付喪神玲子と業火の館の殺人

「おい、笠野‼」
 放課後の文芸部室から出てきたところを、勇一より一年先輩の新3年生になる桜岡先輩に呼び止められた勇一。
「どうしたんですか、先輩? そんなに息切らして」
「斉藤先生が見つからないんだよ。俺、明日締め切りの課題終わらせたから、先生に提出しなくちゃいけなくて」
「僕は知りませんね。すいませんが」
「そっか、見つけたら教えてくれ。何か紙とペン持ってねぇか? お前に俺の連絡先教えるからよ」
 桜岡先輩は勇一に連絡先を書いた紙とペンを渡すと、そそくさと自分のクラスの教室へ戻っていった。
 勇一は不思議に思う。
「杏奈も斉藤先生もどうしちゃったんだろう?」

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