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オープン式のロッカーは、
男子中学生が使用しているとは思えないほどに整頓されています。
個々人のバッグのジッパーに手をかけて中身を順に確認していくと、
丁度中央ロッカーのバッグに金髪の一糸が落ちていることに気が付きました。
「これはもしやあのブロンドの……!」
はやる鼓動の勢いに任せて悪鬼のバッグをひっくり返すと、
底から表紙に『APHRODI』と金箔押しされたくたびれた手帳が出てきました。
震える手でページをめくっていくと、彼の胸の内が記されていました。
……
XX月XX日
チームのレギュラーを外された。許せない。
僕の髪が、瞳が、血が、君たちと違うからと言って。
僕のほうがあいつらより技術も体力も勝っている。
だのに!
屈辱だ。屈辱だ。屈辱だ。
圧倒的な力が欲しい。
あいつらを下せるような力が。
……
XX月XX日
サッカー部の監督が変わった。
影山さんといってあの帝国中学の監督と兼任らしい。
直接指導してはくれないが、
部下の人から練習と栄養管理メニューが伝えられる。
なんにせよ、あの無能監督よりはよっぽどいい。
……
XX月XX日
最高の気分だ!
今までとは比べ物にならない力がどんどん湧いてくる!
監督は僕の力を見てキャプテンにまでしてくれた!
あいつらはレギュラーどころか部から追い出してくれた!
もう二度とあの屈辱を味わうことはない!
そして勝利を!ただ勝利を!
……
XX月XX日
僕は神になったのだ。
ただの人はこの力の足元にもおよばない。
あの出会いが運命だった。
総帥、この身が落ちる時まで。
背に冷たい雫がつたったところで我に返り、
手記をもとあった場所へ戻して蓋をするように他の中身を詰め込みました。
どうやら、この部屋にはあのドリンクは保管されていないようです。
やはりロックのかかっていた控室のほうが本命でしたか。
引き返そうとしたところで、ドアの開く音がしました。
「おまえ!ここで何をしている!」
研究員が一人、こちらを捕らえようとして近づいてきました。
とっさに部屋中央の長椅子に隠れるまで身を低くし、銃口だけを男の顔面に向けました。
「おい、まさか撃ってこようっていうんじゃないだろうな!」
「ええ、そのとおりです!
死にたくなければ取り押さえでもしてみせることですね!」
挑発に乗った男は勢いのまま椅子を乗り越えてこようとし、
こちらに接近しようとしたところで中央の穴にはまり体勢を崩しました。
「まずは一発!」
椅子の縁に引っかかった男の顔面にスプレーを放ちましたが、
サングラスに阻まれたのか警備員の時より効き目が甘いようで、
逆にこちらの右手が捕まってしまいました。
「もう逃げられないぞ。」
「それはそちらも同じことです!」
捕らわれた右手を支点にして上半身を思い切り後ろに振り、
勢いづいた頭を男の額に打ち付けました。
「ぐっ……」
頭内に響く鈍い痛みに意識を持っていかれないように耐え、
自由の利く左手でポケットから警棒を取り出して、
視界をちらつかせている男のこめかみに叩きつけました。
「ガッ!!!」
衝撃でサングラスが外れた男の瞳が上向きになり、
力なく全身を穴の中に落とし込みました。
「今のは…少し…危なかった…ですね…。」
ぐらついた焦点を合わせながら、先ほど同じく研究員の衣服を漁ると、
胸のポケットにセキュリティーキーカードを見つけました。
「これで!」
警棒と入れ替えに、『9097103114101117115』とコードが浮き彫りされたカードをポケットにしまい、
控室へと踵を返しました。
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男子中学生が使用しているとは思えないほどに整頓されています。
個々人のバッグのジッパーに手をかけて中身を順に確認していくと、
丁度中央ロッカーのバッグに金髪の一糸が落ちていることに気が付きました。
「これはもしやあのブロンドの……!」
はやる鼓動の勢いに任せて悪鬼のバッグをひっくり返すと、
底から表紙に『APHRODI』と金箔押しされたくたびれた手帳が出てきました。
震える手でページをめくっていくと、彼の胸の内が記されていました。
……
XX月XX日
チームのレギュラーを外された。許せない。
僕の髪が、瞳が、血が、君たちと違うからと言って。
僕のほうがあいつらより技術も体力も勝っている。
だのに!
屈辱だ。屈辱だ。屈辱だ。
圧倒的な力が欲しい。
あいつらを下せるような力が。
……
XX月XX日
サッカー部の監督が変わった。
影山さんといってあの帝国中学の監督と兼任らしい。
直接指導してはくれないが、
部下の人から練習と栄養管理メニューが伝えられる。
なんにせよ、あの無能監督よりはよっぽどいい。
……
XX月XX日
最高の気分だ!
今までとは比べ物にならない力がどんどん湧いてくる!
監督は僕の力を見てキャプテンにまでしてくれた!
あいつらはレギュラーどころか部から追い出してくれた!
もう二度とあの屈辱を味わうことはない!
そして勝利を!ただ勝利を!
……
XX月XX日
僕は神になったのだ。
ただの人はこの力の足元にもおよばない。
あの出会いが運命だった。
総帥、この身が落ちる時まで。
背に冷たい雫がつたったところで我に返り、
手記をもとあった場所へ戻して蓋をするように他の中身を詰め込みました。
どうやら、この部屋にはあのドリンクは保管されていないようです。
やはりロックのかかっていた控室のほうが本命でしたか。
引き返そうとしたところで、ドアの開く音がしました。
「おまえ!ここで何をしている!」
研究員が一人、こちらを捕らえようとして近づいてきました。
とっさに部屋中央の長椅子に隠れるまで身を低くし、銃口だけを男の顔面に向けました。
「おい、まさか撃ってこようっていうんじゃないだろうな!」
「ええ、そのとおりです!
死にたくなければ取り押さえでもしてみせることですね!」
挑発に乗った男は勢いのまま椅子を乗り越えてこようとし、
こちらに接近しようとしたところで中央の穴にはまり体勢を崩しました。
「まずは一発!」
椅子の縁に引っかかった男の顔面にスプレーを放ちましたが、
サングラスに阻まれたのか警備員の時より効き目が甘いようで、
逆にこちらの右手が捕まってしまいました。
「もう逃げられないぞ。」
「それはそちらも同じことです!」
捕らわれた右手を支点にして上半身を思い切り後ろに振り、
勢いづいた頭を男の額に打ち付けました。
「ぐっ……」
頭内に響く鈍い痛みに意識を持っていかれないように耐え、
自由の利く左手でポケットから警棒を取り出して、
視界をちらつかせている男のこめかみに叩きつけました。
「ガッ!!!」
衝撃でサングラスが外れた男の瞳が上向きになり、
力なく全身を穴の中に落とし込みました。
「今のは…少し…危なかった…ですね…。」
ぐらついた焦点を合わせながら、先ほど同じく研究員の衣服を漁ると、
胸のポケットにセキュリティーキーカードを見つけました。
「これで!」
警棒と入れ替えに、『9097103114101117115』とコードが浮き彫りされたカードをポケットにしまい、
控室へと踵を返しました。
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