮かべて自己紹介し頭を下げれば生徒たちから拍手が聞こえのぞみは、ホッと息を吐き出す。

「席は…あの空いている席な！」

「ぁ、はい！」

佐々木の言葉にのぞみは、頷き空いている席に近付き通学カバンを置くとそのまま椅子に腰かけると佐々木は簡単にホームルームをして教室から出て行く。佐々木が出てくると同時にクラスの大半がのぞみに近づく。
そんなクラスメイトにのぞみは、緊張と恐怖で固まる。

「何処から来たの？！」

「あ、愛知からです。」

「どうして来たの？！」

「おじさんの知り合いがここに居るみたいで…」

クラスの生徒からの質問に一つ一つ答えて行き慣れてくると多少の冗談も言うようになりクラスの生徒からの本心からの笑顔が出ている事にのぞみは、気づかない。