修行1日目
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「おい。」
『わああ!?…ルッチ?』
楽しく話しながら走っていたら、突如後ろからドスの効いた声でルッチに声をかけられ、文字通り忍は飛び上がった。
普通の人から声をかけられたのなら、自分は容易にその気配を察することができる。
だが今は、全く気づかなかった。
流石ルッチといえる。
「なに楽しそうに走ってやがる。ふざけるならきつくするぞ。」
『すんません!』
そう言いながらも、ルッチは走ることをやめず彼女の横をついてくる。なんだかんだ言いつつ、羨ましかったのだろうか。
ニヤニヤと笑うカクを、忍にバレぬよう、ルッチはぎろりと睨んだ。
一方、意外なルッチの優しさに張り切った忍は、グンッとペースを速めた。
「あまり忍と話すな。」
「!」
忍がルッチ達と距離が離れたころを見計らい、ルッチはカクに声をかけた。
「ワハハ、何じゃ?嫉妬か?」
口元は笑いつつも、静かな冷静な目をしてカクは言った。
「フン…そうではない。」
素直じゃないのう、とカクは思う。
勿論、得体の知れない相手とあまり仲良くなるなという意味も込められているのだろうが、きっと今の忠告にはルッチ個人の気持ちもあるのだろう。
カクは簡単に見抜いていた。
「忍は譲らんぞ?」
「…別に、俺のものではない。俺は監視に選ばれただけだ。」
事もなく言い放つルッチに、少しカマをかける。
「狙っとる奴、いっぱいおると思うぞ?」
「!?何!?」
先程までの反応と違い、明らかに興味を示すルッチ。
案外単純である。
「(ワハハハ、ほんまに嫉妬しとる!)カリファにはない男らしさと、取っ付きやすさが人気じゃ!!まだ今日で二日目なのにのぅ。これからもっと増えるかもしれんのぅ。」
そんな二人の会話は、きつくされまいと前の方を走っていた忍には聞こえていなかった。