第三章
夢小説設定
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それからの雷門の追い上げは凄まじいもので。
円堂さんが止めた球を豪炎寺さんにロングパスで繋ぎ、鬼道様へアシスト、
シュートチェインの形で連続で点をもぎ取ってゆきました。
速攻か決まるたびにブロンドの悪鬼の顔は歪み、
キックオフされたボールをがむしゃらに奪い取って放たれたシュートは、
ただ勢いがあるだけでなんの工夫もなく直線的に守護魔神の右手に吸い込まれていきます。
動揺と怒りで神のアクアとやらの力を制御できてないのでしょう、
機械が過負荷のためにショートするように、
全身の力が抜けたゼウスの子は膝と両手を地につけ、ブロンドの先が芝をなぞっています。
そんな悪鬼の脇を通り抜けて円堂さんはピッチを駆け上がり、
自陣コートで土門さん、センターサークルでロングパスを受け取った一ノ瀬さんを伴い、
三筋の交叉点でボールを蹴り出しました。
雄叫びをあげながら現れた不死鳥が煌々と燃える翼で球をゴールへと急降下させ、ネットを揺らしました。
『雷門これで逆転ッ!そしてここで試合終了のホイッスルーーゥッ!!
フットーボルフロンティア、優勝はッ雷門中学だーーーー!!!』
一瞬の静寂のあと雷門イレブンが勝鬨を上げ、スタジアム中に歓声が轟きました。
ベンチでは監督が満足そうに髭を膨らませ、怪我を負ったメンバーたちが傷を庇いながらも興奮を顕わにし、
木野さんと音無さんは互いの手を組んで歓喜の表情を浮かべられています。
そして、私はというと夏未様の両の腕に包まれ、全身からあふれ出した喜びを一つにしています。
「やったわ!奉!私たちやったのよ!!」
「はい!夏未様!!」
気分を高揚されて私の体を揺らす夏未様の腕からは少し塩気をふくんだ汗の香りがたち、
先ほどまでの緊張が解れたことが伝わってきます。
私も興奮で頭がのぼせているのか、思わず夏未様の腰に手を回してしまうところでしたが、
主審が鳴らした試合後の整列の合図で我に返りました。
まったく試合には勝ったというのに煩悩に負けてはなりません!
「ただ今の試合、4対3で雷門中学の勝ち!」
「「ありがとうございましたッッ!!!」」
センターラインに並んだ選手たちに合わせて、ベンチの私たちも頭を下げます。
上体をゆっくりと戻しながら夏未様へ視線をやると、
紙吹雪の雨の中観客席に手を振る円堂さんへ向けて目を細められておられました。
「本当に優勝したのね、もう心配させてくれちゃって。」
そう頬を緩めながらつぶやいた夏未様は、
喜びを分かち合うために白線を越えた先の円堂さんのもとへと駆け出してゆかれました。
夏未様の赤い絹の髪が波打ち、緑の芝が天から反射させた光を受け止めて溶け合うように煌めいたので、
その眩さに目を伏せました。
視線をさげて自分の足元ばかり見つめていると、膝にあざが広がっているのを見つけました。
さっき控室でかがんだ拍子に打ち付けたのでしょうか、全然気がつきませんでした。
意識を向けた途端、思い出したかのように熱を持ち始めた患部は、
その青の中心が白んでむしろ黄色く見えるほどに存在を主張してきました。
ああ、痛いなあ。
「場寅~~~~!!!!」
良く響く円堂さんの声で我に返り、ふと周りを見やるとベンチは私と監督だけになっているではありませんか。
「お前も来いよ!こういう時はみんなで、だろ?」
太陽のような笑顔でこちらに手を差し伸べてくる円堂さんを見て、肩の力が抜けてしまいました。
まったく、この人はなんでも晴らしてしまうんですね。それなら、私だって!
奮い立たせるようにかぶりを振って、雷門のみなさんのもとへと駆け出しました。
「優勝だ~~~~~!」
「「おお~~~~~~!!!!!」」
円堂さんを筆頭に空へ向かって手を掲げ、歓喜の声を響かせて改めて今日の勝利を分かち合いました。
雷門中に着た当初、どうして夏未様はこんなチームのマネージャーをされているのか、
なんて考えたことが信じられないくらい掴んだ勝利が嬉しくてたまりません。
私も雷門サッカー部の泥臭い青春っぷりにあてられていたようですね。
みなさんとハイタッチなんてするほどに浮かれていると夏未様と目が合い、
「ね、いい夢が見れたでしょ。」というように微笑まれたので、一層上気した顔を緩めてこう答えました。
雷門サッカー部は最高です!
円堂さんが止めた球を豪炎寺さんにロングパスで繋ぎ、鬼道様へアシスト、
シュートチェインの形で連続で点をもぎ取ってゆきました。
速攻か決まるたびにブロンドの悪鬼の顔は歪み、
キックオフされたボールをがむしゃらに奪い取って放たれたシュートは、
ただ勢いがあるだけでなんの工夫もなく直線的に守護魔神の右手に吸い込まれていきます。
動揺と怒りで神のアクアとやらの力を制御できてないのでしょう、
機械が過負荷のためにショートするように、
全身の力が抜けたゼウスの子は膝と両手を地につけ、ブロンドの先が芝をなぞっています。
そんな悪鬼の脇を通り抜けて円堂さんはピッチを駆け上がり、
自陣コートで土門さん、センターサークルでロングパスを受け取った一ノ瀬さんを伴い、
三筋の交叉点でボールを蹴り出しました。
雄叫びをあげながら現れた不死鳥が煌々と燃える翼で球をゴールへと急降下させ、ネットを揺らしました。
『雷門これで逆転ッ!そしてここで試合終了のホイッスルーーゥッ!!
フットーボルフロンティア、優勝はッ雷門中学だーーーー!!!』
一瞬の静寂のあと雷門イレブンが勝鬨を上げ、スタジアム中に歓声が轟きました。
ベンチでは監督が満足そうに髭を膨らませ、怪我を負ったメンバーたちが傷を庇いながらも興奮を顕わにし、
木野さんと音無さんは互いの手を組んで歓喜の表情を浮かべられています。
そして、私はというと夏未様の両の腕に包まれ、全身からあふれ出した喜びを一つにしています。
「やったわ!奉!私たちやったのよ!!」
「はい!夏未様!!」
気分を高揚されて私の体を揺らす夏未様の腕からは少し塩気をふくんだ汗の香りがたち、
先ほどまでの緊張が解れたことが伝わってきます。
私も興奮で頭がのぼせているのか、思わず夏未様の腰に手を回してしまうところでしたが、
主審が鳴らした試合後の整列の合図で我に返りました。
まったく試合には勝ったというのに煩悩に負けてはなりません!
「ただ今の試合、4対3で雷門中学の勝ち!」
「「ありがとうございましたッッ!!!」」
センターラインに並んだ選手たちに合わせて、ベンチの私たちも頭を下げます。
上体をゆっくりと戻しながら夏未様へ視線をやると、
紙吹雪の雨の中観客席に手を振る円堂さんへ向けて目を細められておられました。
「本当に優勝したのね、もう心配させてくれちゃって。」
そう頬を緩めながらつぶやいた夏未様は、
喜びを分かち合うために白線を越えた先の円堂さんのもとへと駆け出してゆかれました。
夏未様の赤い絹の髪が波打ち、緑の芝が天から反射させた光を受け止めて溶け合うように煌めいたので、
その眩さに目を伏せました。
視線をさげて自分の足元ばかり見つめていると、膝にあざが広がっているのを見つけました。
さっき控室でかがんだ拍子に打ち付けたのでしょうか、全然気がつきませんでした。
意識を向けた途端、思い出したかのように熱を持ち始めた患部は、
その青の中心が白んでむしろ黄色く見えるほどに存在を主張してきました。
ああ、痛いなあ。
「場寅~~~~!!!!」
良く響く円堂さんの声で我に返り、ふと周りを見やるとベンチは私と監督だけになっているではありませんか。
「お前も来いよ!こういう時はみんなで、だろ?」
太陽のような笑顔でこちらに手を差し伸べてくる円堂さんを見て、肩の力が抜けてしまいました。
まったく、この人はなんでも晴らしてしまうんですね。それなら、私だって!
奮い立たせるようにかぶりを振って、雷門のみなさんのもとへと駆け出しました。
「優勝だ~~~~~!」
「「おお~~~~~~!!!!!」」
円堂さんを筆頭に空へ向かって手を掲げ、歓喜の声を響かせて改めて今日の勝利を分かち合いました。
雷門中に着た当初、どうして夏未様はこんなチームのマネージャーをされているのか、
なんて考えたことが信じられないくらい掴んだ勝利が嬉しくてたまりません。
私も雷門サッカー部の泥臭い青春っぷりにあてられていたようですね。
みなさんとハイタッチなんてするほどに浮かれていると夏未様と目が合い、
「ね、いい夢が見れたでしょ。」というように微笑まれたので、一層上気した顔を緩めてこう答えました。
雷門サッカー部は最高です!
