04.星に願いを

『(そう…。私には、工藤くんが蘭さんとどんな風に過ごしていたなんて知らない…。だけれども、そんな彼が好き)』と、そう哀が思っているなんてコナンは知らない。


『じゃあ、工藤くん…。今日は泊まっていくの?』と、そう哀は気になることを問い出す。


「あん?そうなるかも知れないな…。でも、着替えはしょうがないからオレの家から持ってくるしかねーえけどな」と、そうコナンは言う。そう、探偵事務所に戻ったとしても鍵が閉まっているために入れないわけである。


そのために、着替えは工藤邸に取りに行く羽目になる。

『そう…。だったら、早く取りに行ってきなさいよ』と、そう哀はコナンに言う。


「言われなくても取りに行くから、心配ねーえって…。」と、そうコナンは言って着替えを取りに行ってしまう。

『(どうしてだろう?彼の前だと、全然素直になれない。こんな私なんて嫌われてしまうわね)』と、そう哀が思っているなんてコナンはまったく知らない。

そして、15分と言う時間が過ぎた。

「おい、灰原…。どうした?」と、そうコナンが心配していた。

『えっ?何でもないわよ…。それよりも、工藤くんは着替えを持ってきたの?』と、そう哀は何もなかったように言う。

「それならいいんだけどな…。ああ、着替えなら持って来たから心配ないぜ」と、そうコナンは哀どう思っていたかなんて知らない。何でもないと言うのが、怖い。


『じゃあ、私…。ご飯の用意が途中だから、戻るわね』と、そう哀はコナンの顔を見ようとしないで言う。

「おい、灰原…。待てよ、なんで…。オレの顔をみないで言うんだ!何でもねーえわけないよな?」と、そうコナンは夕食の準備しに行こうとする哀の腕を掴み声を荒げて言う。

『ホント、何でもないの…。だから、その手を離してくれない?』と、そう哀は言うのだった。


「イヤ、離さないから…。オメーが話してくれるまで、この手は離さないからな」と、そうコナンは哀に言う。


どうして、そこまでするのかと哀には分からなかった。

『離してくれない?ホント、何でもないんだから…。』と、そう哀は言うのだった。

「じゃあ、何でもないならオレの顔を見て言わないんだ?」と、そうコナンは哀に少し低めの声で言う。


『言ったところで、何か変わる?私は、変わらないと思う。だから、私は言わないわ…。さぁ、分かったなら離してくれない?』と、そう哀は言ってコナンの手を振りほどいてしまう。

「何だよ、それ!オメー オレが、何も分かっていねーえみたいじゃねーえか?」と、そうコナンが言っていたなんて哀は知らない。



そして、今夜は流れ星が流れると言う日

哀は、キッチンの方で料理をしていた。そう、流れ星が流れると言うことも知らずに…。


コナンは、テレビをつけてみる。

テレビからは、女性アナウンサーの人が実況していた。

『今日は、数十年に一度に流れると言われている流れ星がみれると言うことで…。ここ、東都タワーにはたくさんの人が集まっています。』と、そう女性アナウンサーは実況していた。


「流れ星か…。そういや、あそこならまだ見えるはずだな!」と、そうコナンはテレビを見ながら考えていた。

あそこと言うのは、米花町内にある小高い丘のことである。

そして、テレビを消す。
 

「灰原、今から出掛けねーえか?」と、そうコナンはキッチンにいる哀に声をかけるのだった。


『えっ?いったい、どこへと出掛けると言うのよ?工藤くん』と、そう哀は戸惑っていた。そう、どこに出掛けるかは分からないからでもある。


「それは、まだ言えねーえから内緒と言うところだな!ほら、急いで行こうぜ」と、そうコナンは言って哀のことを引っ張り出すのだった。


『えっ?何なのよ、急ぐこともないでしょ!』と、そう哀はどこに連れ出されるかは分からないから不安だった。


そして、コナンと哀の2人はどこかへと出掛けるのだった。
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