第2章

 結局、結は追っ手と向き合うことにした。索敵で追っ手に囲まれているとわかると、レーザー銃で乱れ撃ちしながら素早く高く高く跳躍して敵を皆殺しにした。
 敵を片付けたところで仕事に戻る。

 しばらく歩いたところで、建物の角の陰に隠れると、ワッフルガールが頭に付けている銀の小さなティアラからメッセージを受信した。
 結は疲れていたため、一旦自宅に帰るためにスロットを46にして帰宅。シャワーを浴びてから、ロレーヌ夫人からメッセージが来ていないか確認する。見つけた。そして展開した。
≪今回の案件のキーパーソンが貴女に会いたがっているのよ。悪い人じゃないみたいだから、安心していらっしゃい≫
 結はカエル屋で買ったバトルスーツに着替えてから、ワッフルガールを連れてスロットを1に戻し、結に会いたがっているという人物に会いに行く。

 結に会いたがっていたのはすみれ色と白のグラデーションが美しい着物姿で、結よりやや年上な女性だった。
「今度の新内閣の政策は、私達のフィールドを脅かすリスキーなものよね。そこで今回の案件が浮上したの。大丈夫。新しい女首相の手のとどかないところからセーバーとして一緒にこのフィールドを守りましょう」
「どうやってでしょう?」
「カンタンよ。私の知り合いで今度の女首相に近しい人が居て、彼も私達と同じ考えでこのフィールドを守りたいと思っているみたいで、今回の案件に
強力してくれるんですって。私達の勝つ日は近いわ」
「その男性とはどちらでお会いできるんでしょう?」
「情報屋のところで会えるんじゃないかしら。モリィの双子の兄らしいから」
 でもね、――と、着物姿の女は菫色の扇子を開く。
「気をつけなきゃダメよ。彼、めったに姿を現さないから。彼、孤独を愛してるから。モリィですら、彼を『ミステリアスな男』と言ってるくらいだから」
「その彼の名は?」
「モリスっていうらしいわ。親から女の子が生まれてくると思われてたらしくてね」
「モリス……」
 結はロレーナ夫人のほうを向く。
「ロレーヌ夫人、私、今回の案件を共にする前にモリスにごあいさつしなきゃ。会ってくる」
「行ってらっしゃい」
 結はスロットを9に合わせて、ワッフルガールを連れて瞬間移動する。

 誰も居ない、錆びた螺旋階段を上って、情報屋のモリィと再会する。
「貴男も左翼派で、今回の案件に協力してくれるんですって?」
 結の問いに、モリィは頷く。
「あぁ、そうさ」
 モリィはワッフルガールを見ながら、にこやかに確かにそう言った。

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