誰より君が、好きだった
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ヒロインside
甲板では宴が行われている
みんなの楽しむ声を少し離れた私の部屋にも聞こえてきた
もちろん私はいつものように参加しない
そして、いつものように部屋で仕事をするはずが全く進んでいなかった
その理由は・・・
私の手に握られているターコイズブルーのガラスペン
そして、私のデスクの上には同じ色のペン置き
羽根をモチーフにしてあり、それはまるで蒼い不死鳥のよう・・・
あの日、マルコ隊長と一緒に上陸した日
マルコ隊長に手をひかれて酒場に行く途中に見つけたものと同じものだった
あの時は結局、時間がなくて諦めたのに・・・
今日の敵襲後
重傷者の治療が終わり、他のドクターとナースにも引き継いだ後、治療中は感じなかった恐怖に襲われた
銃声
怒号
刀の交わる音
すぐ近くでそれらが聞こえて来て怖くなかったわけはない
でも、私が顔をあげると常にマルコ隊長の背中があった
『ルナ、お前には指一本触れさせないよい』
そう言ってくれたマルコ隊長の背中が・・・
それだけで私は怖くなかった
それが今になって手が、体が震え出した
そんな時、マルコ隊長に声をかけられた
いつも戦場には出るなときつく言われているのに前線に出てしまった事を叱られる覚悟は出来ていた
震える手を隠しながらマルコ隊長に頭を下げた瞬間・・・
「・・・えっ」
目の前には逞しい胸板とマルコ隊長の誇り
私の背中に回された太い腕
そして、私の頭を撫でる優しく、温かい手
それはまるで大丈夫だ・・・と言ってくれているようで・・・
いつのまにか私の震えは止まっていた
「頼むから、戦場には出てくるな」
叱られる・・・と思っていたのに、その声はあまりに優しくて・・・
「ごめんなさい・・・でもっ・・・」
思わず顔をあげると、思いのほか近かったマルコ隊長の顔
「ルナの事だ、負傷者がいれば同じ事をするんだろい?」
まるで諦めたように溜息を吐くマルコ隊長
私は小さく頷いた
「・・・ルナらしいねい」
そう言ったマルコ隊長の顔があまりに優しくて・・・心臓が破裂してしまうんじゃないか・・・と思うくらいドキドキした
「せめて、そういう時には俺を呼ぶって約束してくれ。絶対にルナには指一本触れさせない。俺がいない時は絶対に戦場に出るな」
マルコ隊長の顔が近くて顔を背けようとしたけど、頭を撫でていた手が私の頬を包み、それは叶わなかった
ともかく今の状況を脱したくて必死に何度も頷いた
そんな私を見ながらマルコ隊長は満足そうに笑い、頭をポンポンと撫でながら・・・
「良い子だねい・・・そんなルナにはこれをやるよい」
そう言って渡された箱
その中に入っていたのが今私が手に持っているガラスペンとペン置き
前回上陸した島で、マルコ隊長の不死鳥の色に似ていると気になっていたガラスペンだった
あの時、ウインドウを見ていたのを気づかれたのか、それとも偶然か・・・
分からないけど・・・
これをもらうまでの一連の事を思い出して顔が赤くなるのが分かる
マルコ隊長は何でこれを?
嬉しいけど・・・苦しい・・・
マルコ隊長が好き過ぎて、泣きそうになる
それくらい・・・
誰よりあなたが・・・
好きです・・・
【確かに恋だった様】よりお題拝借
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