はじめに
夢小説設定
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「ね~、今日暇?」
「暇暇!何?なんの用事?」
「今日合コンしようと思っててぇ。」
「キャー!!マジ?イクイク!イケメンいる?」
「わぁ、すごーい!それ、買ったの?」
「そ。ブランドのポーチ。」
「いいなぁ、それ。高かったでしょ?」
「ちょーっと可愛くして彼氏にねだった♪」
「うっわ、小悪魔~」
忍は地獄耳だ。
少し集中して耳をすませれば、教室内の女子の声程度、余裕で聞き分けることができる。
が、集中して聞いた結果分かったのは、自分は女子みたいな女子にはなれそうもないこと。
(何?そのポーチ可愛いの?
まっピンクでゴテゴテしててさ。
目ぇチカチカするだろーが。)
頬杖をつき、苛立った様子で忍は眉間をおさえた。
(だーくそ、今日一日女子の会話聞いてたら頭ガンガンしてきたぜ。)
酷くなってきた頭痛を改善したく、おさえた眉間を揉みほぐす。
「よお!どした?疲れた顔して。」
そんな中、ある一人の男子が彼女に声をかけてきた。
今日一日、嫌と言うほど甲高い声を聞いてきた忍は、がばりと顔をあげた。
「いや、ちょっとな。女子ってどんな話すんのかな?ってな。盗み聞きしてたんだけどよ。でもついてけねぇや。」
「だろーなー。お前のことだもんな。」
さらりと、お前に女らしさはないと断言される。
しかしそれも致し方ない、今まで男として生きてきたのだから。
「それよりさ、今週のジャンプ読んだか?」
人知れず落ち込む忍をよそに、その男子はある少年漫画の話題を出してきた。
誰かと話したくてたまらなかったのだろう。目がワクワクとしている。
「もちのろんすけ!」
忍も、やはりいつも通りの方が気が楽で、その会話にのった。
家訓は解禁されたものの、やはり自分には男らしい生き方が似合ってるのかもしれない。
そう感じながら、少し楽しい放課後を過ごした。