君のために
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葵side
『優子さん、喧嘩教えてくれるんじゃなかったんですか?』
「あ?話したいだけだって言ったろ?それに喧嘩は教えられるもんじゃねぇし」
神社に来て2時間。たい焼きを食べてただ遠くを眺める優子さん。
『はぁ』
「なんだよ。喧嘩したいのか」
『喧嘩は嫌いです』
「なんで?」
『・・・痛いじゃないですか』
「あ?」
『殴る手は痛いし、殴られるのはもっと痛い』
「・・・はぁ。お前はズルいな」
『え?』
「仲間はお前を守ってくれてんだろ?アイツらは痛くないとでも思ってんのか?」
『・・・・・』
「まぁアントニオはお前のこと守りたいんだろうけどお前はアントニオを守りたいと思ったことないのかよ?」
『あたしだって!あたしだってアントニオを守りたい。でもアントニオはこびーがいるから大丈夫って。喧嘩なんかするなって』
「かっこつけてんな」
『でも・・・あたしにできますかね?』
「それはお前次第だろ。んじゃぁ、ちょっとだけ相手してやるか。かかってこい」
『・・・じゃぁ』
踏み込んで顔めがけて殴ろうとした瞬間
パシッ
『いってててて』
腕を掴まれて捻られた・・・篠田さんに。
いつの間にいたんだろ
「優子さん!!」
「お、サド」
「喧嘩はしない約束です」
「喧嘩じゃねぇよ。相手するだけだ」
「一緒です!!」
『あ、あの~とりあえず離してくれませんか?』
「あぁ。あたしが相手になってやる」
『え』
「サドだって喧嘩禁止されてんだろ?」
「喧嘩じゃないです。相手するだけです」
「ははっ。確かに」
「神楽さん。一応、顔殴るの禁止ね。当たらないとは思うけど」
『あ、はい』
「よし行くぞ」
それから暗くなるまで必死に戦った。
顔はダメだって言うから足やわき腹を狙ってダメージを与えていったつもりだけど篠田さんが膝をつくことは無かった。悔しくて1度だけ顔を殴ったら・・・いや、殴ろうとしたら逆にめちゃめちゃ殴られた。立ち上がれないほどに。
『はぁっ、はぁっ』
「もう暗いし帰るか。サドも明日仕事だろ」
『あたしの攻撃、全然効いてない』
「相手サドだぞ?サドじゃなかったら倒せてるって。お前、自分が思うより強いから」
『そうですかね』
「あぁ。だからって意味のない喧嘩はするなよ。喧嘩は誰かのためにやれ」
『はい』
「よっしゃ。帰るか」
「あ、優子さん。この辺散らかったんで直してから帰ります」
「・・・そうか」
『え!じゃぁあたしも手伝います』
「いいから」
「そうそう。あとはサドに任せとけ」
『そうですか?じゃぁ、失礼します。今日はありがとうございました・・・サドさん』
優子さんと一緒に神社をあとにした。
その後の神社
やっといなくなったか。
少し経って、その場で寝転ぶサド。
アイツなかなか的確に攻めてきたから結構ヤバかった。効いてないフリも楽じゃない。あたしも歳とったってことか。情けない。
「サ~ド~」
目の前に手を差し出される
「あれ?優子さん」
その手を掴んで起き上がる
「途中で忘れ物したって戻ってきた。アイツは帰らせたよ。ほれ」
渡されたコンビニの袋を見ればロックアイスが入ってて
「顔はきれいでも拳が腫れてたらバレるだろ」
「ありがとうございます」
「さっ、帰ろうぜ。久々にサドの喧嘩見たら興奮してきた」
「は?何言って」
「お腹の手当てもしなきゃな~。その為には脱がさなきゃいけないなぁ~。そしたらまた興奮するなぁ。うんうん。早く帰ろうぜ」
イヤな予感しかしない、、、