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1日1話

_duo des chats



「そっち、寒くない?」
「そうでもないよ、日当たってるし」
「んー、そうか…」

Mは思いっきり伸びをした。
それから目元を擦った。

「はああ、花粉かなあ」
「たしかに、今日かなりくしゃみ出るよね」
「目がかゆい」
「あれみたい、こういうさ、茂ったほうにいたらわりと、かゆいのマシになるって聞いたよ、だから、こっち来たら?」
「えー、でもそっち日当たらないもん」
「んー、そう?そうでもないよ?」

Tはしゃんと背中を伸ばして座って、つんと鼻を上に向けた。
それから尻尾を震わせた。

勇気を出して、Mの方へつんつんと歩いていって、顔を胴から耳元にかけて、すり寄せた。
Mは動じなかったので、少し調子に乗って、顔を優しく舐めた。

Mは尻尾をふるる、と動かして目を細めた。

にゃお、と鳴いたら、Tはくすっと笑った。




***

猫の二重奏を聴きながら書きました。

2020,3,17


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