君のために
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「サ~ド~」
え?
「はぁ」
ため息をついた篠田さんの殺気が消えた。
「優子さん、ここには来ちゃダメだって前にも言いましたよね」
「あ?いいじゃねぇか。屋上好きなんだよ。それにサドの顔見たくてよ」
「ここにいるってよくわかりましたね?」
「それはお前、あんな殺気出すのサドしかいねぇだろ」
「え?そんな出てました?」
「あぁ、出てた。な?」
『え?』
急に話をふられてすぐに答えられなかった。
いや、それよりちょっと待て。
サド?優子?どっかで・・・・
『あっ。あぁぁぁぁぁっ!!』
「なんだよ、急にうるせぇなぁ」
『サ・・サドと優子・・・さんって、あの、あのマジ女の・・・?え?篠田さんてサド・・・さんなんですか?』
「なんだよ、言ってなかったのかよ」
「別に自分から言うことでは無いですから」
「そんで、患者相手に何しようとしてたんだよ」
「別に何も」
「何もってこた無いだろ」
「ただ、ムカついただけです」
「何にだよ」
「守ってもらうばっかりで戦わないくせに弱い弱いって逃げてばっかりのヤンキーに」
またピリッと緊張感が増す。
『そ・・れは』
「弱いわけじゃなさそうなのに守ってもらえることに甘えてんですよ」
「・・・ふ~ん」
『甘えてなんて・・・』
「今だってあたしのパンチよけましたよ」
「へぇ。・・・サドのパンチをねぇ」
「まぁ、看護師になってから喧嘩は禁止されてるんで体なまってますけどね」
数秒じっとあたしを見た優子さんが言う
「よし!退院したら丘の上の神社に来い!」
「はっ?ちょっと、優子さん!?」
「大丈夫だって。喧嘩はしねぇよ。ただ話してみたくなったんだよ」
「すぐそうやって・・・」
なんだか自分の意見を言えないまま勝手に決まってしまった。
その3日後、あたしは退院した。
翌日、早速神社へ向かう。
篠田さんに言われた通り、たい焼きを持って。