ep.1 はじまり
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「お疲れ様です、梅澤さん。」
「ありがとう……今日めっちゃ長かったかも。」
撮影は1時間半を予定していたが思ったより長くなって気付けば3時間。
19時からの撮影が終わったのは22時。
明日の朝練は免除されているけれどキャプテンとして休むわけにも行かない。
そう思うと案外残された時間は少ないし帰ってお風呂に入って等々こなせばすぐに寝る時間が来るだろう。
「疲れてるなら寝ていただいても構いませんので。」
そう言いながら車を走らせる彼を見ると全く疲労の色が見えない。
慣れない仕事のはずなのに妙に元気が残ってる彼をみて不思議な思うが別にレッスンで踊るわけでもないから普通なのだろうか?
それでも私も先輩たちがいた頃はものすごく大変で、一日一日着いて行くのが必死だった。
あれから3年が過ぎて私もだいぶ体力もついたし力の抜き方を覚えたけれど、今日みたいな日はやっぱり緊張もあって疲れる。
そう言えば彼に聞きたいことがあったのを思い出して話しかける。
「撮影中私が見える位置にずっといたのはあれなんか理由あるんですか?」
そうあの件だ。
3時間の間彼は楽屋で休憩する時間以外はずっと必ず誰に話しかけてても私の目の届く範囲にいた。
話し中に目が逸れることやメモを取るのに視線が外れることはあってもそれだけで、後は必ずこっちを見ていたのが他のスタッフと違ってやけに印象に残った。
「あぁ、単に変な声のかけられ方とかしてたら止めないとですから。
嫌そうな顔してたり不安そうな顔してたり、あとは疲れて来てたら一度声をかけて撮影を止めようかなと思って。」
「え!?そこまで考えてるんです!?」
「え?そんなもんじゃないです?」
「助かりますけど……。」
「最近乃木坂46って、色々仕事増えて来たところですからね。
変な輩の警戒はしとくに越したことないですから。」
サラッと言いながら運転する彼に……申し訳ないが少しキュンときた。
まだ会って一週間なのに私たちのことを思って自分で考えて行動している。
別に他の人もしてはくれるけれど、彼ほどずっと見える範囲にいることは少ない。
彼にも彼の仕事があるだろうし、初めての仕事場なら緊張からお手洗いに行ったりメモを取ってるうちにこちらへの目線が切れたりする時もあるはず。
「まあ色々学んでるところですから。」
そう言ってバックミラー越しの彼の笑顔を見て慌てて目をそして窓を見る。
(これ……メンバーによっては嫌な予感だよなぁ。)
別に惚れるとかはない。
ただ、耐性がない子が少し心配になるほどの気遣い。
それが居心地がいいのは多分さりげないからで、それがまたタチが悪く感じる。
「あ、梅澤さんどこか寄ったほうがいいです?」
「え?……あ、大丈夫です!史緒里が今日作ってくれてるらしいので!」
「なるほど、ルームシェアの特権ですね。
ではそのまま送りますね。」
そこから無言の中、窓の外の夜景を眺める。
明日からも彼との付き合い方を考える日々が続くのは少し億劫だけど、これもまた仕事だと思えば支障はない。
「お疲れ様です。」
「ありがとうございます、明日また大学で……。」
そんなことを思いながら家に着いた私は車が行くのを見送って鍵を開けて家に入る。
「おかえりー、美波すぐ食べる?」
「うーん、シャワー浴びてからかな!」
「はーい、じゃあ私寝るから。」
「ごめんね史緒里!」
「いいよー、おやすみ!」
眠そうにあくびをしながら部屋に帰る史緒里を見送り私はお風呂場に向かう。
シャワーを浴びて浸かるのを諦めてすぐに上がって乾かしてレンジでチンしてご飯を食べ始める。
史緒里の優しい味付けに癒されながらふと彼は一体どうしてるのかとそんなことを思い浮かべる。
料理が好きだとか言っていたから今から作ってるんだろうか?
というか……彼ってなんか食べてるの見たことない気がする。
昼も確かに食堂にもいないしいつもどこかにスッと消えて、講義のチャイムの前に戻ってくる。
ちゃんと食べてるのだろうか……?そんなことを思いながら食べ終わった私は歯を磨いてレッスン準備だけ整えてから眠るのだった。
「ありがとう……今日めっちゃ長かったかも。」
撮影は1時間半を予定していたが思ったより長くなって気付けば3時間。
19時からの撮影が終わったのは22時。
明日の朝練は免除されているけれどキャプテンとして休むわけにも行かない。
そう思うと案外残された時間は少ないし帰ってお風呂に入って等々こなせばすぐに寝る時間が来るだろう。
「疲れてるなら寝ていただいても構いませんので。」
そう言いながら車を走らせる彼を見ると全く疲労の色が見えない。
慣れない仕事のはずなのに妙に元気が残ってる彼をみて不思議な思うが別にレッスンで踊るわけでもないから普通なのだろうか?
それでも私も先輩たちがいた頃はものすごく大変で、一日一日着いて行くのが必死だった。
あれから3年が過ぎて私もだいぶ体力もついたし力の抜き方を覚えたけれど、今日みたいな日はやっぱり緊張もあって疲れる。
そう言えば彼に聞きたいことがあったのを思い出して話しかける。
「撮影中私が見える位置にずっといたのはあれなんか理由あるんですか?」
そうあの件だ。
3時間の間彼は楽屋で休憩する時間以外はずっと必ず誰に話しかけてても私の目の届く範囲にいた。
話し中に目が逸れることやメモを取るのに視線が外れることはあってもそれだけで、後は必ずこっちを見ていたのが他のスタッフと違ってやけに印象に残った。
「あぁ、単に変な声のかけられ方とかしてたら止めないとですから。
嫌そうな顔してたり不安そうな顔してたり、あとは疲れて来てたら一度声をかけて撮影を止めようかなと思って。」
「え!?そこまで考えてるんです!?」
「え?そんなもんじゃないです?」
「助かりますけど……。」
「最近乃木坂46って、色々仕事増えて来たところですからね。
変な輩の警戒はしとくに越したことないですから。」
サラッと言いながら運転する彼に……申し訳ないが少しキュンときた。
まだ会って一週間なのに私たちのことを思って自分で考えて行動している。
別に他の人もしてはくれるけれど、彼ほどずっと見える範囲にいることは少ない。
彼にも彼の仕事があるだろうし、初めての仕事場なら緊張からお手洗いに行ったりメモを取ってるうちにこちらへの目線が切れたりする時もあるはず。
「まあ色々学んでるところですから。」
そう言ってバックミラー越しの彼の笑顔を見て慌てて目をそして窓を見る。
(これ……メンバーによっては嫌な予感だよなぁ。)
別に惚れるとかはない。
ただ、耐性がない子が少し心配になるほどの気遣い。
それが居心地がいいのは多分さりげないからで、それがまたタチが悪く感じる。
「あ、梅澤さんどこか寄ったほうがいいです?」
「え?……あ、大丈夫です!史緒里が今日作ってくれてるらしいので!」
「なるほど、ルームシェアの特権ですね。
ではそのまま送りますね。」
そこから無言の中、窓の外の夜景を眺める。
明日からも彼との付き合い方を考える日々が続くのは少し億劫だけど、これもまた仕事だと思えば支障はない。
「お疲れ様です。」
「ありがとうございます、明日また大学で……。」
そんなことを思いながら家に着いた私は車が行くのを見送って鍵を開けて家に入る。
「おかえりー、美波すぐ食べる?」
「うーん、シャワー浴びてからかな!」
「はーい、じゃあ私寝るから。」
「ごめんね史緒里!」
「いいよー、おやすみ!」
眠そうにあくびをしながら部屋に帰る史緒里を見送り私はお風呂場に向かう。
シャワーを浴びて浸かるのを諦めてすぐに上がって乾かしてレンジでチンしてご飯を食べ始める。
史緒里の優しい味付けに癒されながらふと彼は一体どうしてるのかとそんなことを思い浮かべる。
料理が好きだとか言っていたから今から作ってるんだろうか?
というか……彼ってなんか食べてるの見たことない気がする。
昼も確かに食堂にもいないしいつもどこかにスッと消えて、講義のチャイムの前に戻ってくる。
ちゃんと食べてるのだろうか……?そんなことを思いながら食べ終わった私は歯を磨いてレッスン準備だけ整えてから眠るのだった。