ep.2 勘違いと誠実さ
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オフの日。
それは一応ライブ等がない日曜日に設けられた休息の日。
みんなこの日に課題やレポートの消化、ブログやSNSのネタ用に写真を撮っていたり、仲のいいメンバーで出かけたりと各々の時間を過ごす
私はいつも通り自主練をしようと思ったけど、今日はワックスの塗り直しがあるとかなんとかでスタジオが使えないことを知って急遽おでかけに変更した。
「最近服とか見れてなかったからなぁ……。」
ここ最近はキャプテン就任、新体制になってのライブが近い、雑誌の撮影やテレビの出演と忙しくさせてもらっている。
ありがたいことで全て真剣に取り組ませてもらっているけれど、こういう休みの日に何もしないのは少し落ち着かない。
一日家でぐだぐだ過ごす事にした祐希や史緒里は誘っても断られたし、楓はすでに出かけてる。
蓮加に理々杏、綾乃は今日はゲーム三昧だ!って昨夜からゲームをしてたからまだ寝てるし、舞台が忙しかった麗乃もスヤスヤ眠っている。
そうなると出かけるのに1人もなーなんて思って後輩を誘おうかとも思ったけれど残念ながらオフの日に突然キャプテンの呼び出しなんて萎縮させてしまう気がして誘うに誘えなかった。
ということで、私は1人足を伸ばして渋谷に来ていた。
「特に目的はないけど……まあ服とか見てこっかな。」
一日休めばいいかも知れないけど私は休みの日もある程度体を動かしていたいタイプ。
きっと運動部にずっといたのも理由の一つなのだろうけど、なんかじっとしてるのは落ち着かない。
当てもなくぶらぶらと歩いて服を見まわる事にしてのんびり歩き回る。最近の流行りは撮影とかで着させてもらってるし、モデル業をする時のために服の流行はなるべく抑えている。
それでもやっぱりスタジオで着る服や雑誌に乗る服はブランドものが多くて、たまにこうして足を運んだ先にあるシンプルな服や、流行とは違うと言われる服を見るのが私は好きだ。
ファッションに関して色々思うところがあると言うよりは「好きな服をTPOに合わせて」着る方が気分が上がる。
そんなことを考えていると目の前に見知った顔が見えた気がして慌てて駆け寄ろうとして足を止めて人混みに隠れる。
「……んん?」
「どうしました?」
「いや、今……気のせいですかね……?」
「そうですか?」
多分……いや、間違いない。
あの後ろ姿は和と……龍馬さん。
休日に2人で出掛けてるなんて何の用事だろうか?
慌てて鞄のサングラスを取り出してマスクをつけるとゆっくり2人の後をつける。
まず入ったのは小さな雑貨屋さん。
和風のデザインでまとめられた小物メインの雑貨屋さんは店内も狭く、バレる危険が大きいため前で見守る事にしてこっそり中を見る。
何故気ままな休日がこんな事になったのか……私は少し頭を抱えそうになるが程なくして10分ほどすると2人が出てくる。
小さな小袋を一つ追加して2人は話しながら歩き始める。
なぜこんな尾行をしてしまっているのかわからない、でも放っておくのは違う気がして私は付かず離れずの距離を保つ。
楽しそうに話しているのがうれしい反面、距離感が近すぎてもしファンの人にばれたらどうしようという不安が強い……そう心配なのだ。
それ以上でも以下でもないと言い聞かせ私は二人の尾行を続ける。
雑貨屋、服屋、調理器具のお店、また雑貨屋。
くるくる歩き回る二人について回るのは仕事よりもレッスンよりも疲れる。
歳もそんなに変わらない、数か月前までは私も制服を着ていたはずだしましてや彼は同級生だ。
私だけこんなに疲れてる事実に衰えを感じながら二人が最後に向かった先は映画館。
さっきまで通りに中に入ったのを確認して少し時間を空けて入ると目の前には彼がいて、慌てて逃げようとしたがパッと腕をつかまれる。
「逃がさないですよ……ってあれ?」
「……っ!!」
反射的に出た正拳突きが彼のお腹に突き刺さる。
確かな手応えとともにくの字に体を曲げる彼、後ろから慌てて駆け寄る和。
取り返しのつかないことになったと思いながら緩まない彼の手を受け入れるのだった。
それは一応ライブ等がない日曜日に設けられた休息の日。
みんなこの日に課題やレポートの消化、ブログやSNSのネタ用に写真を撮っていたり、仲のいいメンバーで出かけたりと各々の時間を過ごす
私はいつも通り自主練をしようと思ったけど、今日はワックスの塗り直しがあるとかなんとかでスタジオが使えないことを知って急遽おでかけに変更した。
「最近服とか見れてなかったからなぁ……。」
ここ最近はキャプテン就任、新体制になってのライブが近い、雑誌の撮影やテレビの出演と忙しくさせてもらっている。
ありがたいことで全て真剣に取り組ませてもらっているけれど、こういう休みの日に何もしないのは少し落ち着かない。
一日家でぐだぐだ過ごす事にした祐希や史緒里は誘っても断られたし、楓はすでに出かけてる。
蓮加に理々杏、綾乃は今日はゲーム三昧だ!って昨夜からゲームをしてたからまだ寝てるし、舞台が忙しかった麗乃もスヤスヤ眠っている。
そうなると出かけるのに1人もなーなんて思って後輩を誘おうかとも思ったけれど残念ながらオフの日に突然キャプテンの呼び出しなんて萎縮させてしまう気がして誘うに誘えなかった。
ということで、私は1人足を伸ばして渋谷に来ていた。
「特に目的はないけど……まあ服とか見てこっかな。」
一日休めばいいかも知れないけど私は休みの日もある程度体を動かしていたいタイプ。
きっと運動部にずっといたのも理由の一つなのだろうけど、なんかじっとしてるのは落ち着かない。
当てもなくぶらぶらと歩いて服を見まわる事にしてのんびり歩き回る。最近の流行りは撮影とかで着させてもらってるし、モデル業をする時のために服の流行はなるべく抑えている。
それでもやっぱりスタジオで着る服や雑誌に乗る服はブランドものが多くて、たまにこうして足を運んだ先にあるシンプルな服や、流行とは違うと言われる服を見るのが私は好きだ。
ファッションに関して色々思うところがあると言うよりは「好きな服をTPOに合わせて」着る方が気分が上がる。
そんなことを考えていると目の前に見知った顔が見えた気がして慌てて駆け寄ろうとして足を止めて人混みに隠れる。
「……んん?」
「どうしました?」
「いや、今……気のせいですかね……?」
「そうですか?」
多分……いや、間違いない。
あの後ろ姿は和と……龍馬さん。
休日に2人で出掛けてるなんて何の用事だろうか?
慌てて鞄のサングラスを取り出してマスクをつけるとゆっくり2人の後をつける。
まず入ったのは小さな雑貨屋さん。
和風のデザインでまとめられた小物メインの雑貨屋さんは店内も狭く、バレる危険が大きいため前で見守る事にしてこっそり中を見る。
何故気ままな休日がこんな事になったのか……私は少し頭を抱えそうになるが程なくして10分ほどすると2人が出てくる。
小さな小袋を一つ追加して2人は話しながら歩き始める。
なぜこんな尾行をしてしまっているのかわからない、でも放っておくのは違う気がして私は付かず離れずの距離を保つ。
楽しそうに話しているのがうれしい反面、距離感が近すぎてもしファンの人にばれたらどうしようという不安が強い……そう心配なのだ。
それ以上でも以下でもないと言い聞かせ私は二人の尾行を続ける。
雑貨屋、服屋、調理器具のお店、また雑貨屋。
くるくる歩き回る二人について回るのは仕事よりもレッスンよりも疲れる。
歳もそんなに変わらない、数か月前までは私も制服を着ていたはずだしましてや彼は同級生だ。
私だけこんなに疲れてる事実に衰えを感じながら二人が最後に向かった先は映画館。
さっきまで通りに中に入ったのを確認して少し時間を空けて入ると目の前には彼がいて、慌てて逃げようとしたがパッと腕をつかまれる。
「逃がさないですよ……ってあれ?」
「……っ!!」
反射的に出た正拳突きが彼のお腹に突き刺さる。
確かな手応えとともにくの字に体を曲げる彼、後ろから慌てて駆け寄る和。
取り返しのつかないことになったと思いながら緩まない彼の手を受け入れるのだった。