ヒロインside


目の前が真っ暗になった

ティーチの足元に横たわる藍

藍の背中は真っ赤に染まっていた


自分のものとは思えない悲鳴

マルコの怒声

ティーチを押さえつけるマルコとエース

目の前で起こっている事なのに、まるで現実じゃないみたいだった


自分がどう動いたのかも覚えていない


気が付いたらエースに支えてもらわないと立てない状態だった


医務室の前

藍の手術が終わるのを待つ

その間エースがずっと支えてくれていた

ガタガタと震えるなか、私の腰を支え、手を握ってくれるエースの温もりだけが頼りだった



そして、手術が終わった


ドクターの手術は成功だという言葉を聞いて我慢していた涙が溢れ出した


「大丈夫だ・・・鈴・・・大丈夫だから・・・」

そう言ってエースがずっと背中を支えてくれる





ほどなくしてマルコがオヤジ様の所へ報告とティーチの始末に行くと・・・



「鈴、お前は藍についてるかい？」


きっとマルコも藍についていたいんだろうな・・・


何より、何でこんな状況になったのか知りたいはずだ

出来るならずっと藍についていたい

でも・・・

私も私のすべきことを・・・


「い・・・っしょに行く」

袖で涙を拭う


「おい、鈴、無理するな」


エースの心配そうな声


「だいじょう・・・ぶ。こうなった理由を私は知っているし、藍と約束したから・・・一緒にオヤジさんの所に行く」


藍はサッチを・・・オヤジ様を・・・そしてエースを守ってくれた

今度は私が私の役目を果たす番だ

私の知っている事を全て・・・

ちゃんと話さなきゃ・・・



自分の足でしっかり立ち、エース達と一緒にオヤジ様の所へと向かった


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