悠久を漂いし孤高の浮き雲
「ユウ、重い……」
「うるせぇ。……つかなんでモヤシやリナがいる」
「僕だって恭弥といたいんです!カンダこそどこかに行ったらどうですか」
「だから喧嘩しないでってば」
「……なんですかこれは」
「恭弥さんの両側に、神田先輩とアレン……?」
「すごい絵面びょん。アイツらこんなの見たら考え直すらよ」
「確かにね…………」
「ハッ!げ、元帥……!すみません、こんなところ……」
リナリーが入ってきた骸の姿を見つけると身なりを正しながら一礼する。そんな作法のいい彼女を見ながら骸は小さく微笑むともみくちゃにされる雲雀へと視線を移す
「構いませんよ。向こうでは最強の不良だの風紀委員だの言われていたのにこの様子
(ノアはもっとかけ離れていたが……。まぁあくまでも一興でしたが)」
「……おい、六道元帥」
「なんでしょうか」
「もう一つの楽しみとやらはどうした。こいつの楽しみは三重生活だったろ」
「…………」
「まだ内緒ですね。そのうち彼から話がありますよ
少なくとも君たちを留まらせて置くように言ってきたのは彼ですし」
「六道はその弟子を引連れてどうしたわけ」
「犬と千種はこれから任務です。まぁ君のワガママの穴埋めですけれど」
「!に、任務なら私が!」
「いい……ヒバリの珍しいワガママだから。聞いてあげて……任務はめんどいけど」
「柿ピーは相変わらずつれないびょん。久々の任務だし派手にやってイノセンス回収してきます骸さん!」
「頼みますよ。停戦しているとはいえ、彼らがイノセンスをずっと放置しているはずがないでしょうからね
……リナリー、後で個人的な話があります。落ち着いたらで問題ありませんので
あぁ、そうです。ーーアレン・ウォーカー」
「ふぁい!?」
クロームから差し入れられたみたらし団子を頬張っているアレンは唐突に名前を呼ばれて勢いよく振り返る
そんな脳天気な顔が先程まで自分と昔の話をして、リドと呼んだ声は同じなのに出す表情などは異なり、ちぐはぐな存在だと小さくため息を漏らす
「なっ!いきなりため息!?」
「いえ、呆れたと思いまして。そのアホ面が」
「アホ面!?」
「クロスの馬鹿にもし会ったら、【この飲んだくれ詐欺宣教師、さっさと借金僕に返しにこい】と言っておいてください」
「………………はい……すみません……」
「元帥にも借金をするなんて……ほんとクロス元帥って……」
「強いですよ、力はね。……アレンもですけど
さて、クローム。君にはコムイにこの書類をお願いします。先日の報告書の纏めとでも言えば伝わります」
「わかりました。……できればその、また稽古を……」
「もちろんです。でも夕刻になってからですね
それまでに僕も用事を何件か済ませておきます」
「ありがとうございます」
一礼するとクロームは犬たちと部屋から出ていき、後に続くように骸も部屋から出ていく。その背中を一瞥した雲雀は口角を上げる
