修行2日目
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「忍…一応女じゃろうに。大人の男をおぶっても余裕じゃな。」
「チッ…」
カクが感心したようにつぶやくと、苛立ったように舌打ちをしてルッチが踵を返した。
「あ、ワシも行くー」
慌ててカクもそのあとを追う。
『…あれ、二人とも付いてきてくれんのか?』
先程までスパンダムに対しなんの興味ももってなかった二人が歩み寄って来たのを見て、驚いたように忍は声を発した。
「貸せ。俺が持つ。」
『あ、ありが…ちょーかーん!』
スタスタと長い足で間合いをつめると、ルッチはスパンダムの足首を乱暴に掴みその体を忍の背中からうばった。
スパンダムの頭がひどく床に打ちつけられる音がする。
『い、いいいいいいいい。俺持つ俺持つ。』
「問題ない。もうすぐだ。」
慌てた忍の言葉に、ぶっきらぼうにルッチは返す。何故だか少しイラついているようだった。
『ルッチの問題じゃねぇ、長官が白目剥いてるから!!』
「…Σもしや、忍…長官が好きなんか!?」
「何!?」
無能とはいえ仮にも上司の立場である彼を心配したのに、カクはなんとも的外れな憶測をたてていた。その言葉になぜかルッチも反応している。
『いやいやいやいやいや、何でそうなる!何でルッチも反応してる!?』
「どうなんじゃ!はっきりせい!」
『こんな継ぎ接ぎ、好きになんかなるかボケ!!』
思わずふるった拳は、とてもいい音でカクの頭に振り落とされた。
「いたっ!何で殴るんじゃー」
『つっこみだ!つーか、鉄塊すりゃいーだろ。』
「お主の拳を痛めまいという、ワシのやさしーい気遣いじゃ!」
『あー、そうかい。優しいでちゅね~カクちゃんは。』
鉄塊せずその拳をモロに受けたカクの頭を、忍は半ばバカにしたような口調で撫でた。
すると、カクの顔はみるみる耳まで真っ赤になっていく。
『あれ?』
「な、なななな何するんじゃ!!ワシはガキじゃないわい!!」
予想外の反応に思わずかたまった忍の手を、カクは慌てて振り払った。
何か言おうと口をひらきかけると、遠くからルッチの呼びかけが聞こえる。
「…おい、お前ら。」
『あれ?!ルッチが遠い!!』
「とっくに通りすぎている。」
見ると彼の手にすでに上司の姿はない。
『えっ!どの辺りで!?』
「『こんな継ぎ接ぎ、好きになんかなるかボケ!!』からだ。」
『大分前じゃん!!長官は?』
「もう医者に任せた。ほら、戻るぞ。走るのはもういい。」