流三特集
ずっと 愛してくれていた男から
俺は逃げた。
あいつの束縛が凄くて 耐えられなくなってきて
だから あいつが仕事でいない時に
バッと荷物を作って 家を出た。
そしたら 今も 俺のスマホは
着信を報せる。
どうして 家を出てもなお
あいつの連絡先を削除しなかったのは
まだ 俺は あいつのことを
愛していたから。
あいつは 大きな会社の社長の
跡継ぎで そこの会社で働いてる。
俺はというと あいつに職場を辞めさせれて
家の中に 俺を押し込まれた。
まぁ 家事とかあったから
暇とは 思わなかった。
けれど あいつの束縛は
自分以外の人間たちとの交流を
させてくれなかった。
友人から 電話が掛かってきても
しつこく 抱かれた。
あいつから 生活費を貰っていて
あいつに内緒で へそくりして
そのお金で 北海道まで逃げた。
勿論 ホテルなどで泊まっていたら
あいつにバレるから
仕事と住む場所を探していたら
馬の牧場経営の年寄り夫婦に
助けてくれた。
その牧場は
小さな牧場で 繁殖牝馬が3頭しかなかった。
スタッフも 夫婦しかいなくて
若い人はいなかったから。
牧場の朝は 夜中の3時から
始まる。
いくら 繁殖牝馬が3頭しかいないといえ
妊娠中の牝馬たちだ。
見回りして 体調管理して
その馬にあったご飯を作る。
馬は 疝痛になりやすいから
気を付けてる。
最初 俺に全然懐いてくれなくて
寂しいかったけど
ボスみたいな青毛の牝馬が
俺を受けて入れてくれた。
そろそろ 出産シーズン到来。
各ベースに いつ陣痛が来ても
分かるように 監視カメラ映像を見てる。
じいちゃんが言ってた。妊娠中も出産も
命懸けだと。
出産なんか 仔馬の蹄(ひづめ)が
母馬の子宮を傷付いて
母馬が死んでしまうということ。
だから 出産は人も必要。
遂に あいつに居場所をバレて
やってきた。
流川「寿‥帰るぞ。」
三井「‥‥今は帰れない。」
流川「なんで?」
三井「ルージュの出産が終わってない。
ルージュは 初めての出産だから
余計に心配なんだ。」
流川「ルージュ‥?」
ルージュは 牝馬なのに 気が弱い子だ。
流川「そうか、出産シーズンか‥分かった。俺も残る。」
三井「え‥?」
流川「寿が久しぶりに
キラキラしてたから」
久しぶりに見る楓の笑顔。
ああ やっぱり 俺は
楓のことが好きなんだな。
ルージュの出産は 大変だったけど
初子(はつこ)は 父親譲りの栗毛の牝馬だった。
じいちゃんは 初子が牝馬だと
育てやすいと言っていた。
三井「みんな かわいいかったな‥」
流川「そうだな。で 寿‥どうして?」
って 言われたから
本当のことを話した。
お前以外の奴の事なんか好きならねぇから
安心しろいって言ったら
笑ってた。
あれから 2年経って
ルージュの初子がデビューするという
馬名は ルミツ
その年に生まれた仔馬の内のルミツしか
走るという。
ボスの子も もう1頭の子も
病気などで 亡くなったと
じいちゃんからの電話があった。
俺たちは スーツを着て
ルミツのデビュー戦を
馬主席で見ていた。
実は 楓が俺に内緒で 馬主資格を取って
ルミツの馬主になっていた。
今 あの3頭たちのお腹の中に
新しい命が宿っている。
今でも じいちゃんたちと交流して
出産シーズンには必ず行って
手伝ってる。
俺の隣に楓がいて‥
俺は逃げた。
あいつの束縛が凄くて 耐えられなくなってきて
だから あいつが仕事でいない時に
バッと荷物を作って 家を出た。
そしたら 今も 俺のスマホは
着信を報せる。
どうして 家を出てもなお
あいつの連絡先を削除しなかったのは
まだ 俺は あいつのことを
愛していたから。
あいつは 大きな会社の社長の
跡継ぎで そこの会社で働いてる。
俺はというと あいつに職場を辞めさせれて
家の中に 俺を押し込まれた。
まぁ 家事とかあったから
暇とは 思わなかった。
けれど あいつの束縛は
自分以外の人間たちとの交流を
させてくれなかった。
友人から 電話が掛かってきても
しつこく 抱かれた。
あいつから 生活費を貰っていて
あいつに内緒で へそくりして
そのお金で 北海道まで逃げた。
勿論 ホテルなどで泊まっていたら
あいつにバレるから
仕事と住む場所を探していたら
馬の牧場経営の年寄り夫婦に
助けてくれた。
その牧場は
小さな牧場で 繁殖牝馬が3頭しかなかった。
スタッフも 夫婦しかいなくて
若い人はいなかったから。
牧場の朝は 夜中の3時から
始まる。
いくら 繁殖牝馬が3頭しかいないといえ
妊娠中の牝馬たちだ。
見回りして 体調管理して
その馬にあったご飯を作る。
馬は 疝痛になりやすいから
気を付けてる。
最初 俺に全然懐いてくれなくて
寂しいかったけど
ボスみたいな青毛の牝馬が
俺を受けて入れてくれた。
そろそろ 出産シーズン到来。
各ベースに いつ陣痛が来ても
分かるように 監視カメラ映像を見てる。
じいちゃんが言ってた。妊娠中も出産も
命懸けだと。
出産なんか 仔馬の蹄(ひづめ)が
母馬の子宮を傷付いて
母馬が死んでしまうということ。
だから 出産は人も必要。
遂に あいつに居場所をバレて
やってきた。
流川「寿‥帰るぞ。」
三井「‥‥今は帰れない。」
流川「なんで?」
三井「ルージュの出産が終わってない。
ルージュは 初めての出産だから
余計に心配なんだ。」
流川「ルージュ‥?」
ルージュは 牝馬なのに 気が弱い子だ。
流川「そうか、出産シーズンか‥分かった。俺も残る。」
三井「え‥?」
流川「寿が久しぶりに
キラキラしてたから」
久しぶりに見る楓の笑顔。
ああ やっぱり 俺は
楓のことが好きなんだな。
ルージュの出産は 大変だったけど
初子(はつこ)は 父親譲りの栗毛の牝馬だった。
じいちゃんは 初子が牝馬だと
育てやすいと言っていた。
三井「みんな かわいいかったな‥」
流川「そうだな。で 寿‥どうして?」
って 言われたから
本当のことを話した。
お前以外の奴の事なんか好きならねぇから
安心しろいって言ったら
笑ってた。
あれから 2年経って
ルージュの初子がデビューするという
馬名は ルミツ
その年に生まれた仔馬の内のルミツしか
走るという。
ボスの子も もう1頭の子も
病気などで 亡くなったと
じいちゃんからの電話があった。
俺たちは スーツを着て
ルミツのデビュー戦を
馬主席で見ていた。
実は 楓が俺に内緒で 馬主資格を取って
ルミツの馬主になっていた。
今 あの3頭たちのお腹の中に
新しい命が宿っている。
今でも じいちゃんたちと交流して
出産シーズンには必ず行って
手伝ってる。
俺の隣に楓がいて‥
