さまーでいず
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
二度目となる十文字宅への来訪。部屋は相変わらずレトロゲームで溢れている。上がった瞬間火照った全身を撫ぜる冷風にふぅ、と一息をついた。
十文字は適当に座っててくれ、と飲み物を取りに行き、私は言われたままに座って部屋をキョロキョロ見回したり顔を手で扇いだり見てないからと靴下を足首くらいまで下げたり。昼間だからか、部屋に電気はついておらず薄暗い。……にしても。
「よくもまあこんなに集めるよなぁ……」
棚には既に収まり切らないのか、部屋に積み重なる幾多ものゲームカセット。それらは十文字がどれだけレトロゲームを愛し、プレイして来たかを物語っている。それか、城壁の様にすら見えた。十文字の世界であると主張し敵から守る様な……。
「なぁ、飲み物コーラで良いか?」
突然聞こえた声に肩を跳ねさせつつもうん、と答える。しばらくして、初対面の時の様にお盆を持って戻って来た。お盆の上にはコップが二つとコーラの入った大きめのペットボトルが二本とポテトチップス。ちなみに味はうすしお。十文字はそれを私の横に置き、私と自分との間にお盆が来る様に座った。コップの中にペットボトルの中身を注ぎながら、十文字がゲーム機のセッティングをしている所を眺める。
慣れた手付きで箱を開封してゲーム機にカセットを挿し込み、コントローラを二つ繋ぐとその内一つを私に差し出す。
「操作方法はわかるか?」
「せ、説明書読めば……」
おずおずと言えば、小さい紙冊子を渡された。これが説明書らしい。マルチプレイの場合はスコアアタック形式で、一ステージを通してのスコアを競うらしい。操作方法も至ってシンプルで、十字キーで縦横移動、Aボタンで発射というもの。如何にもこの手のゲームらしいというか。
粗方把握し終わった為説明書を十文字に返した。
「今日は絶対勝つ……!」
「俺だって負けねーよ!」
お互い見えない火花を散らし、スタートボタンを押す。懐かしさを感じさせる様な電子音と共に、画面が切り替わった。
─────
しばらく対戦して休憩に入る。この前やった格ゲーとは違い、移動と発射だけの操作だからか私でも簡単に出来たと思う。それでも攻撃避け損なったり上手く当てれなかったりとまだまだな所はあるんだけど。
開始してから熱中しすぎて放置していたコップの中身を飲み干す。シュワっとした感触が甘い味と共に口内を駆け巡り、喉を潤した。
「なぁ」
「何?」
「さっきから気になってたんだけど、足どうしたんだ?」
足、と言われて視線を移す。目に飛び込んだのは手当てもされていないほったらかしの傷口。ここに来るまでは靴下を暑くても上まで上げていたからあまり見られなかっただろうけど、さっきから下ろしっぱなしにしてしまった為足の至る所に走る痣だの切り傷擦り傷だのは露になってしまった訳で。
「こ、これは……ちょっと転んじゃっただけだし、すぐ治るから手当ても必要無し、みたいな?」
「でもそれ、すぐ治りそうには見えねぇけど」
ちょっと待ってろ、とこちらの答えを聞かぬ内に十文字が立ち去る。確かに何度手当てしてもすぐ増えるから無駄だと感じてたし、どうせ見えないからと最近はそのままだったけど、やっぱり他の人が見たら不快になってしまうのだろうか。戻って来るまでの間、そんな事をぼんやりと考えていた。
十文字は適当に座っててくれ、と飲み物を取りに行き、私は言われたままに座って部屋をキョロキョロ見回したり顔を手で扇いだり見てないからと靴下を足首くらいまで下げたり。昼間だからか、部屋に電気はついておらず薄暗い。……にしても。
「よくもまあこんなに集めるよなぁ……」
棚には既に収まり切らないのか、部屋に積み重なる幾多ものゲームカセット。それらは十文字がどれだけレトロゲームを愛し、プレイして来たかを物語っている。それか、城壁の様にすら見えた。十文字の世界であると主張し敵から守る様な……。
「なぁ、飲み物コーラで良いか?」
突然聞こえた声に肩を跳ねさせつつもうん、と答える。しばらくして、初対面の時の様にお盆を持って戻って来た。お盆の上にはコップが二つとコーラの入った大きめのペットボトルが二本とポテトチップス。ちなみに味はうすしお。十文字はそれを私の横に置き、私と自分との間にお盆が来る様に座った。コップの中にペットボトルの中身を注ぎながら、十文字がゲーム機のセッティングをしている所を眺める。
慣れた手付きで箱を開封してゲーム機にカセットを挿し込み、コントローラを二つ繋ぐとその内一つを私に差し出す。
「操作方法はわかるか?」
「せ、説明書読めば……」
おずおずと言えば、小さい紙冊子を渡された。これが説明書らしい。マルチプレイの場合はスコアアタック形式で、一ステージを通してのスコアを競うらしい。操作方法も至ってシンプルで、十字キーで縦横移動、Aボタンで発射というもの。如何にもこの手のゲームらしいというか。
粗方把握し終わった為説明書を十文字に返した。
「今日は絶対勝つ……!」
「俺だって負けねーよ!」
お互い見えない火花を散らし、スタートボタンを押す。懐かしさを感じさせる様な電子音と共に、画面が切り替わった。
─────
しばらく対戦して休憩に入る。この前やった格ゲーとは違い、移動と発射だけの操作だからか私でも簡単に出来たと思う。それでも攻撃避け損なったり上手く当てれなかったりとまだまだな所はあるんだけど。
開始してから熱中しすぎて放置していたコップの中身を飲み干す。シュワっとした感触が甘い味と共に口内を駆け巡り、喉を潤した。
「なぁ」
「何?」
「さっきから気になってたんだけど、足どうしたんだ?」
足、と言われて視線を移す。目に飛び込んだのは手当てもされていないほったらかしの傷口。ここに来るまでは靴下を暑くても上まで上げていたからあまり見られなかっただろうけど、さっきから下ろしっぱなしにしてしまった為足の至る所に走る痣だの切り傷擦り傷だのは露になってしまった訳で。
「こ、これは……ちょっと転んじゃっただけだし、すぐ治るから手当ても必要無し、みたいな?」
「でもそれ、すぐ治りそうには見えねぇけど」
ちょっと待ってろ、とこちらの答えを聞かぬ内に十文字が立ち去る。確かに何度手当てしてもすぐ増えるから無駄だと感じてたし、どうせ見えないからと最近はそのままだったけど、やっぱり他の人が見たら不快になってしまうのだろうか。戻って来るまでの間、そんな事をぼんやりと考えていた。