カレー大好き幼馴染
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「困ったなぁ…」
放課後の教室。1人残っている少女が呟いた。少女が首を捻るとオレンジブラウンの長い髪がサラリと夕日に透ける。
チラッ、チラッ、と琥珀のような瞳がこちらを伺う。本当はスルーして忘れ物とって帰ろうと思ったんだけどな……、仕方ない…。
『…………どしたん?』
だって、明らかに待ってるから。『どうしたの?』って聞かれるのを待ってるから…。やや棒読みだったかもしれないけど、そこはご愛嬌ってことにしてほしい。
その言葉を聞いて、大きな瞳が揺れ、キラキラと煌めきながら嬉しそうに眼差してくる。
「あのね…!キミ、次の八千代カレーの新作についてなんだけど…!」
――出たよ。カレーだ。口を開けばカレーの事しか言わない。
2人きりの夕日の差し掛かる放課後の教室。立っている相手が彼女じゃなければもっと良い雰囲気になったことだろう。はぁ…、とこれみよがしにため息をつき、飽きれた……素振りを見せる。実を言うとこの時間が嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、それを素直に伝えたら調子に乗るだろうから“興味はないけど仕方なく付き合う”風で接する。
そんなことお構い無しに彼女はスパイスがとうとか、トッピングがどうとか、楽しそうにカレーについて語る。彼女の熱量はすさましいが、好きなことに夢中になる姿……表情がくるくる変わるその様は――
『可愛いな…』
「えっ?」
一瞬の間。
丸い瞳がさらに大きくなり、ぱちぱちと瞬く。
『えっと……カレーの。その、カレーのトッピング、可愛いなって思って!!?』
「なーーるほどね!?びっくりしたぁ、ちゃーちゃんのことかと思った!キミ はビックリさせ上手大臣だね。」
なんか変な大臣に任命された。
ひとまず、誤魔化せた、のか…?
『ほら、もう行こ。帰りしな聞いたげるから。』
「うん!」
にっこり。こっちの気を知ってか知らずか、……いや多分知らないだろうけど……暖かく微笑んでくる。はぁ、ともう一度溜息。
「ため息ついてばっかだと幸せ逃げるぞー」
『はいはい。』
この気持ちだけは知られるわけにはいかない。この時間が好きで、大切で、尊いから。カレーの話だって毎日話してくれるならいくらでも聞いてやる。彼女と一緒に居られるなら……。
例え毎晩カレーの夢に魘されようとも――…
放課後の教室。1人残っている少女が呟いた。少女が首を捻るとオレンジブラウンの長い髪がサラリと夕日に透ける。
チラッ、チラッ、と琥珀のような瞳がこちらを伺う。本当はスルーして忘れ物とって帰ろうと思ったんだけどな……、仕方ない…。
『…………どしたん?』
だって、明らかに待ってるから。『どうしたの?』って聞かれるのを待ってるから…。やや棒読みだったかもしれないけど、そこはご愛嬌ってことにしてほしい。
その言葉を聞いて、大きな瞳が揺れ、キラキラと煌めきながら嬉しそうに眼差してくる。
「あのね…!キミ、次の八千代カレーの新作についてなんだけど…!」
――出たよ。カレーだ。口を開けばカレーの事しか言わない。
2人きりの夕日の差し掛かる放課後の教室。立っている相手が彼女じゃなければもっと良い雰囲気になったことだろう。はぁ…、とこれみよがしにため息をつき、飽きれた……素振りを見せる。実を言うとこの時間が嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、それを素直に伝えたら調子に乗るだろうから“興味はないけど仕方なく付き合う”風で接する。
そんなことお構い無しに彼女はスパイスがとうとか、トッピングがどうとか、楽しそうにカレーについて語る。彼女の熱量はすさましいが、好きなことに夢中になる姿……表情がくるくる変わるその様は――
『可愛いな…』
「えっ?」
一瞬の間。
丸い瞳がさらに大きくなり、ぱちぱちと瞬く。
『えっと……カレーの。その、カレーのトッピング、可愛いなって思って!!?』
「なーーるほどね!?びっくりしたぁ、ちゃーちゃんのことかと思った!キミ はビックリさせ上手大臣だね。」
なんか変な大臣に任命された。
ひとまず、誤魔化せた、のか…?
『ほら、もう行こ。帰りしな聞いたげるから。』
「うん!」
にっこり。こっちの気を知ってか知らずか、……いや多分知らないだろうけど……暖かく微笑んでくる。はぁ、ともう一度溜息。
「ため息ついてばっかだと幸せ逃げるぞー」
『はいはい。』
この気持ちだけは知られるわけにはいかない。この時間が好きで、大切で、尊いから。カレーの話だって毎日話してくれるならいくらでも聞いてやる。彼女と一緒に居られるなら……。
例え毎晩カレーの夢に魘されようとも――…
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