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CHEEKY BROS!




「今日元気ないやん。どうしたん?」
「朝から実希に叩き起こされた」
「いつもやんそれ!普通やん。いつもの日常やん」

同期の圭ちゃんが、イチゴミルク飲みながらこっちを見た。

圭ちゃんとは今日の講義がずっとかぶってて、今、ちょうど空いてしまってる2コマめ。
やることないから大学の中庭でお茶してるとこ。

「ちゃうねんって…あいつ、日に日に起こし方がえげつなっていってんねん…」
「どんなん?殴られたりすんの?」
「…ちゅーされる」
「ちゅー!?」

圭ちゃんは丸い目をもっと丸くした。

あ、圭ちゃんはボーイやけど、きゅるんとしてるタイプ。
女装しても違和感なさそうやなーって思うから、ハロウィンの時に提案しようと思ってる。

「どこにちゅーしてくるん?」
「え?口やな。ここ何日かで口になった」
「はあ!?なんで?」
「俺が聞きたい、なんで?って」
「はあー…やばいな弟」
「そうやろ…なんでなんやろまじで」
「麻希のこと好きなんちゃう?」
「えーーーー弟やで?兄弟で恋愛感情絶対抱かれへんやん」
「俺一人っ子やからわからんけど」
「抱かれへんねん」
「ふーん。妹でも?」
「え、妹か…それは分からんな…」
「分からんのかい」

圭ちゃんはそう言って、あはは、って大きい口をあけて笑った。
圭ちゃんみたいな顔と性格の女の子いたら俺、告白すんのになあ。

「麻希ー、今度会ってみたい」
「ん?」
「弟くんに会ってみたい」
「ええけど…連絡したら秒で返信来るから、呼んだら学校終わりに来るできっと」
「えー、すごいな」
「呼んどくわ」

実希にメッセージを送った。

『友達がみきに会ってみたいらしいから、学校終わったら会おー』

一瞬で既読。

『大学の前までいく🏃‍♂️多分5時くらい💛』

ハート!!

隣を見たら圭ちゃんは、スマホを見てる。

横顔、めっちゃ好みの顔なんよな…
上唇がキュッて上がってて、鼻筋通っててツンって少し鼻先が尖ってて、何よりそのくりくりの目がめっちゃ好き。今は伏し目になってるけど、まつ毛がくるんってしてるのが最高。

まじで、圭ちゃんが女子やったらほんまにどうにかなってたと思う。
……あー、ハロウィンで女装してほしいけど、女装されたらいろいろヤバなるかもしれんよな…
魔女っ子みたいなんとか、
『麻希ー!魔法かけちゃうぞ☆』的な…
かわいい女吸血鬼みたいなんとか、
『麻希ー!血ぃ吸うたろか〜♡』
…oh…どれも好き

「まーきーーー」
「oh…」
「なんやねんそれ。どうなった?」
「何が?」
「弟くん!」
「あー、5時頃来るって連絡来たよ」
「そうなんや、楽しみ」

ふふって、圭ちゃんは笑った。

「そろそろ講義室行っとこー」
「そうやな、行こか」

ベンチから立ち上がって、少し伸びをした。



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