修行1日目
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「俺は猫じゃない。豹だ。」
ルッチが訂正しても、そんなことは御構い無しと、彼女はCP9最強の男をモフモフしている。
『そんなのどーでもいい。モフモフしたいの~』
「(何だ…?こいつ、いつもより女っぽい)…」
そう感じたルッチがふと下を見れば、潤んだ瞳。赤くなった頬。
どちらも酔いによるものだと分かってはいても、心臓が高鳴るのを止められない。
「(?何だ?この感覚は…)」
不思議な感覚に首をかしげたあと、あしらうのが面倒になったルッチは、ため息をつき豹になった。
今思えば、何故豹になってやったのか分からない。適当に突き放せばよかったものを。彼はそう後悔することになる。
なぜならば、豹を見た途端忍の目は輝き、さっきよりも思いきりルッチに抱きついてきたからである。
きっと、この瞬間からだとルッチは思っている。
この瞬間から、俺の中で何かが変わったと。変わってしまったのだと。
『可愛い~』
「!?(む…胸が…)」
ムギュウ、と抱きつかれルッチの顔には丁度忍の胸がある。任務等の都合上(または性欲処理で)、数多の女は抱いてきた。が、そこに愛はない。恋もしたことがない。
今まで起きたことのない事態に、流石のルッチの頭もついていけなかった。
挙げ句、今は顔を擦り付けてきており、尋常じゃない近さに柔らかそうな唇が見える。
ゴクリと唾を嚥下するのを抑えられなかった。
ルッチも男だ。しかも今は獣。我慢にも限界がある。
「(ま、まずい…早く離れないと)」
我慢できなくなる。
『あ、狼もいる~』
「お、おおおお俺!?」
「(助かった…)」
ルッチがまずい、と思った矢先彼女の興味は狼---ジャブラへとうつった。
が、この状況についていけなかったのはルッチだけではない。周囲の人間もだ。
つまりジャブラは、焦ってしまった。この予想もしない展開に。焦って、能力を思わず使ってしまった。
なってしまったのだ。狼に。
『こっちもいい~』
ギュウウッ
「(ぬおぉ…)」
もとより、圧倒的にルッチよりも女慣れしておらず初心なジャブラ。急に与えられた刺激に我慢できる筈もない。
「あ、おいジャブラ!!」
スパンダムが声をかけた時は既に、彼は鼻血を出して倒れていた。
「(こいつ、意外と女に免疫がねぇんだな…)」
ぼんやりとそんなことを思い、その後すぐに彼が好きになった女性とその後のフラれかたを思い出し、愚問だったなとスパンダムは苦笑した。
「ええのぅ…ワシもしてほしい…」
一方カクは、意外と変態であるし子供らしいところがあるので、まるで漫画でしか見ないようなこの展開に、一言こう呟くと自らも能力を発動した。
だがもちろん、彼の能力は狭い室内で発動するにはむかない。彼は窮屈そうにあの長い首を必死で折り曲げ、なんとか天井を破壊せずにすんでいた。
けれど、そんな窮屈そうな麒麟を見ても忍は目を輝かせた。
『キリンーーーー!』
「ワハハ…どうじゃ?触りたいか?」
『勿論!』
「ほれ。」
内心小躍りしそうな程喜びつつ、それをひた隠しにしてカクは頭を忍の元へ下げた。
『ちょっち固いけど…素敵ーー♪』
「(!おぉ…なるほど、これは…)」
実際に堪能し、カクはルッチとジャブラの反応に納得した。
想像以上の柔らかさ。それでいて、程好い弾力がある。しかも…見た目のわりにでかい。酒のせいでの温かさや普段とのギャップもあり、ますますドキドキする。
「(いかん…これは、そろそろワシの理性がもたんわぃ…)」
勿体無い気もするが、まだ時期が早い。そう判断し、カクは能力を解こうと身じろいだ。
「おい、帰るぞ。」
『お?ルッチ?』
だが、カクの姿が人型に戻る前にルッチは平静を取り戻し、忍の肘をつかんだ。
「良かった…戻ったんか。早く連れてってくれ。理性がもちそうにないわぃ。」
「言われなくても分かっている。」
ヒョイっと忍をお姫様抱っこし、腕の中で暴れる彼女をものともせず、スタスタと部屋から出ていった。