ep.1 はじまり
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「えー!?稲葉さんもそれ好き!?」
「はい、子供の頃からずっとやってましたよ?」
「まじかー!僕ら気が合うじゃん!」
「かもしれませんね。」
「稲葉さんって野球とか好きだったり……?」
「えぇ。
子供の頃はしてました。
今は千葉ファンです。」
「むむっ、ライバル球団!
でも柚菜と同じですね!」
「そうですか、久保さんは……あぁそうか鷲党かぁ。」
「え!?そこまで覚えたんです!?」
「練習見ながら擦り合わせてたので……。」
「私は!私も!なんか当てて欲しい!」
「佐藤楓さん、愛知県出身ですよね。
バドミントンってあんな速いのに反応できるもんなんです?」
「意外とできるできる、勘で。」
「勘で……?」
「でんちゃん動物じみてる時あるもんねぇ……。」
気づけば私以外の3人は楽しそうに話し始めて盛り上がっている。
これはこれでまあ良いのだけれど妙に聞き上手すぎてみんな彼のことを知ろうと言って集まったのに、気付けば彼のペースに巻き込まれて色んな話をしてしまう。
うまく懐柔された3人を横目に私はとりあえず頭の中で聞きたいことを整理する。
(とりあえず、なんでマネージャー業務をすることになったのか、次にとりあえず趣味とか好きなことは聞いとかないと。)
そう思って口を開こうとすると彼の横に座った理々杏が
「ねぇ、なんでマネージャーなの?
珍しくない?」
とあっさり聞いてしまう。
それを考えることもなく
「元々芸能科志望だったんですけど、日村おじさんからも裏方やってみると世界広がるよって誘われたんで。」
「日村コーチの甥っ子!?」
「え!?似てなくない!?だってあの人首ないよ?」
「こら理々杏!失礼でしょ!?」
「ご、ごめんでもみんな僕の言ってることわかるでしょ……?」
改めて彼の顔を見ると……うん、似てない。
と言うかそもそもおじなのならそんなに血が濃いわけでもないから似てなくて当たり前だし、なんなら似てない方が多い。
そうは思ってもあの遺伝子からこんな人が生まれるとは、さぞコーチの妹は美人なのだろう。
「おじさんに似てないです?
ほら……こんな顔とか?」
「ぷっ……なにそれ。」
「確かに?この死んだ顔は似てるかも?」
3人が笑いながら彼と話しているとサラッと彼は立ち上がり「お手洗い行ってきます。」と言って去ったのを見て4人で顔を見合わせる。
「案外警戒する必要ない?」
「かもねー、僕としては好きなもの近いだけで親近感湧いちゃうなぁ……でんは?」
「私はまあ別に、よく知ろうとしてくれるなら別にって感じ?
梅は?」
「え?私?……まあ悪い人じゃないのはそうじゃない?」
正直そこまで深く聞いたわけでもないし話したわけでもない。
でもまあ楓の言う通り知ろうとする努力をしてくれるだけでも初日としては上々だと思う。
「で?とりあえず梅につくわけでしょ……変に気負わないでね?」
史緒里が不安そうにこちらを見つめてくるが気負うなというのもまた難しい話。
どうしても一番最初に話すことになる私としてはこれからのことも含めて話すことは多くなる。
そうすると必然的に見極めていかないとどこまでいい影響があって、どこまで悪影響が出るかなんてわからない。
今までは歳の近い、異性のマネージャーなんて経験がないし、変に人当たりがいいのも少し引っかかる。
それと……何より多分彼は何かを意図的に隠してる。
そこが何かをわかるまでは少し警戒心を持っていこうと思う。
「ってな感じでまあみんなも、わかってると思うけど距離感だいじにね。
迷惑かけちゃダメだから。」
「「はーい」」
3人の気の抜けた返事のあと少しして彼が帰ってくる。
そのままお開きとなって会計に向かうと彼が全部払って戻ってきていたようでそのまま店を出る。
「なんで全部払ってるんです?」
「あぁ、これは日村おじさんに領収書渡して払わせるから大丈夫。」
「え!?それ怒られない!?僕レッスンキツくなるの嫌なんだけど……。」
「大丈夫ですよ伊藤さん。
元々歓迎会みたいなの開くなら領収書切って持ってきなさい経費だからって言ってましたから。」
これが歓迎会なのかと言われるとまあ難しいけどそれなら別に良いのだろうか?
そんなことを考えながらみんなで他愛無い話をしながら歩く後ろを少しに離れて私はついて歩く。
歩幅もゆっくり合わせながらチビーズの理々杏に合わせるように細かい足並みを見ていると本当に違和感なく他人に溶け込むのが上手い人なのだとは思う。
それにしても明日からが少し億劫で、私は過ごす時間が増えるとなると余計に足が重い。
(男の人なぁ……あんまり関わったことないから苦手なんだよなぁ。)
そんなことを考えながら家に着くと私たちを見送りそのまま彼は通りへと消えていく。
全く面倒な仕事を押し付けられたもんだとも思うが、私はそのままみんなと寮に帰って他のメンバーにも連絡を済ませるのだった。
「はい、子供の頃からずっとやってましたよ?」
「まじかー!僕ら気が合うじゃん!」
「かもしれませんね。」
「稲葉さんって野球とか好きだったり……?」
「えぇ。
子供の頃はしてました。
今は千葉ファンです。」
「むむっ、ライバル球団!
でも柚菜と同じですね!」
「そうですか、久保さんは……あぁそうか鷲党かぁ。」
「え!?そこまで覚えたんです!?」
「練習見ながら擦り合わせてたので……。」
「私は!私も!なんか当てて欲しい!」
「佐藤楓さん、愛知県出身ですよね。
バドミントンってあんな速いのに反応できるもんなんです?」
「意外とできるできる、勘で。」
「勘で……?」
「でんちゃん動物じみてる時あるもんねぇ……。」
気づけば私以外の3人は楽しそうに話し始めて盛り上がっている。
これはこれでまあ良いのだけれど妙に聞き上手すぎてみんな彼のことを知ろうと言って集まったのに、気付けば彼のペースに巻き込まれて色んな話をしてしまう。
うまく懐柔された3人を横目に私はとりあえず頭の中で聞きたいことを整理する。
(とりあえず、なんでマネージャー業務をすることになったのか、次にとりあえず趣味とか好きなことは聞いとかないと。)
そう思って口を開こうとすると彼の横に座った理々杏が
「ねぇ、なんでマネージャーなの?
珍しくない?」
とあっさり聞いてしまう。
それを考えることもなく
「元々芸能科志望だったんですけど、日村おじさんからも裏方やってみると世界広がるよって誘われたんで。」
「日村コーチの甥っ子!?」
「え!?似てなくない!?だってあの人首ないよ?」
「こら理々杏!失礼でしょ!?」
「ご、ごめんでもみんな僕の言ってることわかるでしょ……?」
改めて彼の顔を見ると……うん、似てない。
と言うかそもそもおじなのならそんなに血が濃いわけでもないから似てなくて当たり前だし、なんなら似てない方が多い。
そうは思ってもあの遺伝子からこんな人が生まれるとは、さぞコーチの妹は美人なのだろう。
「おじさんに似てないです?
ほら……こんな顔とか?」
「ぷっ……なにそれ。」
「確かに?この死んだ顔は似てるかも?」
3人が笑いながら彼と話しているとサラッと彼は立ち上がり「お手洗い行ってきます。」と言って去ったのを見て4人で顔を見合わせる。
「案外警戒する必要ない?」
「かもねー、僕としては好きなもの近いだけで親近感湧いちゃうなぁ……でんは?」
「私はまあ別に、よく知ろうとしてくれるなら別にって感じ?
梅は?」
「え?私?……まあ悪い人じゃないのはそうじゃない?」
正直そこまで深く聞いたわけでもないし話したわけでもない。
でもまあ楓の言う通り知ろうとする努力をしてくれるだけでも初日としては上々だと思う。
「で?とりあえず梅につくわけでしょ……変に気負わないでね?」
史緒里が不安そうにこちらを見つめてくるが気負うなというのもまた難しい話。
どうしても一番最初に話すことになる私としてはこれからのことも含めて話すことは多くなる。
そうすると必然的に見極めていかないとどこまでいい影響があって、どこまで悪影響が出るかなんてわからない。
今までは歳の近い、異性のマネージャーなんて経験がないし、変に人当たりがいいのも少し引っかかる。
それと……何より多分彼は何かを意図的に隠してる。
そこが何かをわかるまでは少し警戒心を持っていこうと思う。
「ってな感じでまあみんなも、わかってると思うけど距離感だいじにね。
迷惑かけちゃダメだから。」
「「はーい」」
3人の気の抜けた返事のあと少しして彼が帰ってくる。
そのままお開きとなって会計に向かうと彼が全部払って戻ってきていたようでそのまま店を出る。
「なんで全部払ってるんです?」
「あぁ、これは日村おじさんに領収書渡して払わせるから大丈夫。」
「え!?それ怒られない!?僕レッスンキツくなるの嫌なんだけど……。」
「大丈夫ですよ伊藤さん。
元々歓迎会みたいなの開くなら領収書切って持ってきなさい経費だからって言ってましたから。」
これが歓迎会なのかと言われるとまあ難しいけどそれなら別に良いのだろうか?
そんなことを考えながらみんなで他愛無い話をしながら歩く後ろを少しに離れて私はついて歩く。
歩幅もゆっくり合わせながらチビーズの理々杏に合わせるように細かい足並みを見ていると本当に違和感なく他人に溶け込むのが上手い人なのだとは思う。
それにしても明日からが少し億劫で、私は過ごす時間が増えるとなると余計に足が重い。
(男の人なぁ……あんまり関わったことないから苦手なんだよなぁ。)
そんなことを考えながら家に着くと私たちを見送りそのまま彼は通りへと消えていく。
全く面倒な仕事を押し付けられたもんだとも思うが、私はそのままみんなと寮に帰って他のメンバーにも連絡を済ませるのだった。