ローside


ルナがタクシーに乗るのを見送ってから俺もタクシーを拾って帰った


珍しく自分の口元が緩んでいるのが分かる



ルナに帰国後病院に来るように言っておいた日


受付にはルナが来ることを伝えておいた


必ず俺に連絡するように・・・と


俺が診るから・・・と


それを聞いていた受付や看護師がザワザワしていたが、気にしねぇ


病院で会ったからだろう


トラファルガー先生と言いだしたルナにローで良いと・・・


怪我した足をみたが、予想通り、もう何ともなかった


本人も痛みがないと言ってたしな


これでもう会う機会もないか・・・と思ったから後日食事に誘った



何が食べたいか聞けば和食・・・と


イタリアンやフレンチなどを言われる事が多いから和食・・・は意外だった

しかも、気軽な店が良い・・・と


俺も和食が良かったしな・・・


それを顔に出したつもりはなかった


しかし、ルナは・・・


『和食が良かったなら言ってくれて良いのに』


・・・と


顔に出てただろうか？と聞けば、出ていた・・・と



それほど表情が分かりやすい方ではないと思う


それをルナはとても分かりやすい・・・と


そう言うルナもとても分かりやすい


俺の気に入っている店で俺が気に入ってる料理を美味しそうに食べる


それほど沢山は飲まないみたいだが、酒もそれなりに飲む


その好みが同じで久しぶりに純粋に楽しかった


ルナが純粋に楽しそうにしているのも大きい


女と一緒に食事を楽しむという事が今まであったか？


この店には女を連れて来た事はなかった



ここは俺が一番気に入っている店で俺が落ち着きたい時に来る店だ


まだ出会って間もないルナだが、こいつなら良いか・・・と連れて来た



俺がこの店で一番気に入っているのは〆のおにぎり


俺がおにぎりを頼むと、不思議そうな顔をしていたが、すぐに自分も食べる・・・と



パンよりご飯派らしい


まさか、女と食事をして米について盛り上がるとは思わなかった


予想外過ぎて面白い



多分、ルナとは合う・・・んだと思う


何となくだけど、雰囲気だったり、感性だったり、好みだったら・・・


一緒にいてしっくりくる


こんな女は初めてだった



だから・・・


会計で揉めた時、次はルナが出すと言った時・・・


次があるんだ・・・と口元が緩んだんだ・・・