修行2日目
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『いや、すげぇ鼻血だったなぁ。』
「そうだな」
『何があったんだろうな。』
「そうだな」
やけに広い廊下をルッチの部屋へと歩きながら、忍は居心地の悪さを感じていた。
『ルッチ?いつまで俺の肩に手ぇおいてんの?』
彼の大きな腕が、医務室を出た時から彼女の肩にまわされていたからだ。
「ん?ああ、部屋につくまで。」
あまりの居心地の悪さに問いかけた忍に、こともなげにルッチはそう答えた。
「何か文句でも?」
ただでさえ無愛想なのに、ネコネコの実の能力のせいもあるのだろうか。キラリと冷たく光る瞳に何もいえず、彼女は押し黙った。
沈黙も答えととったのだろう、彼女の目がゆれてそらされたのを見てルッチは口角を上げて微笑んだ。
ただ苦痛の時間はそれほど長くは続かず、わりと時間もかからず彼の自室にたどり着いた。
部屋に入ってすぐ、ルッチは上着を脱ぎ、ソファーに座りながら置いてあった書類を読み始めた。
広いソファーのため、少し距離を開けて隣へと座る。
「俺は明日任務が入っている。」
書類から目を離さず、ルッチは忍に声をかけた。
『へぇ。』
「カクも任務だ。」
『ふーん。』
「ジャブラもだ。」
『へぇ~ってことは…』
「ああ。誰もいない。」
彼の読んでいる書類は、その任務の書類なのだろうか。述べられた名前は連日顔を合わせていたCP9たちで、それはつまり明日は自分はようやく一人で体を休められるチャンスを得られたということで、人知れず彼女は安堵の息をついた。
『修業は?』
「自主練でもしていろ。それと、明日はエニエスロビーから出ない限り、外出を認める。」
ただ、休みたいと言っていいはずもないので明日の修業について問うと返ってきたのは予想外の返事だった。
『わかった、ありがとう』
ちら、と忍の顔を見てルッチはまた書類に視線を落とした。
それ以上特に会話も続かず、やることもなく、退屈だし隣にもいづらい。それを彼も察してくれたのだろう。
しばらくしてから、長くため息をついてばさりと書類を机に置いた。
「お前、今日はもう休め。」
くい、とベッドを指さされる。そうはいっても、まだ時間は早すぎた。
『まだ四時だけど?』
「知らん。俺は休む」
怪訝そうに眉を寄せ時間を言うと、ルッチはじろりと自分をにらみそう言いのこし、さっさと立ち上がって寝室へと入っていった。
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