03.叶わぬ思い

(新一side)

『今日から、名探偵さんは学校に復帰ね…。蘭さんが迎えるんじゃない?』と、そう志保は言う。

「そうだったな…。それに、蘭なら迎えに来ないよ」と、そう新一が言うと…。『あら、蘭さんに連絡しなかったの?』と、そう志保は新一に聞く。

「連絡はしていねーえよ、別にしなくてもいいからな」と、そう新一は言うのだった。

『あら、そう…。(どうして、彼女に連絡をしなかったのかしら?あんなに、彼女のことを思っていたのに…。)』と、そう志保は言うだけだった。

そして、新一は学校へと向かう。

学校には、懐かしいクラスメートたちが迎えてくれた。

「よぉ、工藤久しぶりだな」と、そう1人のクラスメートが言う。

「おぅ、久しぶり」と、そう新一は言うのだった。

「また急に、いなくならねーえよな?」と、そう新一に聞く。

「心配すんなって、もういなくならねーえから…。」と、そう新一は言って自分の席に行ってしまった。

「それならいいけどな、なんか工藤の奴…。変わった気がしねーえか?」と、そう気がついている男子生徒もいた。

誰が、変えてくれたのかは気がつかなかった。

それから、しばらくして蘭が園子と登校してきた。

『蘭、新一くん帰ってきたよ!ほら、アンタたちの仲は変わらないんだから…。行ってきなさいよ』と、そう園子は言うと『私は、新一とそんな仲じゃないってば///』と、そう蘭は顔を赤らめて言う。

『そんなこと言ってないで、早く行って来なさい』と、そう園子は言うのだった。

『もう、園子の意地悪なんだから…。』と、そう蘭は言うのである。

そして、蘭は新一のもとに行く。

『新一、おかえりなさい。もう、事件は解決したの?』と、そう蘭は新一に話しかける。

「ああ、蘭か…。心配かけてゴメンな」と、そう新一は言うだけだった。

また、新一は窓の方へ向いてしまった。

『(なんでだろう?前の新一なら、事件のことも話してくれたのに…。今の新一は、別人?)』と、そう蘭は不安がよぎっていた。

『蘭、蘭…。』と、そう園子が呼んでいるのに蘭は気がつかない。

『あっ、園子…。』と、そう蘭はやっと園子が呼んでいることに気がつく。

『もう、気がつかないなんて…。アンタらしくないよ』と、そう園子は言う。

『ちょっと考えごとしていただけだから…。』と、そう蘭は園子に言うのだった。

『それならいいんだけど…。』と、そう園子は言う。

『それじゃ、帰りに…。杯戸町に、新しく出来たカフェにでも寄って帰ろう♪』と、そう園子は蘭を誘う。


『別にいいけれども、ちょっと杯戸町なんて米花町の反対じゃない?』と、蘭が驚くのは言うまでもなかった。

『もう、そんなのは気にしないの…。姉貴に、教えてもらった場所なんだから…。とても、美味しいと言う評判なんだからね♪』と、そう園子の言い方にはまるで語尾に♪マークが見えるだった。

『はいはい行けばいいんでしょ、園子』と、そう蘭は半分は諦めかけて感じだった。

そして、授業が始まった。

『(新一が、授業に出るなんて珍しい。前までは、目暮警部とかの連絡があれば事件を優先していたのに…。どうして、授業に出ているのに…。窓ばかり見つめているの?)』と、そう蘭は新一のことばかりを目で追っていた。


そして、新一は新一で考え込んでいた。

「(どうしてだ?前までは、蘭のことを好きだったのに…。今、思えばなんとも思わなくなった。気になるのは、アイツのことばかりだ。)」と、そう新一は思っていたのだった。


アイツと言うのは、幼児化していたときに…。同じ境遇だった志保の存在感だ。

同年代で、かなりの博識が持っているのは彼女ぐらいしかいなかった。しかも、対等に彼女ぐらいだ。

それに、10人の人間がいれば全員が美人だと答えるだろう。

しかも、彼女は才色兼備だからでもある。

そしているうちに、時間だけは過ぎていた。いつの間にか、放課後へとなっていた。
『し、新一…。明日、迎えに行ってもいいかな?』と、そう蘭が新一に聞くと「別に、迎えなんていらねーえよ…。オレたちは、ただの幼なじみなんだからな」と、そう新一は言って帰ってしまった。

『蘭…。もう、新一くんに関わるの辞めておきなよ!ほら、アタシが奢ってあげるから…。』と、そう園子は言うのだった。

『あっ、ちょっと待ってよ!園子』と、そう蘭は園子を追いかけるように行く。
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