君のために
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まてっ!やめろっ!!アントニオ!!!
『ん・・・』
目を開ければ
「あ!姐さん、葵さん目ぇ覚ましましたよ」
声がするのはわかるけど頭がぼ~っとしてる。ただ真上の天井を見つめていると
「葵?分かるか?」
アントニオが覗きこんできた。
その瞬間、涙が止まらなくなって。
アントニオはあたしの頭を撫でたあと
「先生呼んでくるな」
病室を出ていこうとした後ろ姿に
『まっ・・・』
え?
あたし、今、待ってって言おうとした?
まさか甘えようとした?
恥ずかしい。顔が熱い。
みんな、あたしを見てる。
もちろんアントニオも振り向いて
「ま?」
『いや、別に』
首を振ってみるけど
「あ、せや。ナースコール押したったらええやんな?」
そう言ってナースコールを押して枕元にあったティッシュであたしの涙を拭ってくれた。
あれ?
皆もアントニオも顔にアザや赤みがあるな。
そっか。良かった。あれは夢だったんだ。
すぐに先生と看護師さんが来て
「あ、目ぇ覚ました?うん。顔色もいいし大丈夫そうだね。運ばれたときはかなり危なかったからね。そこから3日も目覚めないから心配してたよ」
『3日・・・』
「まだ検査もあるから退院はもうちょっと先だけどね」
何個か問診をして血圧を計って先生と看護師さんは帰っていった。
「なんか欲しいもんあるか?」
首を横に振る。
そんな時、廊下からバタバタと足音が聞こえて
「アントニオさん!!あっ、葵さん、めざめたんですね!おめでとうございます」
「おい、用件はなんや?」
「あ、学校に戻ってください。攻めこまれてます。今はこびーさんがなんとかしてますけど」
「・・・わかった。ごめんな、葵。ちょっと戻らなあかんわ。また明日来るから」
うなずく。
「ちょっとお前ら先に病室出とけ」
そう言ってベッド周りのカーテンを閉める。
ちょっとだけ個室空間ができたかと思うとアントニオはあたしの頬に手を添えて
「無事で良かった」
微笑むとキスをして
「よし、行ってくるわ」
カーテンを開けて颯爽と出て行った。