自称付喪神の同級生
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「ねぇ、キミ。はい、これ。」
突然目の前の緑髪の、自称付喪神の同級生から可愛らしい花柄の小袋を渡される。
驚いて彼女の方を見ると、こちらの言葉を待たずして続ける。
「えっと。お守り。なんか大切な試合なんでしょ
次の。」
『あ、あぁ、ありがとう。開けても……?』
少し照れくさいのか、赤みがかった瞳がこちらを見ない。
袋から出てきたのは、明らかに
『え、これって……!』
「そう、キミのぬいぐるみ。ちょっと重いかなって思ったんだけど作ってるうちにテンション上がっちゃって」
『めっちゃクオリティ高いじゃん!?え、手作りなんだよね……!?』
自身の姿の可愛らしいぬいぐるみ。デフォルメされているがよく特徴を捉えてあって……
『すっごい嬉しい』
「ん。なにより、なにより。」
こんなにも丁寧に、自分のことを思って作られたお守り。そう思うとなんだかとても愛しくて胸の奥がきゅっ、とした。
さぁ、っと風が吹き、綺麗な緑の髪が揺れる。
自称付喪神。なんて同級生の痛い戯言、信じてなかったけど、こうやって見ると神秘的な感じも確かにあって。
じっ、と見ていたら、ふと、視線が合う。こっちの気を知ってか知らずか、彼女は「ん?」なんて言って少し口角を上げた。
思わず頬が熱くなるのがわかった。
しまった……。それを見て彼女は案の定にんまりと笑う。
「なになに照れてんのー?かわいいー!」
『うるさ』と、言ったつもりの言葉がちゃんと音になっていたかは分からないけれど、こちらの反応を見て彼女は満足気に笑い、
「さて、ちゃんと渡せて一安心しちゃった。コンビニで何か買って帰りましょーか!」
いつものコンビニを指定する。
やれやれ、と言った風を装って軽い彼女の足取りに続いた。
「もうすぐ冬だね」
風が木の葉を揺らす音を聞きながら、独り言のように彼女は呟く。
冬にはキミとの関係も少しは進展してるだろうか――?
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