【短編】恋愛要素なし
手の甲に溶けたアイスが伝っていった。
舌先でそれを舐めとると、甘ったるいバニラの奥に不快な塩気が見つかった。こめかみを汗が伝っていく。
季節は春。だけれども、気温は夏。
道ゆく人は皆真夏の様相で、中にはハンディファンを顔に向けている人もいる。
暦の上ではまだ春であると言うのに、実際の世界はこんなにも季節を進めてしまっている。このまま本当の夏になってしまったらどうなるのか。考えるだけで恐ろしい。
足元で音がした。視線を向けると、四角い白が地面に寝そべっている。手元を確認してみれば、そこには僅かばかりのアイスを残した木の棒のみが残されていた。
その残り香を吸うが如く、棒を口に咥えて空を見上げた。眩しい。目を細める。青い空の真ん中で白い太陽が輝いていた。
屋内で涼もう。そう思って立ち上がった。きっとカフェかファミレスで席が空いている場所があるだろう。もしなかったら、図書館にでも行けばいい。ガンガンに効いたエアコンの冷風に当たっていれば、いずれこの不快な汗も引いていくであろうと、そう思った。
黒い髪を焦がす太陽は相変わらずであった。いつか己は死ぬのだろう。回り回って、己の首に手を掛けて、じわじわゆっくりと肉に指を埋めていくのだろう。
足元に目を向けると、なんとまあ目敏くも、蟻が行列を成して溶けたアイスを取り囲んでいた。
舌先でそれを舐めとると、甘ったるいバニラの奥に不快な塩気が見つかった。こめかみを汗が伝っていく。
季節は春。だけれども、気温は夏。
道ゆく人は皆真夏の様相で、中にはハンディファンを顔に向けている人もいる。
暦の上ではまだ春であると言うのに、実際の世界はこんなにも季節を進めてしまっている。このまま本当の夏になってしまったらどうなるのか。考えるだけで恐ろしい。
足元で音がした。視線を向けると、四角い白が地面に寝そべっている。手元を確認してみれば、そこには僅かばかりのアイスを残した木の棒のみが残されていた。
その残り香を吸うが如く、棒を口に咥えて空を見上げた。眩しい。目を細める。青い空の真ん中で白い太陽が輝いていた。
屋内で涼もう。そう思って立ち上がった。きっとカフェかファミレスで席が空いている場所があるだろう。もしなかったら、図書館にでも行けばいい。ガンガンに効いたエアコンの冷風に当たっていれば、いずれこの不快な汗も引いていくであろうと、そう思った。
黒い髪を焦がす太陽は相変わらずであった。いつか己は死ぬのだろう。回り回って、己の首に手を掛けて、じわじわゆっくりと肉に指を埋めていくのだろう。
足元に目を向けると、なんとまあ目敏くも、蟻が行列を成して溶けたアイスを取り囲んでいた。
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