君のために
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翌日。
アントニオは今日もお見舞いに来てくれた。
しかも今日はアントニオ1人。
それって・・・?
アントニオはいつものように特に何をするでもなくベッド横の椅子に座ってスマホをいじってる。
『ねぇ、アントニオ』
「ん?」
『今日、他のみんなは?』
「置いてきた」
『ふぅ~ん・・・』
「なんや?あたしだけじゃ不満か?」
『そういうわけじゃないけど・・・』
これはチャンスだ。言わなきゃ。
ドキドキするけど。
ベッドから体を起こして
『・・・ねぇ、アントニオ』
「ん?」
『あたしと別れてくんない?』
声が震えないように言う。
「・・・・・・は?」
目線だけをこっちに向けてくる
『だからあたしと』
「昨日なんかあったか?」
『え?何も無いよ。あの日のこと色々・・・思い出してさ』
色々考えてって言ったらアントニオは感じとってしまうから。
「何を?」
『あたしが捕まってさ、アントニオ来てくれたでしょ?嬉しかったんだよね。ぶっ倒してくれるんだって』
アントニオはスマホをポケットにしまう。
次の一言は緊張する。
きっと彼女を傷つけるから。
『なのに、何にびびったのか土下座なんかしちゃってさ。・・・ガッカリしちゃった』
ガタッ
アントニオは立ち上がると左手であたしの胸元を押してベッドに押し付ける
「お前っ!!」
この目が怖い。でも信じてもらうためには絶対に逸らしちゃダメなんだ。自分も目に力を入れる。手にも力が入る。
『あたしは強いアントニオが好きなんだ。だから別れてください。・・・もう来ないで』
ドスッ
アントニオは右手でベッドを殴って
「わかった」
そう言って出て行った。
アントニオがいなくなってから手の震えが止まらない。
『はぁっはぁっ』
涙が止まらない。
さっきまで押さえられてた胸元が熱くて仕方ない。
でもこれでいい。
アントニオは最強でなければならない。
てっぺんにいるべき人だから。
『ひどいこと言ってごめんね、アントニオ』