はじめに
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「ね~なにしてんの?早く行くよ!」
「お…おお、わりぃ!」
少し一族のことを振り返っていると、苛立ったように友人から声がかかった。
慌てて友の後ろをおいかける。
その、スカートをひらつかせる友の背を見てふと忍はあることを思った。
「なあ、今思ったんだけどよ…」
「ん?何?」
「俺、どうやって女として過ごせばいいのかわからん!」
効果音がつきそうなくらい、自信満々に言う。
「は?なにそれ。あんた女じゃん。」
その変な一言に、友人は呆れ冷たい目を向けた。
尤も、忍はそれに気がつくことはなく、大声でまくしたてる。
「いやいやでもさ!
学校側も、実は表世界も牛耳っちゃってる家が怖くて、家の言う通り俺を男として今まで扱ってるからね?
制服は女物だけど。
文武両道がモットーの学校だから、体育とかずーっと男相手にこてんぱんにしたし。
やたら女にモテて、そこら辺の男子より告白されてっし。
そもそも、女友達お前だけだし。
周り男子ばっかだし!!!」
「あんたね…」
その良く分からない悩みに、友人は思わずため息をついた。それでも、一応解決策を見出してくれようとするあたり、優しいなと忍は思う。
「周りの女子の会話、聞いてごらんよ?今日。」
その友人の提案に、忍は嬉しそうに顔を輝かせた。
「いいなぁ、それ!お前頭いいな!
あっ、おい!置いてかないでー!」
いつの間にやらまた、足の止まっていた彼女はおいてけぼりにされていた。
まあ、必要以上に干渉してこないこの友人とが、一番関わりやすく長続きしているのだけれど。