さまーでいず
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内緒でお礼の品を探しに来たのにその本人とばったり出くわすとは、これはなんたるアクシデントだろう。
「こんなとこで奇遇だな」
「そ、ソウデスネー……」
緊張で目が泳ぐ。どうしよどうしよどう誤魔化そうと心の中で焦っていると、十文字が問い掛けた。
「これ、買うのか?」
これ、とは先程私達が手に取り掛けたカセットだろう。
「あー、えっと、それは……うーんと……」
答えに詰まる。まさかあなたにプレゼントする為に買いますとか本人に言えないし……でもどの道渡すのならこの際教えてしまえばいいのでは?と思ったが、とりあえず一つ、質問。
「というか、これまだ持ってないの?」
「ああ。中々ネットでも手に入らなくてさ。ここに入荷してるって聞いて来たんだ」
まだ未所持、その答えにホッとする。また振り出しに戻る事は免れた。
「でも、まさか音羽に先越されるなんてな」
「は、はあ……」
また入荷すんの待つかー、と諦めた様に笑う十文字を余所に、手に取りかけたカセットを今度はちゃんと手に持つ。そのままレジへ向かい、会計を済ませた。代金はちゃんと足りた様で良かった。十文字に外に出る様手招きをして、先程買ったカセットを袋ごと差し出す。
「……あげる」
十文字は目を白黒とさせた。そりゃそうだ。ちょうどついさっき買ったばかりのものを渡されているのだから。おずおずと尋ねられる。
「いいのか?」
「うん。元々、その為に来てたし」
恐る恐ると言った調子で受け取られる。この時点で顔が熱いが、熱いのはきっと、外が暑いからだ。うん。
「でも、なんでだ?」
「そ、その……お礼、みたいな……」
私、ああいう風に遊んだ事そんなに無いから。そう続ける。緊張しているのを髪を弄って誤魔化した。私は今、上手く笑えているだろうか。たかが二回家に上げてもらって遊んだくらいでお礼とか、変とか思われないだろうか。
「……ぷはっ」
大丈夫かと心配していると、十文字が突然噴き出す。やっぱりおかしかったかな。あわあわと相手の出方を窺う。
「俺、こういう事されたの初めてでさ。ちょっと嬉しい」
ありがとな、と笑顔を向けられる。初めて出会った時にも見せられた、あの眩しい笑顔だ。またキュンと来たような感覚がする。ああ、もう。こいつは何回、その笑顔で私の胸を高鳴らせるんだ。
「そ、っか」
俯いて真っ赤であろう顔を隠す。すると、急に手を取られた。
「な、この後時間あるか?」
「う、うん」
「なら、ちょっと付き合ってくれないか?」
付き合って、という言葉にドキッとしてしまう。自意識過剰乙、自分。
いいよ、と頷けば取った手をそのまま引かれ、走り出した。
「こんなとこで奇遇だな」
「そ、ソウデスネー……」
緊張で目が泳ぐ。どうしよどうしよどう誤魔化そうと心の中で焦っていると、十文字が問い掛けた。
「これ、買うのか?」
これ、とは先程私達が手に取り掛けたカセットだろう。
「あー、えっと、それは……うーんと……」
答えに詰まる。まさかあなたにプレゼントする為に買いますとか本人に言えないし……でもどの道渡すのならこの際教えてしまえばいいのでは?と思ったが、とりあえず一つ、質問。
「というか、これまだ持ってないの?」
「ああ。中々ネットでも手に入らなくてさ。ここに入荷してるって聞いて来たんだ」
まだ未所持、その答えにホッとする。また振り出しに戻る事は免れた。
「でも、まさか音羽に先越されるなんてな」
「は、はあ……」
また入荷すんの待つかー、と諦めた様に笑う十文字を余所に、手に取りかけたカセットを今度はちゃんと手に持つ。そのままレジへ向かい、会計を済ませた。代金はちゃんと足りた様で良かった。十文字に外に出る様手招きをして、先程買ったカセットを袋ごと差し出す。
「……あげる」
十文字は目を白黒とさせた。そりゃそうだ。ちょうどついさっき買ったばかりのものを渡されているのだから。おずおずと尋ねられる。
「いいのか?」
「うん。元々、その為に来てたし」
恐る恐ると言った調子で受け取られる。この時点で顔が熱いが、熱いのはきっと、外が暑いからだ。うん。
「でも、なんでだ?」
「そ、その……お礼、みたいな……」
私、ああいう風に遊んだ事そんなに無いから。そう続ける。緊張しているのを髪を弄って誤魔化した。私は今、上手く笑えているだろうか。たかが二回家に上げてもらって遊んだくらいでお礼とか、変とか思われないだろうか。
「……ぷはっ」
大丈夫かと心配していると、十文字が突然噴き出す。やっぱりおかしかったかな。あわあわと相手の出方を窺う。
「俺、こういう事されたの初めてでさ。ちょっと嬉しい」
ありがとな、と笑顔を向けられる。初めて出会った時にも見せられた、あの眩しい笑顔だ。またキュンと来たような感覚がする。ああ、もう。こいつは何回、その笑顔で私の胸を高鳴らせるんだ。
「そ、っか」
俯いて真っ赤であろう顔を隠す。すると、急に手を取られた。
「な、この後時間あるか?」
「う、うん」
「なら、ちょっと付き合ってくれないか?」
付き合って、という言葉にドキッとしてしまう。自意識過剰乙、自分。
いいよ、と頷けば取った手をそのまま引かれ、走り出した。