君のために
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『ど、どうしよ?こびー怒らせちゃった』
「ほっとけ」
『でも』
「あーなったら追いかけても無駄やし」
・・・・・・
なんだか2人っきりは気まずい。
でもこの状況で自分も出ていくのはダメな気がしてる。
『あ、あのさ』
「ん?」
『さっきこびーが言ってたこと・・・』
「あぁ」
はぁ。とため息をつかれて
「病室で胸ぐら掴んだ時の葵の心拍数半端なかったで。えっちしてる時でもあんなドキドキせぇへんのに」
は?
『ちょっとぉ!!』
ニヤニヤしてる
「やから、なんかワケがあるんやろなって」
『そ、そんなことで?』
「そうや」
『はぁぁ。うまくやったと思ったのにな』
「まぁ普通のやつなら騙せたかもな」
『むー』
「ははっ。あたしを誰だと思ってんねん」
『・・・・・』
「でも葵がケンカするとは思わんかったけどな」
『まぁ・・・色々ありまして』
「色々?」
み、眉間にしわ寄ってますよ?
『守ってもらうだけかよってある人に言われてさ』
「は?誰がそんなこと言うてるん?」
『まぁ実際そうだったじゃん?』
ちょっとイラッとした顔をしてる。
「あんな。あたしは葵を守ることで強くなれるねん」
『・・・あたしがいなくてもアントニオは充分強いよ』
「誰かのために戦うってめちゃくちゃ力になるって知ってるか?」
『誰かのために・・・』
「せやで。やからあたしには葵がおらんとあかんのや」
『それは』
「なぁ。もう一度あたしと付き合わへん?」
『・・・勝手に別れを切り出しといて今さら「うん」て言っていいのかな』
「まだあたしのこと好きなくせに付き合わない選択肢とかあるん?」
『・・・へへっ。自意識過剰だな~』
「葵があたしのこと嫌いになるわけないし、あたしはそれ以上にもっと好きやしな」
『アントニオ~!!』
たまらずあたしはアントニオに勢いよく抱きついた。
「うぉっと」
アントニオは受け止めてくれた。
あたしの背中をさすりながら
「そんで、返事は?」
『よろしくお願いします』
「ん」
ちょっと体を離してアントニオが目を合わせてくる。
これは・・・
「キス・・・していいか?」
『えっ・・・・』
答える間もなくキスされた。
全然聞いてる意味ない。
まさに、むさぼるって言葉が当てはまるように息つく隙も与えてくれないほどのキス。
逃げようにもガッチリ引き寄せられてて無理っぽい。
自分の感覚としては5分くらいたった頃
『はぁっ。はぁっっ。死ぬっ!!』
「勝手に別れようとした罰や。半分はあたしのために戦ってくれたご褒美やけど」
『なっ!!』
ニヒヒって笑う。
そんなアントニオを見てやっぱり好きだなって思う。
「ほんじゃ帰ろか。送るで」
そう言ってあたしの荷物を持ってくれる。
あいてるもう片方の手を差し出してくるから迷わず手をとってギュッと握った。