第1章 始まりは居酒屋で

スーツケースとボストンバッグを持ったケイトとメイ。旅の初日は、市役所で婚姻届を提出し、無事受理されたところから始まった。
「次は羽力電車に乗るわよ、ケイト=リウ」
「移動も旅の醍醐味よね~!」
 朝陽を浴びながら電車に揺られること15分。ようやっと、旅の目的地に着いた。
 列車のドアが開いた瞬間、蒸し暑い空気がぬわりと乗客の体にまとわりついた。
「ここからは歩きよ。まずホテルを目指すわよ」
 ボッテト駅の改札口でメイがケイトに教えた。
「は~い」
 2人はボストンバッグが載ったスーツケースを転がしながら、ホテルを目指した。
「しっかし、蒸し暑いわねぇ、メイ。事前に仕事の休み時間に調べたけど、タンゴーラ区域って年々蒸し暑さがひどくなってきてるみたいね」
 先頭を歩くメイがちらりとこちらを向いた。
「一応、湿度計も持ってきたけど、確かに湿度高いわね、見た感じでは。でもまぁ、それも含めての旅なんだから、満喫しましょ♪」
「このドレスの中の汗も、いつか笑える思い出になれば良いけどね~」
 間もなく、城のような外観のホテルに辿り着いたメイとケイト。
 受付でチェックインを済ませると、部屋まで案内され、ルームキーを渡された。
「やっと着いたね~、メイ♪」
「時間ないわよ、ケイト。早くシャワー浴びてショートドレスに着替えなきゃ」
「そうだったね。先にシャワー浴びてくるね」
そう言って、ケイトはメイよりひとあし先に浴室に入った。
 
 入浴と着替えを済ませたメイとケイトは、ショルダーバッグを持ってホテルを出た。
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