はじめに
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学校から帰宅後、忍はまたいつも通り名を名乗り、淡々と身の回りのことを済ませ、寝床へと入った。
そして、やはりいつも通りに同じ問いを自分に問いかけていた。
(楽しいのは学校だけ…か。)
何故、こんな家に産まれたのだろう。
皆の手は、綺麗なのに。
自分の手は、五歳の頃には血に染まっていた。
(何処かへ行きたい…)
そう、強く望む。
自分の一族を知らない世界へ。
行ってみたい、そしたら"普通"に暮らせるのではないか。
「ハハッ…」
そこまで考えて、忍は嘲笑する。
ない、そんな世界など。
あるわけ無い。
あるなら、それは死んでからだ。
(……いや、死んでもダメか。)
俺が殺した人間が……歴代一族が殺した人間が………
きっと自分を黄泉へと引きずりこむだろう。
死んでもなお続く苦しみを、自分に味あわせようとするだろう。
「やだねぇ、こんな、事…考えちゃうなんて。」
モヤモヤとした気分のまま、彼女はそっと目を閉じた。
翌日、自分がどうなるかも知らず。