修行1日目
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「…い。おい。聞こえてるかー?」
青キジという台風がすぎさり、やれやれと一息をついていたスパンダムは、なにやら真剣な顔で窓の外を睨む彼女に、声をかけた。
先程と違う忍の様子を少し観察していたルッチは、心の中でスパンダムの行動に舌打ちをする。
(あのバカ、余計な事を)
潜入捜査に慣れていない彼の不用意な行動は、忍のことを探る貴重なチャンスをみすみす潰してしまった。
『え、あ、はい。何でしょう…?』
だがまあ、多少は探れたか…と顔を上げた彼女の様子を見て思う。
普段のおちゃらけた感じとは違う、真剣な表情。
今もこちらに戻ってくるのに、少し時間がかかったようだ。
さて、何を考えていたか…
「そんなにボーッとすんなって。まあ、大将相手だからしょうがねぇとは思うけどよ。」
彼女のその反応に、スパンダムは全く勘繰る様子もなくケタケタと笑った。
ほっ、と忍は息をつく。
少し、考え込んでしまった。だがどうやら、バレた様子はないようだ、と。
ルッチの目線に気づくこともなく胸をなでおろした。
その微妙な空気が場に漂う事にスパンダムは気づかぬまま、パン!と軽く手を叩いた。
視線が彼へと集まると、鼻の穴を膨らませるように得意気に、彼はこう言い放った。
「でな、正式にお前はここに居ていいって決まったし、お披露目会しようぜ。」
その申し出に、一瞬キョトンとしてから、つい顔が輝く。
『いいんスか?』
今までそういう風に歓迎されたことなど、一度もなかった。
生きていることすら、疎われる生だったから。
顔がほころぶのを抑えられない。
その表情に、ニィッと笑って彼は続けた。
「構わねぇよ。だけど、ある特定の奴等が任務詰め詰めでな…そいつらは10分ぐらいしかいれねぇけど。」
『へぇ…』
スケジュールがキツイ人もいるのに、わざわざそのような会を催してくれるとは。
存外この人は、いい人なのかもしれない。
「じゃ、今日6時にここに集合な!」
他の人の意見を聞くこともせず、スパンダムは勝手にそう話をまとめた。