Innocent
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セルゲームから7年――セルとの闘いで命を落とした悟空が、天下一武道会に出場する為、一日限定で下界に戻ってきた。
悟天と一緒にチチの後ろに隠れていた栞音は、初めて父親と対面した。
「オラそっくり」だと言われた悟天と、悟空似ではない栞音。
チチに紹介されると、悟空は悟天の時以上に驚いた。
「そっちもオラの子か!?そういや昔のチチに似てんなぁ!」
そして、悟空があの世に帰る前、何か言いたげな息子の気持ちをチチが察し、悟天は悟空に抱っこして貰った。
「ほら、栞音ちゃんも」
なかなか踏み出せない娘の背を、優しく押すチチ。
「来いよ、栞音!」
片腕で軽々と悟天を抱き、悟空がもう片方の手を差し出す。
「おとうさん」と、栞音は両手を伸ばした。
父の逞しい両腕に、小さな双子が収まった。
魔人ブウとの闘いの最中、老界王神の命を貰う事で、再び生き返った悟空。
元気玉でブウを倒した後、孫一家は家族で暮らし始めた。
父、悟空。母、チチ。長男、悟飯。次男、悟天。そして……長女、栞音の5人で。
平和な暮らしが続き、数年の時を経た。
「栞音は、なかなか超サイヤ人にならねぇな~。悟天は早かったのによ」
朝、家族で食卓を囲んでいると、悟空が言った。
悟天は7歳の時にあっさり超サイヤ人になったが、双子の姉の栞音は、未だ覚醒の兆しがない。
サイヤ人と地球人の混血児は、潜在能力が高いと言われているのに。
「悟天が凄いんですよ。ボクだって相当修業して、やっとだったじゃないですか。栞音には舞空術くらいしか教えてないですし」
悟天と一緒に悟飯に舞空術を教わった他は、幼い頃からチチに師事し、組み手など武術の基礎鍛練をする程度だ。
それも習い事のようなものであり、これまでの闘いでも戦力にはならなかった。
「栞音ちゃんまでそんなもんにならなくていいだ!」
チチが、夫と息子達におかわりを持って来て言う。
栞音の食事量は彼ら程ではなく、チチよりも少食だ。
「栞音はおとなしい子だし、戦闘には不向きかもしれませんね」
「一緒に遊んでても、ボクとトランクスくんの対決ごっこには入って来ないんだ。マーロンちゃんと、よくボール遊びとかしてるよね」
悟飯と悟天も、そう語る。
「基礎鍛練は欠かさねぇし、そこらの地球人の子よりは強い筈だ。これ以上強くなる必要はねぇ。修業だの戦いだの行かずに、傍にいてくれたらいいだよ」
なぁ、とチチが栞音の頭を撫でた。
「勉強もすすんでするし、家の手伝いもしてくれるお利口さんだ。この料理もな、半分は栞音が作っただよ」
「へ~、そうなんか!うめぇぞ、栞音!!」
「おかあさんに教わりながら作ったから」
料理の味を褒められ、はにかみながら微笑む栞音。
「栞音は偉いなー。ボク達は母さんに心配かけてばかりだから、栞音が一緒にいてくれて助かるよ」
「悟飯、嫁さんには苦労かけるでねぇぞ。まー、ビーデルは強くてしっかりしてるから、大丈夫だと思うけどな」
「はは……わかってます」
「いってきまーす!」
「いってらしゃい。飛行機に気を付けるだぞ」
「はーい」と返事をして、悟天と栞音は筋斗雲に乗って出発した。
二人とも自力で飛べるが、栞音は悟天ほど速くは飛べないので、筋斗雲で一緒に登校している。
「昔の悟空さとおらみてぇだな~」
二卵性故に顔は全く似ていない双子を見送りながら、チチは懐かしそうに呟いた。
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