そして、志保が買い物から帰ってくる。


『ちょっと、まだ…。人の家に居たわけ？工藤くん』と、そう志保はため息交じりで言う。


「ああ、少し考えごとしていたからな…。でも、今日は帰るからな」と、そう新一は言って鞄を持って自宅へ帰る。


『そう…。食事の管理は、ちゃんとしなさいね』と、そう志保は言うだけであった。

志保は、何故かと自宅へと戻ってしまった新一のことが気になってしょうがなかった。

それが、恋愛対象として見ているのかも知れない。だけども、気持ちは伝えられないままである。

哀の頃から、ずっと見てきたが思いは伝えられない。まさに、Seacret Loveの状況でもある。


そして、新一の方は…。

今までは、蘭のことを恋愛対象として見ていたが…。コナンになり、周りのことを見るようになった。

そして、自分と同じように幼児化した灰原哀を相棒として見ていたがコナンとしての初恋は彼女自身だったのかも知れない。


それが、いつしか彼女が元に戻った際に新一は彼女を見たときに恋をしてしまったわけである。


自宅へ戻ってきた新一は、考えごとをしていた。


「はぁ～、すぐにオレの気持ちを伝えらねーえんだろうなぁ…。言ってしまえば、楽なのも分かっているんだけどな」と、そう新一は思っていたのだった。


しかし、告白するかは未だに悩んでいた。


そして、いつしか時間が過ぎていき…。夜へとなっていた。


時間はあっという間に、過ぎていくだけだった。


何故か、その日に限って新一は夕食を食べなかった。


志保の言いつけが、守られることはなかった。次の日の朝に、志保に怒られると知らずに…。

そして、次の日の朝　新一は、いつものようにカバンを持って阿笠邸に行く。


「志保、朝飯よろしくな」と、そう新一は志保に頼むのだった。

『もう、毎朝毎晩と食べに来ることはないじゃない！彼女に作ってもらえばいいじゃない？』と、そう志保は言う。


そう、毎日のようにと…。阿笠邸で、食べるのが日常茶飯事である。

「別にいいじゃねーえか？食費は、ちゃんと毎月払っているんだからな」と、そう新一は言う。


そう、食費はちゃんと支払われているのは事実である。

『そう言うことではないと思うけれども…。それよりも、昨日は夕食を食べに来なかったけどもちゃんと食べたのかしら？工藤くん』と、そう志保は少し呆れモードになっていた。


「夕飯？確か、食っていねーえような気がする。」と、そう新一の答えが曖昧になるのだった。

『ちょっと、工藤くん…。あれだけ、ちゃんと夕食を食べるように言ったじゃない…。それなのに、簡単に破って…。』と、そう志保は声を荒げて言う。


「志保、本当に悪かった…。ちゃんと、飯は食うようにするから声を荒げないでくれ」と、そう新一は志保を宥めるのだった。

『わ、私こそ、いきなり声を荒げてしまってごめんなさい…。ほら、そろそろ行かないと遅刻するわよ』と、そう志保は新一にお弁当を手渡しする。


「サンキュー、志保！それと、気にしてねーえからいいよ…。行ってくるからな」と、そう新一は志保に優しく言うのだった。

そして、新一は学校へ行ってしまった。そして、志保がこんなことを言っていたなんて知らない。


『ホント、優しい人…。でも、これ以上私に惚れさせないで…。』と、そう志保は新一が居なくなったあと言っていた。