こんにちはブラック本丸。私はただの迷子です。
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薬研藤四郎と鶯丸を仲間に、執務室基、景趣の見える部屋を目指すことになった名前。審神者の気配は確認できない様なので、居間から退室し審神者がやって来た方向へと足を向ける。
審神者が通った跡だろうか、黒い何かを引き摺った様な跡が見える。黒々しいその跡は、どういった経緯で黒くなったのか、想像したくもない。
あまり良ろしくない光景に眉が顰められる。しかし、これから目にしていく光景は此れよりも、もっと酷いものになっていくのだろうと良からぬ予感がする。
瘴気というものだろうか、黒のような紫のような霞が辺りに漂っている。吸い込むのは体に良くなさそうだ。そう思い顔の前で手をパタパタしてみると、霞は少しずつ胡散していく。二人が何処か驚いたような顔をしているが気にしないでおこう。
廊下の黒い跡を避けながら景趣の見える部屋へと足を進める。鶯丸さんよりも偵察が高いらしい薬研が辺りを警戒してくれているようで、一人の時よりも足取りは軽い。だからといって警戒を怠るつもりはない。
「彼処だ。」
鶯丸さんの声に、顔を部屋に向ける。視点を合わせた先には角部屋がある。景趣の見える部屋のようだ。
俺が開けると薬研は襖の前に行き、隙間から中の様子を伺う。その間鶯丸は、名前の前で何時でも動けるように鯉口を切る。
「…大丈夫だ。何もない。」
その言葉にホッと息を吐く。鶯丸もホッとしたのか刀を納めた。
薬研によって開けられた景趣の見える部屋に近づく。中は、思っていたよりもきちんと整理整頓されており、何処に何があるのかひと目で分かる。天井近くまである棚には、ファイルが所狭しと並んでおり、ファイルの背には歴史の授業で聞いたことのあるような地名や名前が書かれている。几帳面な人だったんだなぁ。
作業机らしい幅広で脚の低い机の上には、書類が数枚置かれている。題名は最終警告。政府からあの審神者に送られた最終警告文のようだ。それ以外には、ペンや朱肉、卓上棚といったオフィス用具が有るだけで通信機は見当たらない。
「あれ?通信機ないよ?」
「いーや、あるぜ大将。」
にっと得意げに笑う薬研に、何処にあるのか分からずクエスションマークを大量発生させる名前。スッと薬研が作業机の正位置であろう場所で手を翳すと、フォンと音を立てて仮想パネルが3枚、空気中に現れた。
「え」
まさかこんな純和風なお屋敷でSF映画のような技術と対面するとは思わなかった。
あまりの衝撃にピシリと固まってしまう名前。しかし、驚きよりも好奇心が上回り目の前の仮想パネルに飛び付く。心なしか目が輝いている。何これ何これ〜⁈と静かに騒ぐ名前に、二人の目は微笑ましげに細められる。20XX年代から来た名前にとって22XX年代の技術は、夢のまた夢の技術なのだ。興奮するのも無理はない。
「さぁて大将。此れが例の通信機だ。動くか心配だったが問題ないようだぜ。」
薬研を真ん中に、鶯丸と名前が左右からパネルを覗き込む。見た目はともかく、タッチパネル式で操作は簡単そうだ。右上の端には、電波が立っており何とか外部との連絡は可能なようだ。
時刻は16時48分。学校が終わったのが15時10分。そこから帰る支度をして友達と別れるまで大体25分ぐらいだから、1時間は経っているようだ。
今までのことが、たった1時間での出来事だったというのが信じられないし、まさかこんな事になろうとは思いもしなかった。でも、ここに来なかったら薬研と鶯丸さんに会うことはなかった。
ここに来て良かったのか良くなかったのか、いまいちよく分からないが、二人に会えたことは確かに良かった事だ。無事に三人で脱出する為にも、もう一踏ん張り頑張らなくては。
薬研に場所を変わってもらい、一先ずメールをチェックしてみる。政府関係者とのメールが有れば、そこから連絡を取ることが出来るかもしれない。スイスイと下にスクロールさせながらチェックしていると、タグ付きのメールが出てきた。件名は、【重要】定例集会のお知らせ。
あった。
すぐにタップしメールを開く。定例集会に参加するような旨が書かれた内容の最後に、送信者として、歴史修正対策本部の電話番号とメールアドレスが記載されていた。そのメールアドレスをタップしてメール作成画面を開く。同時に出現したキーボードの仮想パネルを使って打ち込んでいく。数分で出来上がったメールをすぐさま送信し、送信完了したことを確認する。
「ふむ、一先ずこれで良しだな。」
「あぁ。次はどうする?」
「ん〜…、一応電話掛けてみる。」
メールに記載していた電波番号をタップして電話を掛けてみる。新しいパネルが出現し、回線を繋げているのか中央で3つの点が順番に点滅を繰り返している。しかし、繋がらなかったのか途中で繋がりませんでしたとポップアップが出現しパネルは閉じられた。
「ありゃ、駄目みたい。」
「そのようだ。せめてメールだけでも届いてくれればな…。」
最悪のケースを思い浮かべてしまったのか三人とも無言になってしまう。もしも届いていなかったら…と考えてしまうのは無理もない。ここで審神者に喰われるか無事に脱出できるかは、あのメールに掛かっているからだ。
「ま、まぁ兎に角!メールも送ったしやり残したこととかあるかな?例えば、他にも二人みたいに生き残っている人がいたりとか…?」
何とかこの空気を変える為に、話題を振ってみる名前。すると、心当たりがあるのか鶯丸が答えた。
「そういえば俺が眠る前だが、鶴丸国永や燭台切光忠、粟田口の連中も数振り生き残っていたな。」
「本当か⁈」
粟田口は薬研の刀派である。兄弟たちが生き残っているかもしれないことに胸が締め付けられる。だとすれば、彼らも何処かで眠っているのだろう。
「じゃあ次はその人たちを探そっか!」
パンと手を叩きながら名前は言う。次の目標は、本丸の何処かで眠っている彼らの仲間たちを探し出すこと。この本丸に、後何振り生き残っているのか。想像もつかない。
無闇矢鱈に動くと、外にいる審神者に気づかれかねないので、審神者の動向を気にしつつ、慎重に本丸内を捜索していくこととなった。
審神者が通った跡だろうか、黒い何かを引き摺った様な跡が見える。黒々しいその跡は、どういった経緯で黒くなったのか、想像したくもない。
あまり良ろしくない光景に眉が顰められる。しかし、これから目にしていく光景は此れよりも、もっと酷いものになっていくのだろうと良からぬ予感がする。
瘴気というものだろうか、黒のような紫のような霞が辺りに漂っている。吸い込むのは体に良くなさそうだ。そう思い顔の前で手をパタパタしてみると、霞は少しずつ胡散していく。二人が何処か驚いたような顔をしているが気にしないでおこう。
廊下の黒い跡を避けながら景趣の見える部屋へと足を進める。鶯丸さんよりも偵察が高いらしい薬研が辺りを警戒してくれているようで、一人の時よりも足取りは軽い。だからといって警戒を怠るつもりはない。
「彼処だ。」
鶯丸さんの声に、顔を部屋に向ける。視点を合わせた先には角部屋がある。景趣の見える部屋のようだ。
俺が開けると薬研は襖の前に行き、隙間から中の様子を伺う。その間鶯丸は、名前の前で何時でも動けるように鯉口を切る。
「…大丈夫だ。何もない。」
その言葉にホッと息を吐く。鶯丸もホッとしたのか刀を納めた。
薬研によって開けられた景趣の見える部屋に近づく。中は、思っていたよりもきちんと整理整頓されており、何処に何があるのかひと目で分かる。天井近くまである棚には、ファイルが所狭しと並んでおり、ファイルの背には歴史の授業で聞いたことのあるような地名や名前が書かれている。几帳面な人だったんだなぁ。
作業机らしい幅広で脚の低い机の上には、書類が数枚置かれている。題名は最終警告。政府からあの審神者に送られた最終警告文のようだ。それ以外には、ペンや朱肉、卓上棚といったオフィス用具が有るだけで通信機は見当たらない。
「あれ?通信機ないよ?」
「いーや、あるぜ大将。」
にっと得意げに笑う薬研に、何処にあるのか分からずクエスションマークを大量発生させる名前。スッと薬研が作業机の正位置であろう場所で手を翳すと、フォンと音を立てて仮想パネルが3枚、空気中に現れた。
「え」
まさかこんな純和風なお屋敷でSF映画のような技術と対面するとは思わなかった。
あまりの衝撃にピシリと固まってしまう名前。しかし、驚きよりも好奇心が上回り目の前の仮想パネルに飛び付く。心なしか目が輝いている。何これ何これ〜⁈と静かに騒ぐ名前に、二人の目は微笑ましげに細められる。20XX年代から来た名前にとって22XX年代の技術は、夢のまた夢の技術なのだ。興奮するのも無理はない。
「さぁて大将。此れが例の通信機だ。動くか心配だったが問題ないようだぜ。」
薬研を真ん中に、鶯丸と名前が左右からパネルを覗き込む。見た目はともかく、タッチパネル式で操作は簡単そうだ。右上の端には、電波が立っており何とか外部との連絡は可能なようだ。
時刻は16時48分。学校が終わったのが15時10分。そこから帰る支度をして友達と別れるまで大体25分ぐらいだから、1時間は経っているようだ。
今までのことが、たった1時間での出来事だったというのが信じられないし、まさかこんな事になろうとは思いもしなかった。でも、ここに来なかったら薬研と鶯丸さんに会うことはなかった。
ここに来て良かったのか良くなかったのか、いまいちよく分からないが、二人に会えたことは確かに良かった事だ。無事に三人で脱出する為にも、もう一踏ん張り頑張らなくては。
薬研に場所を変わってもらい、一先ずメールをチェックしてみる。政府関係者とのメールが有れば、そこから連絡を取ることが出来るかもしれない。スイスイと下にスクロールさせながらチェックしていると、タグ付きのメールが出てきた。件名は、【重要】定例集会のお知らせ。
あった。
すぐにタップしメールを開く。定例集会に参加するような旨が書かれた内容の最後に、送信者として、歴史修正対策本部の電話番号とメールアドレスが記載されていた。そのメールアドレスをタップしてメール作成画面を開く。同時に出現したキーボードの仮想パネルを使って打ち込んでいく。数分で出来上がったメールをすぐさま送信し、送信完了したことを確認する。
「ふむ、一先ずこれで良しだな。」
「あぁ。次はどうする?」
「ん〜…、一応電話掛けてみる。」
メールに記載していた電波番号をタップして電話を掛けてみる。新しいパネルが出現し、回線を繋げているのか中央で3つの点が順番に点滅を繰り返している。しかし、繋がらなかったのか途中で繋がりませんでしたとポップアップが出現しパネルは閉じられた。
「ありゃ、駄目みたい。」
「そのようだ。せめてメールだけでも届いてくれればな…。」
最悪のケースを思い浮かべてしまったのか三人とも無言になってしまう。もしも届いていなかったら…と考えてしまうのは無理もない。ここで審神者に喰われるか無事に脱出できるかは、あのメールに掛かっているからだ。
「ま、まぁ兎に角!メールも送ったしやり残したこととかあるかな?例えば、他にも二人みたいに生き残っている人がいたりとか…?」
何とかこの空気を変える為に、話題を振ってみる名前。すると、心当たりがあるのか鶯丸が答えた。
「そういえば俺が眠る前だが、鶴丸国永や燭台切光忠、粟田口の連中も数振り生き残っていたな。」
「本当か⁈」
粟田口は薬研の刀派である。兄弟たちが生き残っているかもしれないことに胸が締め付けられる。だとすれば、彼らも何処かで眠っているのだろう。
「じゃあ次はその人たちを探そっか!」
パンと手を叩きながら名前は言う。次の目標は、本丸の何処かで眠っている彼らの仲間たちを探し出すこと。この本丸に、後何振り生き残っているのか。想像もつかない。
無闇矢鱈に動くと、外にいる審神者に気づかれかねないので、審神者の動向を気にしつつ、慎重に本丸内を捜索していくこととなった。
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