2月14日
夢小説設定
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彩side
『ねぇ。ほんとにあたしでいいの?』
「神楽さんがいいんです!」
ベンチをポンポンと叩いて座ってって言う。
『・・・・ねぇ。美優紀ちゃんは』
「また美優紀ですか?やから、美優紀は」
『・・・呼び捨てなのに』
は?
「いやいや。さすがに年上じゃないですか」
あ、ムスッとした顔もかわいいなぁ。
『・・・恋人に上下関係必要?それに敬語も』
はぁ。もう。
「葵」
『っ!!・・・やっぱり呼び捨てやめて』
「なんで?」
『・・・心臓持たない』
「ははっ。キュンとするん?」
『今日の山本さん・・・』
「なんでやねん!」
『え?』
「あたしが呼び捨てしてんのに葵がさん付けはおかしいやろ」
『・・・だって。恥ずかしい』
「はぁ?? はい。さーやーか」
『・・・・・・無理ぃ』
「あたしだって名前で呼ばれたいのに」
わざとちょっと悲しい顔をしてみれば
『あ。ごめん。そっか。・・・さ、やか』
って、簡単に作戦にハマっちゃう。
「はい。よくできましたー」
『なんかね、分かんないの。いつもかわいい山・・さ、やかが今日はめちゃくちゃかっこよくて。で、皆にキャーキャー言われてて。彩もまんざらでもなくて』
「え、ごめん」
『いや、それはいいの。ライブってそういうもんでしょ?でも、そうやって紙袋いっぱいに形として見えちゃうと・・・なんか・・・こう、ね』
って、紙袋に視線を向けたあとこっちを見る。
『え、あたし何言ってんだろ。ごめん。なんでもない。忘れて』
「もう嫉妬してくれんの?」
『え?嫉妬なの?』
「皆にチョコもらうの嫌なんやろ?」
『・・・うん。せめて見えないようにして』
「嫉妬やん」
『・・・・明日から年上の余裕出すから!』
「そんなんいらんし」
気になってたことを聞いてみる。
「なぁ、今日楽しかった?」
『うん。楽しかったよ』
「ほんまにぃ?・・・途中泣いてたやん」
『あ、あぁ。やっぱり気づいた?』
「そのあと全然あたしのこと見てなかったやん。やから、これはもう嫌われたんやと思っててん」
『あー、あれはぁ・・・目が合ったら死んじゃうなって』
「はぁ??」
『今まで見たことない彩がいっぱいだった。曲によって全然目つき違うしさ。歌もめちゃめちゃ上手くて耳から入って全身巡って心臓掴まれて。そしたらなんかパニクっちゃって・・・気づいたら泣いてた。ごめんね』
こんなに褒められてめっちゃ嬉しい。
「ライブ見て好きになってくれたん?」
『それだけじゃないけど、まぁ。そうだね』
「ちゃんと言うてほしい。好きやって」
『えっ。・・・・す・・・きです』
また顔真っ赤にして言う。
ほんまにこの人、年上なんやろか。
「え?なんて?」
『もう。いじわる。そんな彩も好きだけど!』
しっかりと目を合わせた葵は
『これからよろしくね。・・ふふ』
って笑うからこれはイケるんちゃうかと思って顔を近付けたら
『キスはしないよ』
「なっ・・・」
『がっつかないのが年上の余裕~』
「別にがっついてないし、それ年上の余裕なん?」
あはは~って楽しそうに笑って立ち上がって手を差し出す葵。
『さっ。遅くなる前に帰ろ』
「あ、じゃぁ送る」
って、その手を取って歩き出せば
『はぁ?どう考えてもあたしが送る側でしょ、高校生ちゃん』
「はっ。保護者かよ」
年下扱いにちょっと拗ねて言えば
『送るって言ってくれるのは嬉しいよ』
って頭をぐしゃぐしゃされたから
「すぐ大人になったるから」
ちょっと先の未来も一緒にいれたらいいな、と希望をこめて言えば葵は笑顔で
『うん。よろしくね、彩』
繋いだ手をぎゅっとしながら答えてくれた。