第二章
夢小説設定
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「それと、あれと、これと…う〜ん、流石に布団を持っていくのはきびしいですね。
おじ…執事長に運んでもらいましょうか。」
悪鬼襲来から一夜明けて、世宇子中に萎縮した部員のモチベーションを取り戻すため、
チームの要の新しい必殺技習得のために夏未様のご提案で合宿をすることになりました。
昨夜は各種学校施設の利用手続きや必要物品・食料の調達、保護者への連絡の準備などに追われて
夏未様自身のご支度をする時間がありませんでしたから、大急ぎです。
「私も準備するわよ、言い出したのは私だもの。」
「いけません、これは夏未様のマネージャーである私のお仕事なんですから。」
「それなら口だけ出させてもらうわ、これもこれもこれもいらない。」
これでもかというほどに詰めに詰めた牛革と馬革のスリッパ、アルパカの毛のブランケット、
アヒルの羽のピロー、全部投げ捨てられてしまいました。
「着替えとケアグッズだけで十分よ。」
「せ、せめてこのバスタオルだけは〜!」
「もう、それだけですからね。」
夏未様の柔肌に直接触れるものですもの、
なんとか最高級のものをと泣きすがり、ご納得いただけました。
収まりの良くなったトランクとボストンバッグを荷台に詰めて、
いざ夏未様と一つ屋根の下……合宿です!
西に傾いた太陽の光を照り返す校舎に出迎えられ、
昇降口を経由せずに体育館のすぐそばにある部活棟へと向かいました。
1階にある女子用に押さえた和室(普段は舞踊部の稽古場なのだそうです。)に荷物を置くなり、
おじいさまは離席すると言い出しました。
「なに、別用がありましてな。それではお嬢様しばし失礼いたします。
身の回りのことは奉に申し付けてください。」
夏未様のお世話より優先することは気になりますが、
せっかく任せていただいたのです、張り切っていきましょう!
「わあ、素敵な井草の香り…。」
引き戸の音と同時に木野さんがやってこられました。
流石敏腕マネージャー、荷物は小さく纏めて既にジャージに身を包んでいらっしゃいますね。
続いて音無さんがかなりくたびれたテディベアを抱えて現れました。
「小さい頃から一緒なんです。」
パイル地のくまを見つめる目は慈愛に少しの寂しさを織り交ぜたようでした。
軽く荷解きを済ませると、夏未様が柏手で音頭を取られました。
「まずはベッドメイク…いえ、お布団を敷くところからね。畳の上で寝るなんてドキドキするわ。」
「ほんと、うちもベッドだから。」
「なんだか懐かしいですね!昔はお兄ちゃんと掛け布団を取り合ってたなあ。」
「この掛け布団すっごくふかふか!夏未さん、触ってみて!」
「本当、ふかふかね。」
「みなさん、枕はもっとふかふかです!」
女神たちからこんなに良い反応をもらえるなんて、
大急ぎで熱海の旅館で使われているものを一式手配した甲斐がありました。
男子用は学校備品のせんべい布団なのですけど、
きっとどこでだってぐーすか寝れらるでしょうにそれで十分でしょう。
部屋の支度に着替えとあらかたの準備を済ませると、
木野さん、音無さんと体育館へ移動して、監督と部員の数だけ薄い寝具を並べていきました。
夏未様は引率してくださる生活指導の先生にご挨拶と監督の出迎えということでいらっしゃいませんが、
防虫剤のにおいが漂う倉庫で長らく眠っていた布団が相手の作業に
ご同席されることがなかったのは幸いです。
「おばあちゃんちのにおいがする!」
「窓開けましょう、窓!」
さすがの木野さんでもこの匂いにはまいってしまったのか、
たちまち窓という窓を開け放ちました。
少し冷たさを感じるくらいの新鮮な空気を体育館に吹き込ませて、
これで一安心です。
「お疲れ様です。一息つきませんか?」
荷物から持参した魔法瓶とコップを取り出し、冷たい麦茶を注いでお二人に差し出しました。
「は〜っ!」
「しみますね〜。」
「ふふっ、本当におばあちゃんみたい。」
「秋さんだって!」
「そうね、もう歳だものね〜。」
「秋はまだまだGALじゃないか。」
「誰!?」
「俺だよ!」
軽快な口調で小憩に割り込んできた凸凹の小さい方こと一ノ瀬さんをはじめ、
部員の第一陣がやってきたみたいです。
「あっ!あなたは!」
「おっ嬉しいねえ、覚えていてくれたかい?」
凸凹の大きい方、いえ、夏未様に無礼を働く男!
「昨日と今朝の練習は夏未様の手前でしたから見逃してあげていただけです!
全く調子に乗らないでくださいね!夏未様に近づく不届もの!」
「へえ、君は『夏未様』って呼ぶんだなあ、夏未ちゃんのこと。」
き〜!!!本当になんですかこの男!言葉が通じないのですか!?
気味が悪いので木野さんの陰に隠れてうなるように威嚇してやります。
「土門くん、夏未さんとは色々あったのよね。」
「そうそう、俺の恩人なの。」
「どういうことですか?」
この男がかつて帝国のスパイとしてサッカー部に潜伏していたこと、
雷門の青さにあてられて情が沸いたからと、夏未様にスパイであることを自白して
もう一人の帝国の手先(なんと顧問の先生だったらしい!)を密告したこと、
そのおかげで死人が出るような計画を未然に防ぐことができたことを教えていただきました。
さすが夏未様、大の大人相手に大立ち回りをして見せるなんて!
それにしても、まあ、この男の寝返りも一助になったという点だけは認めてあげましょう。
「だから親しみを込めて、『夏未ちゃん』って呼ぶわけよ。」
「それとこれとは関係がないのではありませんか!?
私だって、お名前を口にするのすら憚られますのに!!」
「まあまあ、仲良しなのはいいことよ。」
「木野さんまで!」
「いいね、俺も次からそう呼ばせてもらおうかな。」
「そんな〜!」
誰も味方はいないのですか!?とほほ~~!!!!
おじ…執事長に運んでもらいましょうか。」
悪鬼襲来から一夜明けて、世宇子中に萎縮した部員のモチベーションを取り戻すため、
チームの要の新しい必殺技習得のために夏未様のご提案で合宿をすることになりました。
昨夜は各種学校施設の利用手続きや必要物品・食料の調達、保護者への連絡の準備などに追われて
夏未様自身のご支度をする時間がありませんでしたから、大急ぎです。
「私も準備するわよ、言い出したのは私だもの。」
「いけません、これは夏未様のマネージャーである私のお仕事なんですから。」
「それなら口だけ出させてもらうわ、これもこれもこれもいらない。」
これでもかというほどに詰めに詰めた牛革と馬革のスリッパ、アルパカの毛のブランケット、
アヒルの羽のピロー、全部投げ捨てられてしまいました。
「着替えとケアグッズだけで十分よ。」
「せ、せめてこのバスタオルだけは〜!」
「もう、それだけですからね。」
夏未様の柔肌に直接触れるものですもの、
なんとか最高級のものをと泣きすがり、ご納得いただけました。
収まりの良くなったトランクとボストンバッグを荷台に詰めて、
いざ夏未様と一つ屋根の下……合宿です!
西に傾いた太陽の光を照り返す校舎に出迎えられ、
昇降口を経由せずに体育館のすぐそばにある部活棟へと向かいました。
1階にある女子用に押さえた和室(普段は舞踊部の稽古場なのだそうです。)に荷物を置くなり、
おじいさまは離席すると言い出しました。
「なに、別用がありましてな。それではお嬢様しばし失礼いたします。
身の回りのことは奉に申し付けてください。」
夏未様のお世話より優先することは気になりますが、
せっかく任せていただいたのです、張り切っていきましょう!
「わあ、素敵な井草の香り…。」
引き戸の音と同時に木野さんがやってこられました。
流石敏腕マネージャー、荷物は小さく纏めて既にジャージに身を包んでいらっしゃいますね。
続いて音無さんがかなりくたびれたテディベアを抱えて現れました。
「小さい頃から一緒なんです。」
パイル地のくまを見つめる目は慈愛に少しの寂しさを織り交ぜたようでした。
軽く荷解きを済ませると、夏未様が柏手で音頭を取られました。
「まずはベッドメイク…いえ、お布団を敷くところからね。畳の上で寝るなんてドキドキするわ。」
「ほんと、うちもベッドだから。」
「なんだか懐かしいですね!昔はお兄ちゃんと掛け布団を取り合ってたなあ。」
「この掛け布団すっごくふかふか!夏未さん、触ってみて!」
「本当、ふかふかね。」
「みなさん、枕はもっとふかふかです!」
女神たちからこんなに良い反応をもらえるなんて、
大急ぎで熱海の旅館で使われているものを一式手配した甲斐がありました。
男子用は学校備品のせんべい布団なのですけど、
きっとどこでだってぐーすか寝れらるでしょうにそれで十分でしょう。
部屋の支度に着替えとあらかたの準備を済ませると、
木野さん、音無さんと体育館へ移動して、監督と部員の数だけ薄い寝具を並べていきました。
夏未様は引率してくださる生活指導の先生にご挨拶と監督の出迎えということでいらっしゃいませんが、
防虫剤のにおいが漂う倉庫で長らく眠っていた布団が相手の作業に
ご同席されることがなかったのは幸いです。
「おばあちゃんちのにおいがする!」
「窓開けましょう、窓!」
さすがの木野さんでもこの匂いにはまいってしまったのか、
たちまち窓という窓を開け放ちました。
少し冷たさを感じるくらいの新鮮な空気を体育館に吹き込ませて、
これで一安心です。
「お疲れ様です。一息つきませんか?」
荷物から持参した魔法瓶とコップを取り出し、冷たい麦茶を注いでお二人に差し出しました。
「は〜っ!」
「しみますね〜。」
「ふふっ、本当におばあちゃんみたい。」
「秋さんだって!」
「そうね、もう歳だものね〜。」
「秋はまだまだGALじゃないか。」
「誰!?」
「俺だよ!」
軽快な口調で小憩に割り込んできた凸凹の小さい方こと一ノ瀬さんをはじめ、
部員の第一陣がやってきたみたいです。
「あっ!あなたは!」
「おっ嬉しいねえ、覚えていてくれたかい?」
凸凹の大きい方、いえ、夏未様に無礼を働く男!
「昨日と今朝の練習は夏未様の手前でしたから見逃してあげていただけです!
全く調子に乗らないでくださいね!夏未様に近づく不届もの!」
「へえ、君は『夏未様』って呼ぶんだなあ、夏未ちゃんのこと。」
き〜!!!本当になんですかこの男!言葉が通じないのですか!?
気味が悪いので木野さんの陰に隠れてうなるように威嚇してやります。
「土門くん、夏未さんとは色々あったのよね。」
「そうそう、俺の恩人なの。」
「どういうことですか?」
この男がかつて帝国のスパイとしてサッカー部に潜伏していたこと、
雷門の青さにあてられて情が沸いたからと、夏未様にスパイであることを自白して
もう一人の帝国の手先(なんと顧問の先生だったらしい!)を密告したこと、
そのおかげで死人が出るような計画を未然に防ぐことができたことを教えていただきました。
さすが夏未様、大の大人相手に大立ち回りをして見せるなんて!
それにしても、まあ、この男の寝返りも一助になったという点だけは認めてあげましょう。
「だから親しみを込めて、『夏未ちゃん』って呼ぶわけよ。」
「それとこれとは関係がないのではありませんか!?
私だって、お名前を口にするのすら憚られますのに!!」
「まあまあ、仲良しなのはいいことよ。」
「木野さんまで!」
「いいね、俺も次からそう呼ばせてもらおうかな。」
「そんな〜!」
誰も味方はいないのですか!?とほほ~~!!!!