このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

1日1話


_ 砂糖は甘く、夏は暑い



自然の摂理

その言葉の並び

その言葉の世界の中にわたしはいなかった。

当たり前のことが当たり前に思えなかったり、できなかったりした。

して、って言われて胸の上あたりを吸ってキスマークをつけた。
ついたキスマークはだらんとしたうさぎに見えた。

うれしい、ありがとう

彼女はピンクのネイルが光るきれいな指先で、わたしのつけたキスマークを撫でた。

彼女はかわいい。それは自然の摂理。

夏の部屋は暑い。それも自然の摂理。

彼女の胸の谷間から汗が流れ落ちた。

彼女のことをどうしたいと思うのか。

分からなかった。

抱きしめられたいと思ったから、彼女を抱きしめた。

「ふふ、暑いね」

彼女はわたしの刈り上がった襟足を撫でた。




***

2020,5,11

3/25ページ