ep.4 僕が手を叩く方へ
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「……やっぱこの曲いいですよね。」
「ん?なんか言ました?」
「え?あぁ……俺この曲好きだなーってだけですよ。」
本番2日前、取り敢えずレッスン室で流し稽古をしていた私たちはぼそっと呟いた彼の言葉に反応した。
隅でいつもじーっと聞いてる彼が珍しく話したのが珍しくて史緒里が隣に行くと興味津々に目を輝かせるから少し気押されたように苦笑いしながら頭をかいてノートを閉じると立ち上がって話し始める。
「良くないです?だって……アイドルって感じしてすごい好きなんですよ。」
「そんなに!?いっぱいありますよ?乃木坂のアイドルっぽい曲って……それこそほらガールズルールとか何度目の青空かとか。」
「あ、もちろんその辺も好きですけどね。
単に僕が手を叩く方への方が好きですね、だってよくないです?
アイドル好きな人からしたらみんなって元気をくれる存在でさ。
その人たちが応援してくれるような前向かせてくれるような曲っていいですよ。」
「いやぁ……へへへ。」
史緒里が恥ずかしそうに顔を隠すが私たちもちょっと照れ臭くて顔を背けたくなる。
それも気にすることなくなってそのままノートを持つとゆっくりと輪の中にやってくる。
「ここなんですけど、みんなで手を叩く振り付けあるじゃないですか?」
「あ、サビの?」
「そうそう、そこってみんな観客席向きじゃなきゃダメです?」
「え?」
「例えば……ほら、手を繋いでCメロ前半は内側に向いてみんなで顔を見合わせて歌ってて、Cメロ後半から外側向いて大サビは手を叩く振り付けにするとか。
3期生の絆感じれてファンの人喜ぶと思いますよ。」
「なるほど……?」
言われてみればみんなで横一列手を叩くのが基本になっているけど、確かにそれはそれで期別ライブとしてはありかもしれない。
みんな真剣に考えながら想像すると、確かに今回のライブの締めにはいいかもしれない。
そんな風に考えながら悩んでいると気にしないように彼は話を続ける。
「3期生って、元々いた人数から4人卒業したんですけど、印象的なのって誰がどこにいても応援できるって仲間同士の絆がいいところだと思うんですよ。」
輪から出ながら楽しそうに彼は続ける。
「今残ってるメンバーってそれこそ絆って強いだろうし、こういう風に顔を見合わせてたら自然と笑顔になりそうだし、ファンの人たちも喜ぶんじゃないかなーって……まあ素人目線ですけどね。」
意外と演出の面まで考えてくれてるんだと思うと心がジーンと暖かくなる。
確かに今でも卒業したメンバーとはたまに顔を合わせて話しながら気づけばあっという間に日が暮れるなんて日常も多い。
別の道になったっていつまでも仲間だっていうよりも、別の道にいてもあの日のことを思い返せばいつだってそこにはみんながいる。
そんな気持ちを表現するために間を開けることも考えたけど、それは感傷に浸りすぎてる気がして却下になった。
「それに、悲しいですけど多分これからもずっとこの曲は歌う中でメンバーって一人一人いなくなっていく日は来ますけど、この思い出あったらいつの日かまた話せそうじゃないですか。」
「やめてぇ……それ考えさせないで……。」
「あ、すいません。」
涙脆い史緒里がポロポロそのことを考えて涙をこぼす。
でも確かにこれなら……いつかみんながいなくなってもあの日顔を合わせて歌えたことは忘れない気もする。
「まあ素人意見ですけどね。」なんて言って隅に戻るとまたノートに何かを書き始める。
そのいつもの景色を見ながら私たちはレッスンに戻る、自然と変わった振り付けもしっくり来るけど少し小っ恥ずかしい。
でも確かにしっくり来てるこの手応えを感じながら私たちは練習を続けるのだった。
「ん?なんか言ました?」
「え?あぁ……俺この曲好きだなーってだけですよ。」
本番2日前、取り敢えずレッスン室で流し稽古をしていた私たちはぼそっと呟いた彼の言葉に反応した。
隅でいつもじーっと聞いてる彼が珍しく話したのが珍しくて史緒里が隣に行くと興味津々に目を輝かせるから少し気押されたように苦笑いしながら頭をかいてノートを閉じると立ち上がって話し始める。
「良くないです?だって……アイドルって感じしてすごい好きなんですよ。」
「そんなに!?いっぱいありますよ?乃木坂のアイドルっぽい曲って……それこそほらガールズルールとか何度目の青空かとか。」
「あ、もちろんその辺も好きですけどね。
単に僕が手を叩く方への方が好きですね、だってよくないです?
アイドル好きな人からしたらみんなって元気をくれる存在でさ。
その人たちが応援してくれるような前向かせてくれるような曲っていいですよ。」
「いやぁ……へへへ。」
史緒里が恥ずかしそうに顔を隠すが私たちもちょっと照れ臭くて顔を背けたくなる。
それも気にすることなくなってそのままノートを持つとゆっくりと輪の中にやってくる。
「ここなんですけど、みんなで手を叩く振り付けあるじゃないですか?」
「あ、サビの?」
「そうそう、そこってみんな観客席向きじゃなきゃダメです?」
「え?」
「例えば……ほら、手を繋いでCメロ前半は内側に向いてみんなで顔を見合わせて歌ってて、Cメロ後半から外側向いて大サビは手を叩く振り付けにするとか。
3期生の絆感じれてファンの人喜ぶと思いますよ。」
「なるほど……?」
言われてみればみんなで横一列手を叩くのが基本になっているけど、確かにそれはそれで期別ライブとしてはありかもしれない。
みんな真剣に考えながら想像すると、確かに今回のライブの締めにはいいかもしれない。
そんな風に考えながら悩んでいると気にしないように彼は話を続ける。
「3期生って、元々いた人数から4人卒業したんですけど、印象的なのって誰がどこにいても応援できるって仲間同士の絆がいいところだと思うんですよ。」
輪から出ながら楽しそうに彼は続ける。
「今残ってるメンバーってそれこそ絆って強いだろうし、こういう風に顔を見合わせてたら自然と笑顔になりそうだし、ファンの人たちも喜ぶんじゃないかなーって……まあ素人目線ですけどね。」
意外と演出の面まで考えてくれてるんだと思うと心がジーンと暖かくなる。
確かに今でも卒業したメンバーとはたまに顔を合わせて話しながら気づけばあっという間に日が暮れるなんて日常も多い。
別の道になったっていつまでも仲間だっていうよりも、別の道にいてもあの日のことを思い返せばいつだってそこにはみんながいる。
そんな気持ちを表現するために間を開けることも考えたけど、それは感傷に浸りすぎてる気がして却下になった。
「それに、悲しいですけど多分これからもずっとこの曲は歌う中でメンバーって一人一人いなくなっていく日は来ますけど、この思い出あったらいつの日かまた話せそうじゃないですか。」
「やめてぇ……それ考えさせないで……。」
「あ、すいません。」
涙脆い史緒里がポロポロそのことを考えて涙をこぼす。
でも確かにこれなら……いつかみんながいなくなってもあの日顔を合わせて歌えたことは忘れない気もする。
「まあ素人意見ですけどね。」なんて言って隅に戻るとまたノートに何かを書き始める。
そのいつもの景色を見ながら私たちはレッスンに戻る、自然と変わった振り付けもしっくり来るけど少し小っ恥ずかしい。
でも確かにしっくり来てるこの手応えを感じながら私たちは練習を続けるのだった。