『あっ、あの…。宮野さんは、新一の何を知っているんですか？』と、そう蘭は言う。

『私は、ただ…。工藤くんに、事件を依頼した依頼人だけよ…。それに、彼が失踪していた間に何があったかは言えないこともあるかも知れないわね』と、そう志保は言って買い物したものを持って帰ってしまったのだった。


『ねぇ、新一…。新一がいない間って、彼女とずっと一緒にいたの？教えてよ』と、そう蘭は言うのだった。

それは、商店街ではかなり目立つ行為である。

「そのことは、決して言えないんだ…。たとえ、それが幼なじみの蘭でもな！そして、ロンドンで言ったことは白紙に戻して欲しい…。」と、そう新一は冷静を保ちながら言う。

『どうして？私には、新一しかいないんだよ…。そんなことを言われたくなかったよ、もう新一のことなんて知らない』と、そう蘭は言って走りだしてしまった。


周りから見れば、かなり目立つように見えたが…。自分のことを守っているようにも見えた。

そして、新一は自宅へと帰っていてしまった。

志保は、蘭と新一が別れてしまったなんて知らなかった。


「ただいま、志保」と、そう新一は言う。『おかえりなさい、工藤くん…。彼女と一緒じゃないのね？』と、そう志保は新一の横に蘭がいないことに気づく。

「ああ…。蘭とは別れたというより、白紙に戻して幼なじみに戻っただけだ」と、そう新一は言うのだった。

『そう…。他に、好きな人でも出来た？』と、そう志保はあまりだが気にしないようにしていた。

「そうかも知れないな…。はっきりしたことが分かったなら言うから…。それまで、待っていてくれないか？」と、そう新一は志保に言うのだった。

『ええ、分かったわ（いったい、何があったの？蘭さんに、連絡をしてみなきゃ分からないわ…。）』と、そう志保は言う。

そして、新一は自分の部屋に戻って着替えに行ってしまった。

そんな様子を、志保は見ることしか出来なかった。

そう、どうしていいのかと言うのが分からなかったからでもある。

その日、新一が志保にはっきりしたことを言うことはなかった。

蘭の方は、１人で部屋で泣いていた。そのことをおっちゃんはそっとしていた。

そして、次の日

「志保…。話、聞いてくれないか？」と、そう新一は志保に言う。

『ええ、構わないけれども…。答えは見つかったのかしら？工藤くん』と、そう志保は新一が話したいと思うことが分かった。

それが、自分に関わることになるなんて知らずに…。

「ああ、答えは見つかったぜ…。その前に、コーヒーくれないか？」と、そう新一は言う。そう、眠気覚ましにコーヒーを飲むのは日課にしていた。


それは、新一に戻ってからの日課でもある。

志保は、コーヒーが入ったカップを新一に手渡し…。新一の横へと座る。

『それで、答えはどうなったのかしら？』と、そう志保は優しく微笑みを見せて言う。

「答えは…。オレは、志保と一緒にいる。何があっても、守ってやる」と、そう新一はニカっとし言う。

『えっ？それって、いったい…。どういうこと？アナタには、蘭さんがいるじゃない…。蘭さんに、告白したんじゃなかったの？』と、そう志保は新一が蘭に告白していたことは知っていて…。自分が、怒ったことも覚えていた。

「オレさ、コナンになって…。工藤新一じゃ、体験しなかったようなことをして…。何を守るべきかって、考えた結果なんだ…。そして、宮野志保という女を好きだ」と、そう新一はコナンになってからのことを思い出したように言う。

『そう…。このことは、蘭さんは知っているの？（アナタが、私のことを好きだと言っているけれども…。信じてもいいの？）』と、そう志保は気になることを問い出す。

「昨日、蘭には話してあるから心配すんな」と、そう優しく新一は志保の頭を軽くぽんぽんとする。

『もう、そうやって子ども扱いするんだから…。工藤くん、私もアナタのことが好きよ』と、そう志保は優しく微笑んで言う。

「志保…。冗談じゃないよな？」と、そう新一はいじわるっぽく言うと『冗談では、言わないわ…。私は、灰原哀のときから好きだったんだから…。』と、そう志保は言うのだった。


２人の時間は、ゆっくりと進もうとしている。これからの先はどうなろうが、変わらないはず…。