05.私を見るあなたの目

『いったい、いつからだろう…。新一が、私のことを見る目線が変わってしまったのは?そして、志保さんは…。どうして、申し訳ないような目で見てくるの?』と、そう蘭が言っていたなんて新一と志保の2人は知らない。


1ヶ月前


「蘭、ロンドンで告白したことはなかったことにして欲しい。」と、そう新一は蘭に言うのだった。

そう、ロンドンで告白したことをなしにして欲しいからと言うからである。


『えっ?ねぇ、新一…。他に、気になる人でも出来た?私、その人のことよりも新一のことを知っているんだから…。』と、そう蘭は言う。そう、蘭は新一の幼馴染みだから誰よりも近い存在だった。

そして、新一のことなら分かると言う自信があったんだと思う。


「じゃあ、オレがこの1年…。蘭の傍に居なかった空白の時間も分かると言うのか?分からないだろ、だったら気安くに分かるとか言うな」と、そう新一は言うのだった。


『何よ、そんなことを言わなくてもいいじゃない…。でも、私はそれでも新一のことは好きなんだよ』と、そう蘭は言うのである。


「オレは、蘭のことは幼馴染みしか見れない…。それに、妹としてしか見えないんだ。さっきは、悪かったな」と、そう新一は蘭に言う。

『別にいいよ、気にしてないから…。でも、新一が好きな人ってどんな感じな人なの?』と、そう蘭は言う。


「そうだな、博識だけど…。天涯孤独だけど、優しい奴だな」と、そう新一は自慢するように言うのだった。

『何よ、自慢しちゃって…。でも、新一が好きな人を見てみたいな。ちゃんと、紹介しなさいね!』と、そう蘭は新一に言うのだった。


「ああ、ちゃんと紹介してやるよ。まぁ、まだ告白していねーえしどうなるかは分からないけどな」と、そう新一は言うのである。


『何よ、私を振ったんだから…。早く、その人に告白でもしなさいね』と、そう蘭に言われるのだった。

「ったく、蘭の奴告白しろって何を考えているんだよ」と、そう新一は蘭に言われたことを気にしていた。


『ちょっと、工藤くん…。人の家で、ブツブツ言っているのよ!迷惑なんだけど…。』と、そう洗濯物をしまいながら志保は言う。


「えっ?そんなに、オレって声に出していたか?」と、そう新一は驚いたように言う。

『ええ、かなり声に出ていたわよ!告白とかなんかとね』と、そう志保は新一に言うのだった。


「そっか、志保が気にすることじゃねーえからな」と、そう新一は志保に上手く誤魔化すのだった。

『そう…。あまり、考え込むと博士みたいになっても知らないわよ』と、そう志保は言うのだった。

「えっ?それはねーえだろ?」と、そう新一は言うのである。

『あら、事実じゃない…。』と、そう志保は言うだけだった。

「それ、酷くねーえか?」と、そう新一は呆れながら言うのである。

『別に、酷くないわよ…。でも、告白って蘭さんにでもするのかしら?』と、そう志保は少しだけ切ない笑みを見せて言う。


「えっ?何か、勘違いしてねーえか?」と、そう新一は志保に言うのだった。


『何よ、勘違いって…。別に知りたいとは思っていないし、気にしないで工藤くん』と、そう志保は言うのである。

「イヤ、こっちの話しだからな!」と、そう新一はイタズラっぽい笑みを浮かべて言う。


『そう…。私、これから買い物に行かないといけないから…。工藤くんは、彼女にでもご飯を作ってもらいなさいね』と、そう志保は言って買い物へと出掛けてしまったのだった。


「ったく、オレが好きなのは志保なのにな…。告白が出来たら、本当に苦労なんてしねーえよ」と、そう志保がいなくなった部屋でそう新一が言っていたことは志保は知らなかった。



そして、新一が志保のことに好きになりかけていると言うのも志保は知らない。
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